練習を始めて間もない曲は、なかなかうまくいかないものです。
音は分かってる。なのに、指は違う音を弾いてしまう。
こんなことが起こりがち。
これってつまり「ミスタッチ」というヤツですよね。
なぜこんなことが起きるの?
そして、これ、どうすればいいの?
具体的なミスタッチの例をもとに、考えられる2つの原因とその対策を考えてみました。
- 弾くべき音は分かっているのに起こるミスタッチはなぜ?
- 次々弾いていくときのメカニズム
- ミスタッチ回避の方法、練習法
ミスタッチにイライラ!レッスンの一風景
私の教室でのレッスンの一コマです。
あるクリスマスソングを練習していて、だいぶスムーズに弾けるようになってきた子。
けれど、まだまだ、どうしてもうまくいかない!という部分を抱えています。
お家で練習もしているようで、少しずつ弾けるようにはなっていますが、ホントに少しずつ・・。
先週との違いがあまり感じられず、停滞してしまっています。
様子を見ていると、弾いている本人、だんだんイライラしてきている感じ。
そして、悲しくなってきちゃったみたい。
えっ⁉泣いちゃう?泣いちゃう~??
泣かなかったけど。
気持ちはわかるよ~。
私だって、なんだってスラスラ弾けちゃうわけじゃない。やっぱりイライラしたり悲しくなったりしながら、それでも地道に練習をするんだから!
この子も、自分で「これにする」と決めた曲。乗り越えてほしいですね。
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音は分かってるのにミスタッチ・・原因は2つ
この生徒、「音は分かっているのに弾けない」という状態です。
音を読んでもらうと、キチンと読める。
でも、実際に弾くと、指が右往左往して、結局違う音を弾いてしまう。
堂々と間違えている、つまり、音が鳴って初めて違う音を弾いちゃったと気づく、というわけではありません。
「うっこれ違う!」と思いつつ、指を動かしちゃう、という感じ。
どうして、こうなってしまうのでしょう。
この場合、考えられる原因は2つあるように思います。
「準備」の時間がない
ピアノを弾くとき、次々に鍵盤を押して音を出していくわけですが、必ず、弾く前に弾くための「準備」をしています。
ほんの一瞬ではありますが、しているはずです。
ピアノを弾くときには、次の3つのことをしています。
- 音を「認識」し
- 指を鍵盤の上に「準備」し
- 動かす「動作」をする
本当に一瞬、それこそ無意識ではありますが、毎回毎回これだけのことをしているはずです。
でなければ弾けないと思うんです。
その中の2つめ、「準備」をする間がない。足りない。
音は分かって(認識して)いるし、指を動かす動作もしている。
でも、準備が間に合っていないから、違う音になっちゃう。
これが、1つの原因ではないかと思います。
「今」しか考えていない
そして、もう1つは「今のことしか考えられていない」ということも挙げられるのでは、と思います。
つまり、上に挙げた1番目の「認識」が遅れる、ということです。
1ができていなければ、2も3もどんどん遅れてしまいます。間に合わせようと思ったら、違う音でも出してしまいます。
え~っと次の音なんだっけ・・?と考えているうちに弾かなくちゃいけなくなっちゃう、ということですね。
練習を始めたばかりの時は、どうしてもこうなりがちですよね。まだ、この曲の細かい部分まで分かっていない状態ですし。
関連記事→ミスタッチについてこちらの記事でもまとめています。
ミスタッチ対策「弾くスピードを落として先へ先へ」
こんな状態の時、まず、少し弾くスピードを落とすことを提案します。
上の1,2,3の、特に1,2、をする時間を作る、ということです。
結局は、曲を弾くスピードに手が追い付いていない、ということだと思うのです。
「次の音」「手の準備」を意識できる、その余裕を持てる速さで弾く、ということです。
この生徒は、全ての音を間違えてしまうわけではなく、部分部分、ちょこちょこと間違える、という状態。
上の1,2,3、を無意識にできてしまっている音だってたくさんあります。
なので、弾けていない音が弾ける程度の速さでいい。「必要以上にゆっくりにする必要はない」と思います。
スピードを落として弾いて、1や2をする余裕ができて、「弾ける」という状態が増えてくると、だんだんその余裕が必要なくなってきます。
そうすると、元のスピードに戻しても、弾けるようになっているはずです。
音楽を先へ先へ進めよう
そして、もう1つ。先へ先へ、の意識を持つこと。
ピアノを弾くとき、「今」の音を弾いているとき、頭はすでに次の音のことを考えています。
そうでなければ「準備」は遅れますし、理想の音を出すこともできません。
音量や音色の調整をすることはできない、ということです。
「このメロディーはこんな風に奏でたい」という思いがあるのであれば、先、先、を考えていなければ無理です。
この「音楽を、先へ先へ進めていこう」という意識。
これが薄いと、ミスタッチが起きるのではないかな、と思います。
そして、その際、音一つ一つをバラバラではなく、まとまりで捉えることが大事かなと。
という認識。
音楽を奏でよう、という意識。
結局はそれが大事かな、ということですね。
関連記事→ミスタッチ対策としてブラインドタッチについてまとめています。
ミスタッチを減らすために・・「意識的」な練習を
当たり前なんですが、人間の動きはすべて、その人の脳から発せられる指令で行われることですよね。
無意識でやっていることもすべて。ピアノを弾くこともしかり、です。
このイメージ大事!と思います。
苦手な部分を練習するとき、「とにかく何回も何回もひたすら弾く」というのは、効率が悪いのではないかと。
一つ一つ「意識」して弾く。
音楽は先へ先へ流れていくものなので、その意識を持ちながら、苦手な音を意識できる速さで弾く。
これを繰り返すことで、無意識の領域に入っていけるのでは、と思います。
(公開日:2016年12月8日 最終更新日:2024年2月29日)
関連記事→ミスタッチについてこちらの記事でもまとめています。
→ミスタッチ対策としてブラインドタッチについてまとめています。
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