『ピアノファンタジー ピアノのための小品集1』を紹介します。
4期それぞれの曲を網羅している、というのが特徴で、日本の作曲家の作品も収録されています。
今回ご紹介するのは『1』。難易度は「バイエル程度」となっています。
といっても、バイエルの後半に入っていないと難しいかな・・という印象ですね。
掲載曲や紙面の様子など、詳しく紹介します。
『ピアノのための小品集1』基本情報
まずは、この楽譜の基本的なことをまとめます。
正式なタイトルは、『ピアノファンタジー ピアノのための小品集』といいます。
『1』と『2』があって、今回ご紹介する『1』は「バイエル程度」、『2』は「ブルグミュラー程度」の難易度になっています。
「4期を完全網羅」というのが最大の特長ですね。
出版元サイトには、以下のように紹介されています(抜粋)。
小さなうちから様々な時代の楽曲に触れ、個性や感受性豊かな表現が身につくよう、日本人作曲家を含めた「4期」を完全網羅しています。
YAMAHAの楽譜出版『ピアノファンタジー ピアノのための小品集1』商品説明 より
出版元は、ヤマハミュージックメディア。2012年12月に初版されています。
監修・校訂は原田敦子さん。『毎日の練習12か月』など、テクニック教本のシリーズの著者ですね。
関連記事→こちらで『毎日の練習12か月』の1を紹介しています。
関連記事→こちらで原田敦子さんによる『こどものおんかいれんしゅう』を紹介しています。
『ピアノのための小品集1』掲載曲の紹介
それでは、掲載曲を紹介します。全35曲です。(リンク先は演奏動画です。私が弾いています。)
曲名 | 作曲者 | |
1 | プレリューディウム エオリアン | J.ブル |
2 | プレリュード | パーセル |
3 | エア | パーセル |
4 | ジグ | テレマン |
5 | リゴドン | ダカン |
6 | メヌエット | ロカテッリ |
7 | ソナタ F.34 | チマローザ |
8 | ワルツ | クレメンティ |
9 | 小品 第4番 | A.E.ミュラー |
10 | 小品 第6番 | A.E.ミュラー |
11 | メヌエット ニ長調 | モーツァルト |
12 | メヌエット KV1 | モーツァルト |
13 | アレグロ | モーツァルト |
14 | メヌエットの速さで | モーツァルト |
15 | コントルダンス | ベートーベン |
16 | Happy&Sad | ベートーベン |
17 | エコセーズ | J.N.フンメル |
18 | エチュード 第6番 | H.ルモアンヌ |
19 | エチュード 第3番 | H.ルモアンヌ |
20 | レントラー 第2番 | シューベルト |
21 | ソナチネ | ハスリンガー |
22 | プレリュード | ベルティーニ |
23 | エチュード | ベルティーニ |
24 | エチュード | デュベルノア |
25 | ソナチネ 第1楽章 | J.シュミット |
26 | ガヴォット | ライネッケ |
27 | 兵隊のマーチ | シューマン |
28 | 荒々しい騎手 | シューマン |
29 | イタリアの歌 | チャイコフスキー |
30 | ポルカ | グリンガ |
31 | 幻想小曲 | E.ゲイロース |
32 | スケルツォ | H.K.シュミット |
33 | トランポリンの上で | ハチャトゥリアン |
34 | 一羽の小鳥 | 井上雅道 |
35 | いつか見た夢 | 尾崎進亮 |
*35番「尾崎進亮」の「進」の字は、本書は二点しんにょうになっています。
作曲者を見ていくと、4期それぞれの曲が入っているのが分かります。
掲載順は年代順になっています。「バロック時代〇番~〇番」といった形で明確に分けられてはいません。
目次は、ただ作曲者、題名、ページが書かれているだけ。
なので、上の表も特に4期に分けることはしませんでした。
楽譜の方に、作曲者名の生没年が入っています。
掲載曲を他の楽譜にないか調べてみた
「4期」と銘打たれた楽譜は、他にもいろいろとありますね。
他の楽譜に同じ曲が入っていないか、分かる範囲で調べてみました。
- 4期のピアノ名曲集1(学研プラス)【バイエル程度】
- エコセーズ(J.N.フンメル)
- 4期のピアノ名曲集2(学研プラス)【ブルグミュラー前半程度】
- アレグロ(モーツァルト)
- ピアノ名曲集1(バスティン)
- 荒々しい騎手(シューマン)
- 兵隊のマーチ(シューマン)
- ピティナ・ピアノステップ曲集6(全音楽譜出版社)【バイエル72番~90番】
- アレグロ(モーツァルト)
- ピティナ・ピアノステップ曲集7(全音楽譜出版社)【バイエル80番~ブルグミュラー前半】
- イタリアの歌(チャイコフスキー)
- やさしい4期の名曲集1(全音楽譜出版社)
- ジグ(テレマン)
- こどものピアノ名曲集3(全音楽譜出版社)【バイエル終了程度】
- 荒々しい騎手(シューマン)
- リゴドン(ダカン)〈イ短調に移調〉
- ちいさなリサイタル1(ヤマハミュージックメディア)
- メヌエットKV1(モーツァルト)
- 兵隊のマーチ(シューマン)
- ちいさなリサイタル2(ヤマハミュージックメディア)
- ジグ(テレマン)
- ちいさな手のピアニスト5(ヤマハミュージックメディア)【バイエル後半~ブルグミュラー程度】
- アレグロ(モーツァルト)
- ブルグミュラー併用ピアノ曲集(ドレミ楽譜出版社)【ブルグミュラー程度】
- ジグ(テレマン)
- こどものピアノ名曲集4(ドレミ楽譜出版社)【ブルグミュラー程度】
- 荒々しい騎手(シューマン)
実際に持っている楽譜や、そのシリーズで出版社のサイトから掲載曲が分かるものを書きました。(もしかしたら見落としがあるかもしれません‥)
モーツァルト「アレグロ」、シューマン「荒々しい騎手」「兵隊のマーチ」、テレマン「ジグ」は、複数の楽譜に載せられていますね。
また、楽譜に「~程度」といった形で明確に難易度が書かれている場合は【】に書きました。
見てみると、バイエル後半からブルグミュラー程度のものに載せられている場合がほとんど。
この『ピアノのための小品集1』は「バイエル程度」となっていますが、そのくらいの難易度だということが分かりますね。
実際に楽譜を見てみても、バイエル後半まで進んでいないと演奏は難しいのではないかと思います。
関連記事→上に挙げた楽譜は、こちら⇩の記事で紹介しています。
『ピアノのための小品集1』楽譜の様子
紙面の状態も少し紹介します。
楽譜は、1ページに3~5段です。
短めの曲なら見開きで3段ずつ計6段になっていて、1ページで6段という曲はありません。
また、曲がページの途中から始まっているものもありません。
楽譜の大きさは、「バイエル程度」としては小さめでしょうか。
五線の幅は7㎜ほど、大譜表としては2.6㎝ほどです。曲によって少々違いますが。
挿絵や説明書きはありません。題名と楽譜のみ。
見た目はすっきりとした印象で、その分、楽譜が小さめでも見やすいかもしれません。
『ピアノのための小品集1』まとめ
『ピアノのための小品集1』の内容をまとめました。
4期それぞれの時代の曲が入っていて、全35曲。
難易度は、「バイエル程度」。でも、バイエル後半に入っていないと難しいかと思います。
紙面は、挿絵も説明書きも一切なく、すっきりした感じ。
楽譜の制作意図などを書いた「はじめに」や、曲の解説なども全くなし。本当に、目次と楽譜のみ、です。
小中学生を対象にした学習的な曲集もありますが、いろいろと書かれていない分、幅広い年代に使いやすいのではないでしょうか。
(出版社の紹介文によると、一応子ども向けのようですが)
参考になればと思います。
(公開日:2020年3月23日 最終更新日:2024年5月2日)
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