聴音に期待する効果とは?音大志望じゃなくても取り組みたい理由

私の考え

ソルフェージュの具体的な内容の一つである「聴音」。

私の教室のピアノレッスンでも、簡単な旋律聴音を行っています(全員にではないですが)。

音大志望ではなくても力を入れていきたいと思っている「聴音」ですが、それはなぜか。

私自身が聴音に期待している効果についてまとめました。

聴音って何?そもそもソルフェージュって⁇

記事を読んでくださる方には、もしかしたらあまり必要のない項目かもしれませんが、まずは基本情報から。

「聴音」は、ソルフェージュの中の一分野になりますが、そもそもソルフェージュとは何なのか。

ウィキペディアには次のようにあります。

ソルフェージュ(フランス語solfège)とは西洋音楽の学習において楽譜を読むことを中心とした基礎訓練のことである。類義語にリトミックがあり、どちらも広い意味においては音楽を学ぶ者すべてがその専門にかかわらず修めるべき基礎訓練全般を指すが、リトミックは体の動きと音とを結びつけたリズムを中心とした訓練を指すのに対し、ソルフェージュは楽譜を中心とした音楽理論を実際の音に結びつける訓練を指す。これらの訓練を通じて得られる能力、特に読譜能力はソルフェージュ能力と呼ばれる。

ウィキペディア「ソルフェージュ」より

文章がどうしても固くなりますが、つまりは「楽譜から音楽を正確に読み取るための訓練」ということになるでしょうか。

音符やリズムが読めたり聴き分けられたり、記号の意味を理解したりということですね。

私はもっと大きく、「楽譜から音楽が聴こえるように」ということだと解釈しています。

「聴音」はソルフェージュの一つ

ソルフェージュにはいろいろな方法があり、「聴音」はその一つです。

他には・・

  • 初見
  • 理論

が挙げられます。

「初見」は、楽譜を見てその場ですぐに演奏したり歌ったりすることですね。

「初見演奏」「新曲視唱」などといわれます。

「理論」は文字通り音楽の理論の勉強です。「楽典」はこちらに入りますね。

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聴音って何やるの?

そして、「聴音」についてです。

聴音は、聴いたメロディーや和音をその場で楽譜に書く、ということをします。

「旋律聴音」「多声聴音」「和声聴音」の3つがあります。

ヤマハのグレード試験には「聴奏」というのがあって、聴いたメロディーや和音をその場ですぐ弾く、というものですが、これも「聴音」の一つですね。

一般的には「楽譜に書く」ということをします。なので、楽譜を書けなくてはいけませんね。

参考ヤマハのグレード試験について詳しくはこちらをどうぞ。

ソルフェージュをすることの効果は?

ピアノを弾く技術的なことだけではなく、ソルフェージュを行うことは、具体的にはどのような効果があるのでしょう。

それは、以下のようなことだと考えています。

楽譜をはじめから「音楽」ととらえることができ、より音楽的な演奏を深めていくことができる。

楽譜を1音1音弾いていって、だんだん曲らしく音楽らしくなっていく

ではなく

はじめから音楽を演奏できるようになる

ということです。

譜読みが速く正確になり、譜読みにかける時間は大幅に減ります。

それは、もっともっと深く音楽を追求していく余裕が、精神的にも時間的にもできる、ということにつながります。

音大受験には必須

ソルフェージュは音大を受験するなら必須ですね。

受験科目に、初見(視唱)、聴音、理論があるからです。

受験用の勉強をしていく必要がありますね。

ピアノが弾ける、というだけでは音大へは行けないということです。

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ピアノレッスンで聴音に取り組んでいる理由

音大受験には必要なソルフェージュ能力。

でも、私の教室では、音大受験のためのレッスンは行っていません。

というかできません。私が音大出身ではないので。

でも、レッスンの中で「聴音」を行います。

なぜか?

それはやっぱり、やるメリットが大きいと考えているからです。

私が聴音に期待している効果

レッスンで聴音を取り入れることのメリットは何でしょう。

私は、次のような効果を期待しています。

それはズバリ

楽譜を見れば音楽が頭の中を流れる

ということです。

ソルフェージュそのものが、それを目指したものといえるかもしれませんが。

聴音は、聴こえてきたものをそのまま楽譜に書いていくことになります。

なので、その逆の「楽譜を見て音をイメージする」ということにつながりやすいのではないかと思います。

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レッスンから離れてもピアノ演奏を楽しんでほしいから

そもそも、「楽譜を見れば音楽が頭の中で流れるように」なることの何がいいのか。

それは、将来自分だけの力でも楽譜を選んで音楽演奏を楽しむことができるように、ということです。

楽譜を見て音を出してみないとどんな曲かわからない。

こんな状態では、レッスンから離れてしまっていると、なかなか弾いてみようという気にならないでしょう。

手持ちの楽譜をパラパラめくって、「これよさそう、弾いてみよう」と自分で選んで気軽にピアノを弾く。

そんな風に楽しんでもらえたら、教えた立場としてはとっても嬉しい!!

そう思って聴音に取り組んでいます。

楽譜を書けるようになってほしいから

もう一つは、楽譜を書けるようになってほしい、ということです。

聴音はズバリ楽譜を書く作業を伴います。

楽譜を書くことができれば、それこそ耳で覚えたメロディーを譜面に残すことができます。

自分で曲をアレンジしたり、作っちゃったりして、楽譜にして残すことができます。

将来、音楽を楽しむ幅がぐんと広がります。

でも、楽譜を「書く」というのも、なかなか技術のいることです。

普段から書く機会をつくり、慣れておくというのはとっても大事だと思います。

そうしたことからも、聴音を大事に考えています。

関連記事楽譜を書けるようになってほしいその理由をまとめています。

聴音だけではなく・・・もっとソルフェージュに取り組みたい

ソルフェージュは聴音だけではないですし、聴音だけが特別重要というわけでもありません。

レッスンの中で、もっともっとソルフェージュを行いたい。

そう思っていますが、なかなかピアノを弾く技術的な部分に時間をとられがちなのが現状です。

ピアノを弾くこととソルフェージュは、本来切り離して考えるものではないと思います。

もっと効率よくソルフェージュができないか、悩みつつやっています。

「読む」「書く」「歌う」「弾く」を総合的にやっていけるといいですよね。

例えば、「聴いて書く」が基本の聴音ですが、「書いたら歌う」ということも必ずしています。

いろいろなアプローチで音楽とかかわって、総合的な知識と技術を身につけてほしい。

それはすべて、将来にわたって音楽に親しむ生活を送ってほしいと願うからです。

(公開日:2017年10月13日 最終更新日:2023年12月6日)

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