私の教室のレッスンでは、ピアノを弾くこととともに楽典のドリルやワークに取り組んでもらっています。(全員ではないけれど‥)
その最終地点としているのがこちら、『ジュニアクラスの楽典問題集』です。
副題に「小学生・中学生のための」とあり、内容からみても小学校の高学年から中学生向きかと思います。
もちろん、大人が使ったってOK。見た目の子どもっぽさは感じません。
これがすべてできれば、きちんと基礎を抑えられた、と言っていいのではないかと思っています。
内容を詳しくご紹介します。参考にどうぞ。
『ジュニアクラスの楽典問題集』楽典の基礎をくまなく網羅
出版元ドレミ出版ウェブサイトの本書の紹介ページには、以下のようにあります。
「やさしいソルフェージュ全4巻」を少し高度にまとめた問題集です。
DOLEMI MUSIC WEB SITEの本書紹介ページより
(中略)
小学校高学年から中学生、さらには高校生でも使えるようにまとめてあります。
(後略)
同じ出版社による「やさしいソルフェージュ」をまとめたもの、ということで、楽典の基本的な事柄を過不足なく抑えられていること。
まずはそこが最大のおすすめポイントですね。
そして、高校生まで意識しているということで、大人の方も子どもっぽさを感じることなく使えるのではないでしょうか。
具体的な内容は?
含まれている内容は、以下のようになります。目次を載せます。
- 線と間
- ト音記号
- 音名
- ヘ音記号
- 音符と休符(その1)
- 小節と縦線
- 拍子記号
- 譜表
- オクターブ
- 音符と休符(その2)
- 拍子とリズム
- 強起と弱起
- 奏法を指示する記号(その1)
- 強弱を表す記号
- シンコペーション
- 複縦線と反復記号
- 連符
- 速度記号
- 装飾音と装飾記号
- 奏法を指示する用語と記号(その2)
- 変化記号
- 幹音と派生音
- 音程
- 完全音程と長音程、短音程
- 幹音どうしの音程のかぞえ方
- 派生音を含んだ音程のかぞえ方
- 転回音程
- 音階
- 長音階
- 短音階
- 近親調
- 移調
- 和音
- 三和音
- 和音の基本形と転回形
一番始めの問題は、楽譜の五線の「線と間」について。
そして、ト音記号、ヘ音記号、音名へと続いていきます。
しばらくの間は、チョー簡単!スラスラ進めていけます。
そして、終わりの方で「調」が出てきます。
また、一番最後には長短増減の和音についても載せられています。
これらが分かっていればほぼ良い、という内容ではないでしょうか。
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『ジュニアクラスの楽典問題集』見やすさ、使いやすさは?
見やすさ、使いやすさは重要な要素です。そのあたりをまとめます。
見やすさは?
本の大きさは菊倍判。一般的なピアノの楽譜と同じですね。
文字や譜例は、わりと大き目ではないでしょうか。
空間も広めにとられていると思いますし、こみこみした感じは受けません。
ところどころにイラストも入っています。
使いやすさは?
基本的に「解説」とそれに対応した「問題」が載せられています。
「問題集」となっていますが、問題ばかりが載せられているというものではありません。
また、解説はそれに関連したことすべてが一度に書かれているのではなく、細かく項目分けされています。
例えば「音程」については、
- 完全音程と長音程、短音程
- 幹音どおしの音程のかぞえ方
- 派生音を含んだ音程のかぞえ方
- 転回音程
の4つに分けられ、それぞれ問題のページがついています。
細かく説明すると・・
- 「音程」のページで、音程とは何か、「〇度」という数え方など基本的なことの解説+問題
- 上の4つについて、それぞれの解説+それぞれの問題
となっています。
『ジュニアクラスの楽典問題集』まとめ 楽典学習の集大成として
私の教室のレッスンでは、以下のような流れで楽典の勉強を進めることを基本としています。(あくまでも「基本」)
- 『わかーるワーク』
- 『WAKU WAKU調の勉強ドリル』
- 『ジュニアクラスの楽典問題集』
『わかーるワーク』には、調性に関する部分が入っていません。
そのため、それに特化した『WAKU WAKU調の勉強ドリル』で調の勉強をし、最後に『ジュニアクラスの楽典問題集』に入ります。
『WAKU WAKU調の勉強ドリル』には、音程や和音については含まれていないので、その部分は、『ジュニアクラスの楽典問題集』で学ぶことになります。
『ジュニアクラスの楽典問題集』は、今までやってきたことの総復習という意味合いになりますね。
関連記事→『わかーるワーク』についてこちらの記事で詳しく紹介しています。
関連記事→『WAKUWAKU調の勉強ドリル』についてこちらの記事で詳しく紹介しています。
本書は、副題に「小学生・中学生のための」とありますが、小学生や中学生でここまで知っていれば十分ではないでしょうか。
もちろん、音高や音大を目指すとなれば、もっと専門的な知識が必要になると思いますが。
ここまで進んで卒業してほしい
『わかーるワーク』から始まり、『WAKU WAKU調の勉強ドリル』を終え、この『ジュニアクラスの楽典問題集』まで。
ここまですべて終えることができれば、楽典についてはかなりしっかり身に付けたということになるのではないでしょうか。
どこまで自分のものとして使えるまでになっているか、にもよりますが。
でも、頭の片隅にでもあれば、将来何らかの形で音楽をやることになった時、「そういえばあんなこと勉強したな」と思う時が来るのではと思います。
そのときに、見返すなどしてもらえればいいな、と思います。
そこからさらに、知識を深めていこう、という意欲になればとてもうれしいですし、ここまで知っていれば応用が利くのではないかと思います。
以前、この『ジュニアクラスの楽典問題集』をきっちり最後までやって巣立っていった子。
どうしているかなぁ・・音楽系の部活にはりきって取り組んでいたけれど役立っているかな。
いや、きっと役に立っているはず!
(公開日:2016年8月1日 最終更新日:2024年10月24日)
関連記事→『わかーるワーク』をこちらの記事で詳しく紹介しています。
→『WAKUWAKU調の勉強ドリル』をこちらの記事で詳しく紹介しています。
→『ピアノひけるよ!楽典ワーク』も楽典総合ワークとしてお勧めです。
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