ピアノで「跳躍」をスムーズに弾くための3つの重要ポイント

ピアノの弾き方・練習法

ピアノを弾くときに難しいことの一つに、離れた音を弾く「跳躍」があります。

音域が広がり聴かせどころだったりする反面、いざ弾く場面では音を外してしまわないかドキドキしてしまう、演奏者泣かせだったりしますよね。

そんな「跳躍」をスムーズに弾くためには、注意すべき3つのポイントがあると考えています。

スムーズな「跳躍」ポイント①弾くべき鍵盤を「見て」いるか

離れた音を正確に弾くためには、その音が何かをきちんと分かっていることが必要です。

まず一つ目のポイントは「視線」です。弾くべき鍵盤をきちんと視線にとらえているか、ということです。

手を持っていく場所が分かっていなければ、そもそも弾けない。

まず「見て」、あそこだ!と認識して、初めて正確にその場所に指が行く。

指を動かす運動が成立する経路は、その順番のはず。

  1. 「見」て認識
  2. 動かす

うまくいかないのは、

なんとなくこっちの方、

くらいにしか鍵盤の位置をとらえられていないからではないかと思います。

「いつ見るか」が問題

「見る→弾く」を繰り返しやってみる、というのは、一つの練習方法だと思います。

でも、曲の流れに乗ってスムーズに弾いていくためには、その音だけを意識して「見る→弾く」をその都度していては間に合いません。事前に見ておく必要があります。

少なくとも、跳躍する音の直前の音を弾いているその時には、見ていなければいけません

そして、跳躍した音そのものを弾いているときには、視線はすでに次に弾くことになる鍵盤に移っているべきです。

「楽譜の先を先を読んで弾く」とよく言われますが、これは、常に今弾いている音の先の音を意識する、ということです。

実際に曲を弾くときは、頭の中では、今鳴っている音よりも先の音をイメージします。

「こんな音を出したい」というものが事前になければ、音は出せないからです。

そのことを、跳躍している音を弾く場合は「見て」行います。

見なくても指を移動させられるのであれば、見る必要はありません。

跳躍部分も見なくても弾けるようになれば、見る必要はないですね。

でも、音への意識は先へ先へ進めます。

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スムーズな「跳躍」ポイント②手をどう動かすのかを「感じる」

2つ目のポイント。それは、その音を弾くときの手の感覚を感じることです。

どの程度開いたらその音の鍵盤に届くのか、どの程度腕を移動させる必要があるのか。

そうしたことをきちんと感じながら弾く、ということです。

上に、「見なくても弾けるのであれば見る必要はない」と書きましたが、これは、「手の感覚だけで弾けるようになる」ということです。

しっかりと見て確実に鍵盤をとらえる部分練習を、手がどのように動いているのかをきちんと感じて弾くようにすれば、それほど見なくても弾けるようになります

目線の端にとらえる程度、とか、事前に見ておいて実際に弾くときには全く別のところを見ているような状態でも弾けるようになります。

関連記事鍵盤感覚についてこちらの記事でもまとめています。

スムーズな「跳躍」ポイント③自分がしていることを「意識」しているか

もう一つのポイントは、跳躍している音を弾くための一連の動作を「意識」して行っているか、ということです。

「見る→弾く」をやみくもに繰り返すだけでは、あまり意味がない。

「見ている→弾いている」といった具合に、一つ一つを確実に行うことで、定着していくものだと思います。

「手の感覚」についても同じ。

いちいち、これでもか!というくらいに「感じて」弾くことを繰り返すことが大事です。

小学生のころになると、自分の考えていることを意識することができます。

意識することで、より自分の考えを深めたり、応用させたりし、論理的な思考へ発展させることができる。

発達段階としては、そのような時期だとされています。

そうした意味から、自分のしていることを一つ一つしっかり意識しながら行うことは、その行為を定着させる大きな助けになるのではないかと思います。

大人の方も同じです。やみくもに弾いても弾けるようにはならない・・。

まぁ、弾けるようになるとは思いますが、効率が悪いです。

考えながら、感じながら弾く。これが弾けるようになる早道だと思います。

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跳躍は難しい~今取り組んでいる二人の生徒~

この記事を書いた当時、まさに跳躍に苦労している子がいました。

跳躍の多い曲に取り組み始めたら、止まってばかりで先に進めなくなってしまったんです。

臨時記号がたくさんついているわけではなく、リズムも単純で、決して難しい曲ではありません。

スムーズに弾いていけないのは、音の飛んでいる部分がうまくいかない、ただただそれだけのよう。

楽譜のどの部分なのかをはっきりさせ、その部分だけを取り出して何度も弾いてもらうようにしましたが、なかなか・・

私としても、これにこんなに苦労してしまうとは・・選曲を間違えたかも・・と少々申し訳ない気持ちにも。

跳躍を難なくこなしてしまった生徒も

一方で、似たような雰囲気で似たような難易度で、似たような跳躍部分のある曲を、難なくこなしてしまった子もいます。

その子たちは、年齢も一つしか違いません(上に登場した子の方が年上)。

やっぱり一人一人違うなぁ。同じくらいの子が同じ課題に直面するとは限らない。

そんな当たり前のことも、改めて感じさせてくれました。

この二人の違いは何なのか・・

そんなことから、この記事を書いてみました。

跳躍部分を弾くのは確かに難しいことです。

ひとつだけ離れたところにある音を正確につかめるかどうかは、演奏中もちょっとドキドキしてしまうことですよね。

この記事がお役に立てばと思います。

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