楽器のレッスンで、楽譜に書かれた音符をスラスラと読めるようになることはとっても重要。
ピアノの場合ももちろん同じです。
その時、「声に出して読む」ということを重視します。
そして、「歌う」ということも。
ただ読むだけではなく、声に出すことは何がいいのでしょう・・。
「音読」をキーワードに、その効果についてちょっと調べてみました。
声に出して読む意味 「音読」って何がいいの?
私の教室のレッスンでも、楽譜の音符を声に出して読でもらうことをしています。
何のために「声に出して読む」ことをしているのか?
私の側が、正しく読めているかを判断するため。
もちろんそれもありますね。
声に出してもらわないと、こちらには分かりません。
でも、他にも理由があります。
それは、黙読するだけより認識しやすい、と考えているからです。
声に出して読むことは、見て頭で考えることに加えて、
- 口を動かして声に出し
- さらに自分の耳で聞く
ということになります。
自分の言ったことを自分で聞くことで、正しく言えたのかどうかを自分で判断することにもなります。
黙読だけよりも、いろいろな器官を使ってより多くの動作をすることになる。
なので、その分より深く認識できるのではないかと思います。
それで思い出すのが、声を出して文章を読む「音読」。
音読することは、学習全般に効果があるといわれていますよね。
そこで、音読の効果について調べてみました。
「音読」をする事の2つの効果
小学校の国語の宿題としてよく出される「音読」。英語の授業でもやるかな?
「音読はいい!」というのは定説だと思いますが、具体的に何がいいんだろう・・
調べてみて見えてきたのは・・
音読は脳のあらゆる部分を使い、理解力を向上させる
ということです。
以下のようなサイトを見つけました。
まず目で文章を見て、口を動かして声に出し、それを耳で聞くという視覚系、運動系、聴覚系脳番地を同時に使わなくてはいけません。これが第1段階の感覚音読。
AERA dot.「小学生の「音読」、実はすごい宿題だった!脳科学者が話す脳を鍛え読解力をのばす効果とは」より
(中略)
さらに声に出した言葉を脳にインプットし、人に伝わるように読むことで、記憶系、伝達系脳番地を使います。これが第2段階の認知音読。
(中略)
そして読みながら文章の意味を理解し、考えたり味わったりするとき、脳の理解系、思考系、感情系脳番地が使われます。これが第3段階の発展音読。
(後略)
声に出して読むことは、様々な脳機能を使いながら
1,自分が言っている言葉を認識する。
2,人に伝えるということを繰り返すことで、スムーズに読めるようになっていく。
3,意味を考えながら読むことで、しっかりと理解できるようになる。
この3段階を繰り返すことが、理解力向上に大きく関係するということですね。
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音符をただ「読む」ではなく歌う!
文章を読む「音読」について調べましたが、音符を声に出して読むこともきっと同じ。
スラスラとスムーズに読んで行けることを目指して、これからも声に出してもらうことを大事にしていこうと思います。
でも、並んでいる音符の音名を、ただ次々言っていくだけでいいのか・・
文章ではなく楽譜を読んでもらうわけなので、やはり「音楽」にこだわりたい。
文章を音読するときには、その意味をイメージして言っていくことになりますね。
上の引用でいう「第3段階の発展音読」です。
では、楽譜を声に出して読むときには・・・
フレーズ、そして音程をイメージして読んでほしい。
関連記事→楽譜を読むことと文章を読むこととの関連についてまとめています。
そのためには「歌う」こと。
歌う時は、自分ののどを、音程をイメージしながらコントロールして声を出すことになります。
楽譜の「音読」とは「歌う」こと。
そう捉えられるのではにでしょうか。
目指すのは「楽譜を見て音楽が聴こえる」こと
音符を読めるようになることの最終目標は、「楽譜を見て音楽が聴こえる」ことだと考えています。
ザァ~っと見て(読んで)行くと同時に、頭の中でメロディーが流れる。
こうなれれば、実際に曲を聴かなくても楽譜だけで曲選びができます。
自分ひとりの力で。
音楽を、生涯、能動的に(演奏するという積極的な形で)楽しんでいくことのできる力になりますね。
せっかくピアノを習うんだったら、こうなってほしい。
ただ音符が読めるだけでは、こうはなりません。
音程をイメージできるようにならないと。
そのためにはどうするか・・・
歌うこと、ですね。「視唱」です。
歌うことも、声に出してすることです。
音をイメージするということに関して、理にかなっているのではないでしょうか。
私の教室のレッスンの中でも、意識的にするようにしています。
ただ、年齢が上がってくると、1対1のレッスン室で歌うのに恥ずかしさを感じてしまうんですよね。
難しいなぁと思うこともありますが、私も一緒に歌うなどして、できるだけ声に出してもらうようにしています。
でも、始めのうちは、ただただ音名を言ってもらうだけになりがちだなぁ。
音符を読むレッスンについて、もうひと工夫が必要と感じました。
(公開日:2016年11月29日 最終更新日:2024年6月7日)
関連記事→楽譜を読むことと文章を読むことの関連についてまとめています。
→音符を読むことをレッスンでどのようにしているかをまとめました。
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