ピアノ教室・音楽療法「音楽室ゆう」

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【初心者向け】ロングセラーピアノ楽譜『音楽表現練習へのピアノ小曲集1』

曲集
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今回取り上げた『音楽表現練習へのピアノ小曲集1』、私、子どものころレッスンで使っていました。

なんと今から40年ほど前!古くからある楽譜です。

表紙のデザインが変わっていなくて、たまたま見かけてビックリ!「キャー懐かし~~」と思わず買ってしまいました。

長く、長~く、ピアノの先生に支持されてきた楽譜ということですね。

その理由は、安心して生徒に勧められる定番曲満載、というところでしょうか。

詳しく中身をご紹介します。

『音楽表現練習へのピアノ小曲集』の基本情報

まずは、この『音楽表現練習へのピアノ小曲集』とは?、ということについてです。

初版から45年以上!ロングセラー楽譜です

40年前に私自身が使っていた、ということからも明らかですが、この楽譜、とても古くからあるものです。

出版元のシンコーミュージックのサイトによると、発売日が「1972年1月31日」となっています。今年2018年からさかのぼること46年前ですね。

参考シンコーミュージック・エンターテイメント『音楽表現練習へのピアノ小曲集№1〈バイエル併用〉』

楽譜に付いてきた帯にも、

「累計部数200万部突破!45年以上支持され続けたピアノ導入書」

という文字が。

でも、Amazonで調べると同じタイトル同じ著者名で「1957年」「1960年」というものも出てきて(中古なら購入可)正式な初版はもっと古いのかもしれません。

1957年となると、今から61年前です!長く使い続けられてきた教材だということが分かります。

ちなみに、1957年はかの有名なピアノ導入教材『オルガン・ピアノの本』の初版が出版された年でもあります。

 

 

数えきれないほどにあふれている現代のピアノ教材ですが、長く残って使い続けられているものというのがしっかりあるんですね。

著者小川一朗さんについて

編著者は、小川一朗さん。1967年に71歳で亡くなられているようです(このことから考えても初版は1957年かな)。

自宅でピアノ教室をされ、かつ、ピアノや音楽に関する書籍を複数出されていて、ピアノ教育家ということになるかと思います。

この『音楽表現練習へのピアノ小曲集』は、「まえがき」によると、ご自身の教室で30年にわたって生徒さん方へ与え好評だった曲をまとめたものということです。

また、「まえがき」には以下のようにも書かれています。

★ 日本ではピアノを始めるとなると先ずバイエル教則本をということになっています。(中略)勿論このバイエルもよく出来ていますから、ピアノ奏法の基礎的技術としては、先ず結構でありましょう。しかし日本の子供さん方の心情から見ますと、旋律のもつ風格が純然たるドイツ風であったり、余りにも運指の練習に専念し過ぎていたりするので、年幼い方達にはややもすれば途中で勉強への意欲を減退させる場合が多いようです。

★ 元来音楽は、何かの感じを想いをうたい、心情を美化して、しかも常に心たのしくあってこそ、その値打ちがあるものと思います。従ってピアノ勉強の初心者に対しても、技術の練習と同時に、音楽的表現の種々相を理解させ、且つはその演出効果を上させるよう色々な楽曲を与えることは、寸刻もゆるがせに出来ないものと思います。

引用;『音楽表現練習へのピアノ小曲集1』「まえがき」(太字は原文のまま)

こうした考えから、バイエルは「運指技術の練習書」、本書は「音楽表現への練習書」という位置づけと考えて作成した、との旨が記されています。

大きくうなずいてしまうような内容ではないでしょうか。

「ピアノを教える身として思いは同じ」

そう考える先生方によって、使い続けられてきたということなのでしょうね。

 

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内容は?・・導入からブルグミュラーまで

それでは内容を詳しく見てみます。

難易度は?

この楽譜の正式な名前は『音楽表現練習へのピアノ小曲集 バイエル併用』です。「バイエルの併用曲集」ということですね。

なので、すべての曲に対して「バイエル〇番程度」という、難易度表示がされています。

「バイエル10番程度」から10番刻みで「100番程度」まであり、最後は「バイエル終わり頃」となっています。

次の章で全掲載曲を表にまとめていますが、『ブルグミュラー25の練習曲』の曲も2曲(「アラベスク」と「狩猟」)含まれています。

また、以下の曲は以前紹介した『ブルグミュラー併用ピアノ曲集』に入っています。

  • すみれ(ストリーボッグ)
  • 舞踏の時間に(リヒナー)
  • そりに乗って(ケーラー)
  • トルコ行進曲(ベートーベン)

 

というところでは、ブルグミュラーに入ったころまでの難易度が含まれるということですね。

 

掲載曲一覧

それでは掲載曲をご紹介します。

全部で71曲です。多いですね~~

 題名バイエルの進度作曲者
1ドレミファソのうた10番程度
2歌調10番程度
3ちょうちょう10番程度
4ワルツ10番程度
5ぼうやねんね10番程度オウガステン
6雨だれのおどり10番程度エンゲル
7ブンブン小蜂10番程度ドイツ民謡
8ドイツの歌10番程度
9水車20番程度イェンセン
10『ジングル ベル』より20番程度
11おやすみなさい20番程度オウガステン
12メリーのかわいい羊20番程度
13春の声20番程度ハリオット
14おどり20番程度バーディー
15五月に30番程度ベール
16よろこびの歌30番程度ベートーベン
17子供の歌30番程度ベール
18田舎のおどり30番程度バーディー
19かっこう30番程度オーストリヤ民謡
20谷川の流れ40番程度ハリオット
21狩り40番程度パガニーニ
22小川の水車40番程度ツィリッヒ
23ハーモニカをふく子40番程度コルトー
24クリスマスの鐘40番程度ケーラー
25手品40番程度ストリーボッグ
26そよ風50番程度ハリオット
27楽隊あそび50番程度エンゲル
28泉のほとり50番程度エーステン
29オルゴール50番程度ツェルニー
30ライオンの大行進50番程度サンサーンス
31ロング ロング アゴ―60番程度ベイリー
32人魚の歌60番程度ウェーバー
33ふるさとの小川60番程度オーノルド
34時計交響曲の第二楽章より60番程度ハイドン
35インディアンのおどり60番程度コルトー
36槌音高く70番程度コルトー
37チクタク時計70番程度ツェルニー
38かわいいオーガスティン70番程度ドイツ民謡
39ドイツ民謡70番程度ケーラー
40子守歌音感テストエンゲル
41オレンジのラプソディ70番程度エンゲル
42故郷の人々70番程度フォスター
43夕べの歌70番程度グルリット
44ジーク80番程度アイルランド民謡
45おもちゃのシンフォニーより80番程度レオポルト・モーツァルト
46田舎風の踊り80番程度フンテン
47ミュゼット80番程度ダカン
48子供の謝肉祭80番程度ストリーボッグ
49小鳥のさえずり80番程度ストリーボッグ
50エコセーズ80番程度ベートーベン
51ワルツ「黒い瞳のスーザン」80番程度ストリーボッグ
52小舞曲80番程度ハイドン
53アリア80番程度バッハ
54五月のそよかぜ90番程度ロルセーズ
55すみれ90番程度ストリーボッグ
56フリュートをふく人90番程度ツェルニー
57王子のチャーミングなワルツ90番程度ツェルニー
58ハバネラの歌「歌劇カルメンより」90番程度ビゼー
59アラベスク100番程度ブルグミュラー
60陽気なかじや100番程度グルリット
61春のおとずれ100番程度グルリット
62舞踏の時間に100番程度リヒナー
63屋根の小鳩100番程度フィンク
66森の小川100番程度グルリット
65狩猟終わり頃ブルグミュラー
66そりに乗って終わり頃ケーラー
67ミヌエット終わり頃パーセル
68ウィリアムテルより終わり頃ロッシーニ
69ポロネーズ終わり頃シュモール
70聖夜終わり頃グルーベル
71トルコ行進曲終わり頃ベートーベン

作曲者は以下の通りです。()は曲数です。

  • オウガステン(2曲)
  • エンゲル(4曲)
  • イエンセン(1曲)
  • ハリオット(3曲)
  • バーディー(2曲)
  • ベール(2曲)
  • ベートーベン(2曲)
  • パガニーニ(1曲)
  • ツィリッヒ(1曲)
  • コルトー(3曲)
  • ケーラー(3曲)
  • ストリーボッグ(5曲)
  • エースティン(1曲)
  • ツェルニー(4曲)
  • サンサーンス(1曲)
  • ベイリー(1曲)
  • ウェバー(1曲)
  • オーノルド(1曲)
  • ハイドン(2曲)
  • フォスター(1曲)
  • グルリット(3曲)
  • レオポルド・モーツァルト(1曲)
  • フンテン(1曲)
  • ダカン(1曲)
  • バッハ(1曲)
  • ロルセーズ(1曲)
  • ビゼー(1曲)
  • ブルグミュラー(2曲)
  • リヒナー(1曲)
  • フィンク(1曲)
  • パーセル(1曲)
  • ロッシーニ(1曲)
  • シュモール(1曲)
  • グルーベル(1曲)

全部で34人です。

作曲者の書かれていないものが始めの方に数曲あります。著者の小川さん自身によるものかな?あとは童謡などですね。

また、ピアノ曲だけではなく、民謡やオーケストラ曲も含まれています。

おまけの曲?

”おまけ”としてしまってはいけないかもしれませんが、次の2曲は他とちょっと違う位置づけになっています。

  • 40番「子守歌」
  • 41番「オレンジのラプソディ」

上の表にも書きましたが、40曲目の「子守歌」は「音感テスト」となっています。この曲を先生が弾いて聴かせ、生徒にその通りに弾かせる、というものです。

変ホ短調で、黒鍵だけで弾くことのできるごくごく単純な曲です。

そして、41曲目の「オレンジのラプソディ」は「余興用」と書かれています。

これも変ト長調(変ホ短調の平行調)で右手のメロディーは黒鍵だけで弾くことが出来ますが、オレンジを右手で持ってそのオレンジで鍵盤を押さえて弾く、というように説明がされています。

チョッとしたおあそびですね。

様々な解説付き

ページの余白部分には、小川さんによる様々な解説が載せられています。

  • 曲の解説(全曲ではない)・・・この曲の構成や注意点など。
  • 音楽的な解説・・・以下のようなテーマで弾き方などについて書かれています。
    • 五指練習・指使い
    • 音感
    • 拍子感
    • レガートとスタッカート
    • 姿勢
    • 主旋律と伴奏
    • 楽曲の形態
    • 分散和音
    • 動機
    • 楽譜か耳か?
    • 八分音符のリズム・和音
    • 和音の連打
    • 音楽の微妙さ
    • 調性
    • 曲趣と速度
    • 終止法
    • ドイツ民謡・付点四分音符のリズム

「曲の解説」は全曲ではありません。後半に行くにつれなくなります。曲が長くなり余白がなくなってしまうからか?

「音楽的な解説」についても前半部分(48曲目以前まで)に書かれています。

言葉の使い方等が昔風な感じですが、大切なことが書かれていてじっくりと読みたい部分です。

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実際の楽譜の様子

楽譜の状況についても載せます。

⇩はじめの方の様子

⇩解説のあるページはこんな感じ。

⇩後ろの方のページです。

楽譜はそれほど大きくはありません。標準という感じでしょうか。

1ページ4段から5段です。3段のページも少しあります。

イラストは少ないですが、全く無いわけではありません。線だけで描いたようなシンプルな感じですね。

解説部分は子ども向きには書かれていません。漢字がしっかり使われていますしふり仮名もなく、こみこみしていています。

小さな子には、丁寧にかみ砕いて説明する必要がありますね。

見た印象は『トンプソン現代ピアノ教本』ととても似ていると感じました。こちらも古くからある教材ですね。

 

安心感のある定番曲集

いかがでしょうか。

載せられている曲の作曲家が様々で、曲数も多く、これ1冊でバイエルの初期のころからブルグミュラーに入るころまでの難易度。

掲載曲も定番曲が多く、発表会などでも使えそうです。

安心して長く使える曲集だなと思いました。

イラストは少なく楽譜も大きくなく、文章も昔のまま。書体も昔のままで、古い感じはするかな‥

カラフルでステキな感じの新しい楽譜がたくさん出版されている中、そのあたりは気になる人は気になるかもしれません。

いろんな作曲家の曲が入っていて長く使える。私にとってはこれは重要!

クラシックの子ども向け曲の定番ばかり、ということはあるので、ギロックなど現代的な要素のある曲集とセットで使う、という方法を考えていきたいなと思います。

 

⇩こちらは楽譜のみですが、CD付きもあります。

ピアノ小曲集(1)
シンコーミュージック
¥ 1,080(2018/11/18 19:37時点)

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出版元シンコーミュージックもどうぞ。

 

 

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