私の教室では、クリスマスの時期は普段のテキストからは離れて、クリスマスの曲に取り組むのが定番になっています。
その為にいろいろと探して購入した楽譜(曲集)を6冊ご紹介します。
バイエルからブルグミュラーくらいまでの難易度で、子ども向けの楽譜です。
もちろん大人が弾いたってOKですよ!
参考にしていただければと思います。
超初心者から使えるクリスマス曲集
まずは、ピアノを始めたばかり(1年未満くらいかな)、という人向けの曲集を2冊ご紹介。
『クリスマス・フェボリット』
こちらは、バスティン・メソードの併用曲集の一つです。
私が持っているのは「レベル1」のみですが、他にプリマー、レベル2、3、4があります。
だんだん難易度が上がるということですね。
難易度は?
プリマーから5段階に分かれているうちの2番目がこの「レベル1」。
難易度は低いです。
ピアノを始めて1年未満くらいから弾くことができるのではないでしょうか。
個人差があるのではっきりとは言い難いですが。
基本的に、右手でメロディー、左手で伴奏、という形です。
使われている音符は、8分音符まで。
伴奏部分は全音符や2分音符など延ばす音が多くなっています。
4分音符で動くところもありますが、隣への移動が主になっています。
収録曲は?
収録されている曲は、以下の通りです。
- 聖ニコラスおじさん
- ひいらぎかざろう
- クリスマスツリー
- お屋根の上で
- きよしこの夜
- コヴェントリー・キャロル
- 星は夜空にまたたきぬ
- まぶねの中で
- ベツレヘムの小さな町
- 平和と喜びの知らせ
- 天なる神にはみさかえあり
- 来たれ、諸人よ
- あら野のはてに
- 東方からの三人の王様
- もろびとこぞりて
- 聴け、天使の歌声を
- ジングルベル
- クリスマスおめでとう
計18曲
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なじみのない曲も‥
この楽譜、バスティンシリーズの1冊なので、アメリカ製です。
日本版は出版されていないようですね。
なので題名等すべて英語!
バスティン公式サイトの『クリスマス・フェボリット レベル1』紹介ページで、日本語の題名を確認しました。
そして、日本ではあまりなじみのない曲も多く含まれています。
子ども向けなので、アメリカの子どもたちにはよく知られているものなのでしょうね。
こういうのを見ると、やはりクリスマスの本場はあちらの国なのだな~、なんて感じます。
新たな曲を知ってそういうことを感じるのも、また1つ勉強かな。
クリスマス曲集、他にもあり
バスティンの併用曲集で、クリスマスの曲集は他にもいくつかあります。
例えば『バスティン クリスマスソング』。
プリマーからレベル4まであり、ベーシックスと一致した内容になっているようです。
他には、連弾の曲集や大人向けのものなどもありますね。
参考→詳しくはバスティン公式サイトのオンラインショップのページをどうぞ。
『ショウタイム・ピアノ・クリスマス』
こちらは、フェイバー・ピアノ・アドヴェンチャーズの併用曲集です。
この「フェイバー・ピアノ・アドヴェンチャーズ」。アメリカではよく知られたピアノメソードですね。
参考記事→ピアノ導入教材『ピアノ・アドヴェンチャー』日本語版を紹介した記事です。
ということで、こちらも英語版です。
難易度は?
私が持っているのは「レベル2A」です。
難易度は、上に挙げたバスティンの『クリスマス・フェボリット』と同じくらいだと思います。
左右でメロディーを受け渡していく形の曲も何曲かありますが、基本は右手でメロディ、左手で伴奏。
そして、出てくる音符は8分音符まで。
伴奏部分は、『クリスマス・フェボリット』よりは4分音符などで動くことが若干多いかな、という印象です。
収録曲は?
掲載されている曲は以下の通りです。
- マスト・ビー・サンタ
- God Bless All
- お屋根の上で
- 天なる神にはみさかえあり
- フロスティ・ザ・スノーマン
- あら野のはてに
- きよしこの夜
- 東方からの三人の王様
- ザ・リトル・ドラマー・ボーイ
- サンタが街にやってくる
- コヴェントリー・キャロル
- ディン ドン 空高く
- Little Elf’s Christmas
全13曲
こちらは、バスティンのような日本語の専用サイトがありません。
なので、題名はバスティンの『クリスマス・フェボリット』から同じ曲を探したり、ネットで調べたりして、日本語の題名にしました。
2曲目の「god Bless All」という曲は見つかりませんでした。
また、最後の「Little Elf’s Christmas」は、「フェイバー・ピアノ・アドヴェンチャーズ」の創始者フェイバーさん作曲のようです。
こちらもやはり、日本ではあまりなじみのない曲がありますね。
クリスマス曲集、他にもあり
また、こちらもこの『ショウタイム・ピアノ・クリスマス』以外にもクリスマスの曲集が多くあるようです。
以下から購入できます。
案内→フェイバー・ピアノ・アドベンチャーズ日本語公式サイト「輸入版の取り扱いについて」
バイエル中ごろから弾けるクリスマス曲集
次に、もうちょっと弾けるようになったよ、という人向けの2冊です。
『クリスマス・ピアノ・ソロ・アルバム』
こちらは、副題に「楽しいバイエル併用」とあり、バイエルの中ごろ以降まで進んだ人向けです。
上に挙げた2冊よりはちょっと難しい、といった感じでしょうか。
難易度は?
上にも書いたとおり、「楽しいバイエル併用」とあり、1曲1曲に目安となるバイエルの番号が書かれています。
それを見ると、最も難易度が低いもので「バイエル50番~54番程度」となっています。
「うれしいクリスマス」という曲1曲が、そのレベルになっています。
最も進んだもので、「バイエル95番~100番程度」。
「星に願いを」がそうですね。
このように、すべての曲に目安のバイエルナンバーが書かれているのは、分かりやすくていいですね。
この本、初版が1991年で、これまで版が重ねられてきているようです。
そのあたりが売れ続けている理由でしょうか?
でも私、アレンジがあまり好きではない・・弾きやすさ優先という感じで。
収録曲は?
掲載されている曲は以下の通りです。
- ジングルベル・・80~84番
- 赤鼻のトナカイ・・65~69番
- おめでとうクリスマス・・80~84番
- あわてんぼうのサンタクロース・・60~64番
- サンタのおじさんやってくる・・70~74番
- サンタが町にやってくる・・75~79番
- うれしいクリスマス・・50~54番
- ママがサンタにキッスした・・80~84番
- 神のみこは・・65~69番
- アメイジング・グレース・・75~79番
- あら野のはてに・・60~64番
- もろびとこぞりて・・85~89番
- もみの木・・75~79番
- ひいらぎかざろう・・60~64番
- わらの中の七面鳥・・60~64番
- ウィンター・ワンダーランド・・80~84番
- クリスマス・イブ・・65~69番
- 小さな世界・・60~64番
- 星に願いを・・95~100番
- きよしこの夜・・55~59番
- ホワイト・クリスマス・・85~90番
全21曲
題名を見るだけで曲が頭の中に流れるような、そんな定番曲が多いですね。
「あわてんぼうのサンタクロース」とか、山下達郎さんの「クリスマス・イブ」とか。
海外の曲集には入りませんよね。
『こどもピアノクリスマス』
こちらは、副題に「小さな手と発表会のための」とあります。
難しさは上に挙げた『クリスマス・ピアノ・ソロ・アルバム』と同じくらいかな。
連弾が3曲収録されています。
難易度は?
難易度は、上にも書いたとおり『クリスマス・ピアノ・ソロ・アルバム』と同じくらいだと思います。
バイエル中盤から後半くらいではないでしょうか。
右手でメロディー左手で伴奏です。伴奏の方はわりと動きがあります。
『クリスマス・ピアノ・ソロ・アルバム』は伴奏の音型が1曲ほぼ同じ。
こちらは、メロディーに合わせて変わっている部分が多くなっています。
そのあたりが、ちょっと難しい、と感じるかもしれません。
収録曲は?
掲載されている曲は以下の通りです。
- もみの木
- クリスマスの12日
- きらきらぼし
- あら野のはてに
- もろびとこぞりて
- ひいらぎかざろう
- 歓びのうた
- ジングル・ベル
- アヴェ・ヴェルム・コルプス
- ウィンター・ワンダーランド
- きよしこの夜
- クリスマス・イヴ
- すてきなホリディ
- あわてんぼうのサンタクロース(3手連弾)
- もろびとこぞりて(4手連弾)
- クリスマスメドレー(4手連弾 きよしこの夜~ジングル・ベル~おめでとうクリスマス~お正月)
全16曲
2曲目の「クリスマスの12日」や9曲目のモーツァルト作曲「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。
こういった曲は、海外の曲集では見ることがありますが、日本のものではあまりないような気がします。
一方で、山下達郎の「クリスマス・イヴ」や竹内まりやの「すてきなホリディ」は、日本のものでしかありえませんね。
この『こどもピアノクリスマス』は、【連弾編】と【アンサンブル編】があります。
バイエル後半からブルグミュラーくらいのクリスマス曲集
最後に、初級くらいの力で弾ける曲集を2冊ご紹介します。
『クリスマス名曲集』
こちらは「入門者のためのとってもやさしい」という副題がついています。
ステキなカラーのイラスト満載。見開きで1つのイラストになっているページも。
絵本のようです。
楽譜も大きめで見やすく、アレンジもわりといい感じ・・
って、結構気に入っている曲集なんですが・・!
残念ながら絶版のようです。中古品を探せば見つかるかもしれません。
以前、読者の方が「出版元サイトから買えるよ」と教えてくださったことがありますが、それももうできないようです。
(その節は、ありがとうございました。)
難易度は?
すぐ上に挙げた2冊より、ほんのちょっと難しいかな。
基本的には、右手でメロディー左手で伴奏。
メロディーはほぼ単音。複雑なアレンジや動きはありません。
よく知られている通りのシンプルなメロディーです。
伴奏部分は、上に挙げた曲集より動きがあります。
これが、「ちょっといい感じのアレンジ」に貢献しているのかな、と思います。
収録曲は?
掲載されている曲は以下の通りです。
- ジングル・ベル
- きよしこの夜
- ウィンター・ワンダーランド
- 星に願いを
- そりすべり
- 赤鼻のトナカイ
- サンタクロースがやってくる
- あわてんぼうのサンタクロース
- サンタが街にやってくる
- もみの木
- もろびとこぞりて
- おめでとうクリスマス
- あめにはさかえ
- 神のみ子は
- 牧人ひつじを
- ひいらぎかざろう
- アメージング・グレイス
- ホワイト・クリスマス
全18曲
定番曲ばかり。
こちらの曲集、どの曲もメロディーを元にしたイントロ部分があります。
そんなところも、聴きごたえのある「曲」として意識したアレンジがされていると感じます。
単に「クリスマスの曲をちょっと弾いて楽しみましょう」ではなく。
残念ながら絶版のようです。Amazonから中古品のみ購入できます。
『大人のクリスマス 入門編』
上にご紹介した『クリスマス名曲集』が残念ながら絶版ということで、『大人のクリスマス 入門編』をご紹介します。
『クリスマス名曲集』と同じようにクリスマスの定番曲が並び、難易度も同じ「入門」です。
手元にはないので、わかる範囲でご紹介します。
収録曲は?
掲載されている曲はこちらです。
- サンタが町にやってくる
- メリー・リトル・クリスマス
- サンタクロースがやってくる
- ジングル・ベル
- きよしこの夜
- もみの木
- クリスマス・ソング
- ウィンター・ワンダーランド
- そりすべり
- 雪だるまのフロスティ
- おめでとうクリスマス
- ひいらぎ飾ろう
- もろびとこぞりて
- 神の御子は
- あら野のはてに
- 牧人ひつじを
- アヴェ・マリア
- アメイジング・グレイス
全18曲。
『クリスマス名曲集』と重なっている曲が多く、クリスマスの定番曲ばかりですね。
なお、楽譜は『らくらく弾ける!クリスマスソング』からの再収載とのことです。
『ピアノでわくわくクリスマス』
副題は「こどもから大人までたのしめる!おしゃれでやさしいアレンジ♪」。
全曲、轟千尋さんのアレンジによる曲集です。
副題の通り、ちょっぴりおしゃれ。今のところの私の一押しです!
でも、ちょっと難しい。
完全にブルグミュラーに入っているくらいの力がないと弾けないのでは、と思います。
実は、私が持っているのは「第2版」です。
2018年に若干収録曲が変わったり増えたりして第3版が出版されています。
そしてさらに、新たに1曲加わって2020年に第4版が発売になっています。
これだけ版を重ねるということは・・売れているんですね~~
下記の収録曲紹介は第4版のものです。
難易度は?
上にも書きましたが、難易度は「完全にブルグミュラーに入っている」くらい、と考えています。
アレンジが”おしゃれ”ということは、やっぱり少々難しい部分があります。
音域が広いですし、メロディーが和音だったり、左に移って突然右に戻ったり。
メロディーラインがシンプルではありません。
転調もしますし、ジャズっぽいリズムや響きがあったり・・
その分、弾きごたえあり、聴きごたえあり、です。
収録曲は?
掲載曲は以下の通りです。(第4版のものです)
- きらきら星
- 赤鼻のトナカイ
- 飼いばおけにすやすやと
- サンタが町にやってくる
- おめでとうクリスマス
- ジングル・ベル~ソロ~
- もみの木
- もろびとこぞりて
- あら野のはてに
- ウィンターワンダーランド
- うさぎ野原のクリスマス
- ひいらぎ飾ろう
- きよしこの夜
- まきびと羊を
- ジングルベル~連弾~
全14曲
定番曲ですね。
「きらきら星」、簡単ではありますがアレンジがステキですよ。
クリスマス会のオープニングにいいかも、と思います。
私のお気に入りは、ちょっと華やかな感じがする「ジングルベル」です。
クリスマスの時期ならではの曲を楽しんで
クリスマスは、この時期にしか聴かれない曲がたくさんありますよね。
音楽にかかわる者としては、無視できない感じです。
同じ曲でも、アレンジの違いで雰囲気ががらりと変わる、なんていう体験もしてほしい。
ピアノを習っているのなら、ケーキやプレゼントだけじゃなく、音楽からクリスマスを感じてほしいですね。
そんなことを考えながら、クリスマスの曲に取り組んでいます。
(公開日:2017年10月11日 最終更新日:2024年11月14日)
コメント
ゆう先生、はじめまして。
他のページもあちこち楽しく読ませていただきました。
ピアノを習っている子供がクリスマス曲を弾きたがっていたので、参考にさせていただき、「とってもやさしいクリスマス名曲集」を購入しました。
(ヤマハのサイト、ヤマハミュージックメディアで、普通に1,500円+税で販売されてましたよ!なぜか、アマゾンでは中古のみの取扱いのようですね。)
中身を見ないで注文しましたが、イラストがとっても美しくてクリスマス気分が盛り上がるステキな曲集で嬉しくなりました。
子供の行っているピアノ教室は、先生の自宅で毎年一回「クリスマス会」という発表会があります。
楽譜見るとまだだいぶ難しそう!と思ったんですが、クリスマス会で弾きたい!と先生にご相談。
二人が一番弾きたがった「ジングルベル」は、これは来年かな~と却下されましたが、曲集の中からひとりが「サンタが街にやってくる」&「ひいらぎかざろう」を、もうひとりが「あわてんぼうのサンタクロース」&「おめでとうクリスマス」を先日のクリスマス会で、なんとかかんとか演奏することができました。
二人にとって同じ曲を一ヶ月かけて練習する、ということはこれまで無かったんですが、自分で選んだ好きな曲ということで、しかも今進めてる教本より何段階か難しい曲ということで、ひと悶着もふた悶着もありながら、がんばって練習したな、と思います。
ちなみに、ソロ曲がなんとかなるかな?と思った本番2週前に急遽、わたしの野望(?!)により連弾も一曲練習を始め、演奏することができました。
「きらきらピアノこどものピアノ連弾名曲集」から「ロンドン橋」です。
YouTubeに音源あったので取り掛かりやすかったです。
子供は小学一年生男子×2(双子)です。昨年10月にピアノを習い始めました。
上に四年生女子も居て、こちらは別の先生に習っています。
本番が終わってホッとしているところですが、こちらのクリスマス曲集、来年は少し余裕を持って弾けるくらいに成長してくれてたらなーと思ってます。
これからも記事楽しみにしています。
素敵な曲集の紹介をありがとうございました!
あきこ様
コメントありがとうございます。
この記事が参考になったということで、とっても嬉しいです。
ご家族でピアノを楽しんでいらっしゃるんですね。練習の姿、本番の姿が目に浮かぶようで、とても楽しく読ませていただきました。
こちらの曲集、いいですよね!販売されているんですね。よかったー。
ヤマハミュージックメディアのトップページからの検索では見つからず、タイトルで全体から検索をかけたら・・ありました!!
情報提供ありがとうございます。早速記事も修正しました。
お子さんたちピアノがとても好きなようですね。これからも楽しく続けていってもらえたら・・一ピアノ好きとして願っています。