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キーボードでピアノの練習 できる事3つとふさわしくない理由

ピアノの弾き方・練習法

ピアノの練習をキーボードでしている人は、案外多いのではないでしょうか?

特に初心者の方はそうかもしれません。

私の教室にも、いずれ電子ピアノを購入する予定でも今はキーボードしかない、という生徒がいます。

その場合、自宅練習はキーボードでするしかありません。

でも、ピアノとキーボードはともに鍵盤を押すことで音を出す楽器ではありますが、全くの別物。

ピアノの練習をキーボードでするには、やはり無理があります。

そのことを踏まえたうえで、同じ方法で音を出す楽器として、練習できる事、できない事をまとめてみようと思います。

ここでいう「ピアノ」とは、グランドピアノやアップライトピアノなどのいわゆる生ピアノのこと。「キーボード」とは、鍵盤の数が少なくタッチが軽く、弾き方で強弱をつけることのできないもの、とします。

「ピアノ」と「キーボード」は違う楽器です!

上にも書いたように、「ピアノ」と「キーボード」は全く別のものです。

そもそも使われ方が違う、と言っていいと思います。

ピアノの音を出すことはできますが、それは、様々に変えることのできる音色の一つです。

でも、様々な機能を駆使して、ピアノでは表現できないような音楽を奏でることができますね。

また、バンドの中の楽器の一つとして、他のいろんな楽器や音楽の特徴に合わせて音色や音量などを様々に変えて、一緒に音楽を作り出していくこともできます。

そもそも用途が違うんですね。

キーボードはいろんな機能が備わっていて、幅広い使い方のできるものです。

キーボードを使いこなしたい、ということになれば、いろいろと奥の深い楽器です。

でも、ピアノの練習、という目的で使うには、やはりあまりふさわしいものではありません

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キーボードがピアノの練習にふさわしくない4つの理由

キーボードはピアノの練習にはふさわしくない、と上に書きました。

その理由は・・

  • 鍵盤が軽い
  • 強弱がつけられない
  • 鍵盤が足りない
  • ペダルがない

この4つに集約されると思います。

これはこのまま、ピアノとキーボードとの違い、ということになります。

鍵盤が軽い

キーボードの鍵盤はピアノに比べてとても軽いですよね。ちょっと触れただけで音が出ます。

ピアノを弾きなれていると、キーボードはとても弾きづらいものです。

ちょっと触っただけで音が出てしまうので(しかもはっきりと)、ミスタッチは絶対にできません。

キーボードのこの鍵盤の軽さが、ピアノを弾きづらくしてしまいます。

ピアノを弾くにはある程度の力がいります。

なので、疲れず弾き続けていくために正しいフォームで弾くことが大事です。

キーボードは楽に音が出てしまうため、そのフォームを身につけることが難しくなってしまいます。

キーボードだけでピアノを弾くためのフォームを身につけるのは、難しいですね。

強弱がつけられない

ピアノは、弾き方によって音に強弱がつきます。

単純に説明すると、鍵盤を速く押せば大きな音、ゆっくり押せば小さな音になります。

キーボードはどのように弾いても同じ大きさの音が出ます。強く弾いてもやさしく弾いても同じ音です。

また、スラーやスタッカートなどなど、音楽を豊かに表現するためのピアノには必須の弾き方も、キーボードではピアノほどの違いを出すことはできません。

ピアノのような演奏表現をキーボードですることは、機能上困難です。

鍵盤が足りない

ピアノは、白鍵黒鍵合わせて88鍵あります。

キーボードは61鍵のものが多く、もっと鍵盤の数の少ないタイプもあります。

ピアノを始めたばかりのころは音域の狭い曲から練習するのが一般的なので、しばらくは鍵盤の数が少なくても問題ありません。

でも、練習が進んでくると鍵盤が足りなくなることも出てきます。

そうなると、その曲は弾けないことになり、演奏できる曲が限られてしまいます。

ペダルがない

キーボードには通常ペダルは付いていません

別売りで取り付けられるものもありますが、1本だけのものが多いようです。

ピアノには2本、もしくは3本のペダルが付いています。

使うことの多いのは1番右のダンパーペダルですが、1番左のソフトペダルを使うこともよくあります。

ピアノの演奏にペダルはとても重要で、ペダルを使う曲はとても多くあります。

踏む深さや踏み替えのタイミングなど、練習の必要な難しい技術です。

後付けでペダルをつけられても、ピアノのように踏み具合による繊細な音の違いを出すことは難しく、キーボードでペダルの練習をするのは困難です。

そもそも音の違いを表現しにくいわけですし。

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ピアノの練習キーボードでできる3つのこと

キーボードでピアノの練習をする事の難しさを書いてきました。

それでも、全く練習にならないのか、というと、そうではないと思っています。

次の3つのことは、キーボードでも練習ができます。

  • 指づかいの練習
  • 鍵盤感覚を身につける練習(ミニ鍵盤では不可)
  • 手の形を整える(ピアノでの練習も必須)

以下に、キーボードでできることを詳しく書いてみようと思います。

指づかいの練習

ピアノを弾くのに指づかいはとても重要です。

「このフレーズを弾くのにふさわしい指づかい」というものがあり、それができないとスムーズな演奏ができず、豊かに表現することも難しくなってしまいます。

大事な指づかい。この練習はキーボードでもできます

キーボードなので音が出るわけですから、音を確かめながら指づかいの練習ができますね。

関連記事こちらに指使いについてまとめています。

鍵盤感覚を身につける練習(ミニ鍵盤では不可)

ピアノは通常手を見続けて弾くものではありません。

暗譜をするくらい弾き込んではいない曲なら、楽譜を見ながら同時に弾いていくことが大事です。

楽譜に書かれていることを認識した瞬間に手を動かす、ということです。

それをスムーズに行うには、鍵盤感覚を身につけることが重要です。

つまり、手をどのくらい広げたらどの音を弾けるのか、が感覚的にわかるということです。

この鍵盤感覚を身につけることはキーボードでも可能です。

鍵盤に手を置き、できるだけ手を見ないで楽譜を目で追いながら弾いていくようにします。

ただし、キーボードには「ミニ鍵盤」といわれる鍵盤サイズの狭いものがあります。

「ミニ鍵盤」のキーボードではこの練習はできません

「標準鍵」というものなら、ピアノと同じ鍵盤サイズなので大丈夫です。

ちなみに、ピアノの鍵盤サイズは

  • 白鍵・・・23㎜×150㎜(1オクターブ幅165㎜)
  • 黒鍵・・・11㎜×95㎜

JIS規格でこう定められているようです。

関連記事こちらに鍵盤感覚についてまとめています。

手の形を整える(ピアノでの練習も必須)

ピアノを弾くにはそれにふさわしいフォームがあります。

ただ、始めたばかりのころはなかなかうまくいきません。

多くの場合、指先に一番近い関節がへこんでしまいます。

それは、ピアノの鍵盤が重いので、指先に力を込めて弾いてしまうためですね。

指先に力を込めて弾くと、指はスムーズに動きません。余計な力が指先に入ってしまっているからですね。

また、指が分かれている根元の関節がへこんでしまう形もよくあります。

これもとにかく指だけを使って弾こうとするために起こります。

関節がどこもへこむことなく自然な丸みを持って弾くことが大切です。

でも、ピアノを弾くにはある程度力がいるため、なかなかこの形で弾くことが難しいんですね。

そんな時、キーボードは鍵盤が軽いため、手の形に注意しながら弾くことはしやすいです。

ピアノではなかなかできず苦労しても、キーボードだとできるようになり、感覚をつかみやすいかもしれません。

ただ、キーボードでできたからといってピアノでできるとは限りません。

「あ、こういうことか」ということが分かるくらいです。

ピアノを弾きこなすためのフォームをきちんと見つけるためには、最終的にはピアノで練習するしかありません。

あくまでも、「形を理解する」という程度の練習になります。

でも、それが結構重要だったりするので、何もしないよりはずっといいですね。

関連記事こちらにピアノを弾くときの手の形についてまとめています。

キーボード+ピアノで練習を

キーボードでの練習だけでピアノを弾きこなせるようになることは、かなり困難です。

はじめにも書きましたが、ピアノとキーボードは別の楽器だからです。

でも、予算の関係や住宅事情などで、ピアノを弾きたくてもキーボードしか置けないということはありますよね。

そうした場合は、キーボードのみで練習するのではなく、ピアノでも練習するという形をとれるとよいですね。

参考記事自宅にピアノが無い場合の練習場所について考えてみました。

ピアノを借りられる場所はいろいろとあります。

また、先生についてレッスンを受けられるのであれば、その方がずっといいです。

レッスンでは、グランドピアノかアップライトピアノかは別としても、生ピアノを弾くことになるはずなので。

キーボードだって立派な楽器。

キーボードにしかできないこともありますし、いろいろな曲を演奏することもできます。

なので、キーボードを極める、というのもいいのではないでしょうか。

「やはりピアノが!」ということであれば、キーボード+ピアノ

ピアノだけで練習するよりは時間がかかるかもしれませんが、きっとピアノを弾きこなせるようになります。

(公開日:2018年6月22日 最終更新日:2024年9月19日)

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