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ピアノは何歳から始めるのがいいの?早ければいいというものではない

私の考え

子どもの習い事として、ピアノは依然人気が高いようですね。

ピアノを教えている立場としては、うれしい限りです。

でも、ピアノって何歳頃から始めるのがよいのでしょう。

そして、その判断はどんなことでしたらいいのでしょう。

私の考えをまとめてみました。

ピアノを始める最適な年齢は「小学校入学前後」

我が子に何か習い事を・・と最初に考えるのは、保育園や幼稚園に入園する3歳ごろかもしれません。

そして、候補の一つとして「ピアノ」が挙がることは、習い事の種類の増えた現代でも多いのではないでしょうか。

でも、3歳でピアノ・・私は「早い」と思います。

その理由は・・

ピアノのレッスンって「お勉強」だから・・

私の教室では、ピアノのレッスンを始めるのに年齢制限を設けてはいません。

ただ、私の考えとしては、小学校入学前後くらいがよいのではないかと思っています。

ピアノを弾くのに必要な要素として、

  • 手や指の器用さ
  • 楽譜への理解
  • 覚えようとする学習意欲

などが挙げられます。

そして、それらを行うための「集中力」も大きな要素になります。

ピアノ(に限らず楽器全般)のレッスンって、結構「お勉強」なんです。

ピアノのレッスンでは、将来、自分で楽譜を読んで弾けるようになることを目指します。

そのためには、

  • 音符の読み方や意味
  • 楽譜に書かれている数々の記号の読み方や意味

などなどを理解し、覚えなければなりません。

学習的要素の大きなものなんです。

そういう意味で、実際に「お勉強」が始まる小学校入学ごろが、発達段階から見て適期ではないかと思います。

そのころからのスタートだと、最もスムーズに理解でき、先へ進むのも早いのではないかと思います。

ただ、子どもの発達は個人差が大きくあります。

もっと小さなころからこれらが可能な子もいますし、もう少し大きくなった頃に可能になってくる場合もあります。

なので、具体的な年齢を設けてはいません。

あえて言えば、「小学校入学前後」ということでしょうか。

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まずは「音楽って楽しい」と思えること

世の中に数多あるピアノ教室の中には、「0歳からのレッスン」を謳っているところもあります。

そのようなテキストも、確かあったような・・

でも、内容は、手遊びや音遊び、音楽鑑賞などをすることによって、音楽そのものを全身で感じよう、楽しもう、といったものですね。

具体的に「ピアノの弾き方」「楽譜の読み方」を学ぶのは、もう少し大きくなってから。

私自身も、まずは、「音楽って楽しい!」を十分に感じることが大切だと考えています。

その気持ちがあってこそ、ピアノで音楽を感情豊かに表現することができるんです。

小学校入学まではその時期、と私は考えています。

本人が楽しいと思える音楽を、聴いたり歌ったり、はたまた踊ったり。

十分に音楽を楽しむことに使うべき時期だと思います。

早ければいいってものじゃない

実は、ピアノを始める時期が早かったからといって、上達も早い、とは言い切れません。

上達には様々な要素が複雑に絡まっています。

  • 指導者の資質(生徒への接し方など)
  • 指導内容
  • 家庭での練習時間の確保
  • 家庭での練習法
  • 親御さんのかかわり方
  • 本人の意欲

などなど・・

そして、その一つとして、

年齢(発達段階)に見合った内容か

ということも挙げられると思います。

つまり、早くピアノを始めるということは、ある年齢に達すればすんなりできるようになることを、早すぎる時期に与えている、ということに結びつくのではないかと思っています。

そうであれば、やはりなかなか順調な上達は望めないでしょう。

私は、小さな子に音符の読み方や意味などを理解してもらうために、グッズなどを使いながら手取り足取り教えていくことをあまり好ましく思っていません。

たとえ理解できたとしても、です。

そういうことより、上に挙げたような大事なことがある、と思っているからです。

楽譜上に書かれていることを正確に理解するのは、小学校に上がっていればさほど難しくないことです。

それは、そのくらいの発達段階にふさわしい内容だから、ということだと思います。

それは、その時期に始めることが最適だ、ということではないでしょうか。

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ピアノを始めるのにもっとも大事なこと「ピアノが好き!」

でも、上に書いたことは一番ではありません。

一番大事なのは、「ピアノが好き」ということ。

つまり、本人が鍵盤楽器に興味を持っているかどうかということです。

もっといえば、ただ触っているだけではなく、曲らしいものを弾きたいような様子があるか、ということです。

学校や保育園などで覚えた曲を探り弾きしたりする、などですね。

そのようなことがあれば、ピアノで音楽を奏でてみたい欲求があるのではと思われ、ピアノの始め時かもしれません。

一般的には、4歳ごろになると探り弾きする子が出てくるといわれます。

そうした場合は、好きな曲や知っている曲を先生のまねをして弾いてみたりという形から、レッスンを始めるといいのではと思います。

楽譜の読み方とか音符の意味とか、そういった理屈っぽいことはちょっと置いておいて、自分で音楽を奏でる楽しさを十分に味わう、といった感じです。

大事なのは本人の気持ち

本人が「弾いてみたい」という気持ちを持っているかどうか。

これが一番大事だと思います。

「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、主体的に取り組むことがのちのち様々な好影響を与えることになるはずです。

「ピアノは脳トレになる。」「習い事はピアノだけで十分。」

ということを発言された脳科学者の方も、「嫌々やるより楽しんでやる方が効果が高い」と言われていますしね。

「ピアノを習わせてみれば好きになるかも」と考えることもあるかもしれません。

そういうこともないわけではないでしょう。

早く始めないと(脳トレ的な?)効果がないから、とか考えてしまうかもしれませんが、それは本人の気持ちに添っていないことになりますよね。

ピアノを慌てて習わせる必要はありません。人生にとって絶対に必要なものではありませんから。

ピアノを習わせたいのであれば、お家で一緒に音楽や楽器に触れる時間を十分にとって、音楽って楽しいね、を十分に感じさせてあげてください。

そのうえでゆっくりと様子を見て、「ピアノを弾いてみたい」と本人が思うようになったら、そのとき始めればよいと思います。

というか、その時が始め時です。

本人の気持ちが熟していないうちに始めると、ピアノ、ひいては音楽嫌いになってしまう可能性も!

それは、私の側からしてもとっても悲しいことです。

そうしたことにならないためにも、ゆっくりじっくり時間をかけて見極めてほしいなと思います。

(公開日:2016年8月13日 最終更新日:2024年12月5日)

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