大人向けのピアノ教材『おとなのためのピアノ教本』。
その併用曲集の1つ、『おとなのためのピアノ曲集〈クラシック編ー1〉』をご紹介します。
初心者からブルグミュラー程度までの難易度の曲が1冊にまとめられていて、全46曲。
すべて、クラシック曲のピアノアレンジです。
クラシック曲のお好きな大人ピアノ初心者の方へ、ぜひおすすめします。
『おとなのためのピアノ曲集』って?
こちらの曲集、『おとなのためのピアノ教本』の併用曲集の1つです。
『おとなのためのピアノ教本』の初版は1992年。
大人向けのピアノ導入教材としては、草分け的な存在ですね。
第1巻から第5巻まであり、ソナチネやソナタのレベルまで進むように構成されています。
すぐに両手で弾くようになっていたり、調性についての学習も並行して行ったりと、少々難しめな印象です。
関連記事→『おとなのためのピアノ教本』の紹介記事はこちらです。
その、併用曲集がこの『おとなのためのピアノ曲集』です。
併用曲集は全部で5冊
併用曲集は全部で5冊あります。
- クラシック編1,2
- ポピュラー編1,2
- 日本のうた編
これらの中から、今回は〈クラシック編ー1〉をご紹介します。
難易度は、初心者からブルグミュラー程度まで。
『おとなのためのピアノ教本』の第1巻から第3巻までに対応しています。
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『おとなのためのピアノ曲集〈クラシック編1〉』の内容は?
それでは内容を詳しくまとめていきます。
難易度は?
まずは難易度について。
掲載曲は全部で46曲。
「おとなのためのピアノ教本」の段階に合わせて、「第1巻程度」「第2巻程度」「第3巻程度」という形で3つに分けられています。
後ろへ行くほど難しくなる、ということですね。
ちなみに、『おとなのためのピアノ教本』の各巻の難易度は以下のようになっています。
第1巻・・・バイエル前半程度
『おとなのためのピアノ教本』「はじめに」より
第2巻・・・バイエル後半程度
第3巻・・・ブルグミュラー程度
第1巻は「バイエル前半程度」。
それでも、1番初めの曲から両手奏になっていて、左手は4分音符で動きます。
両手とも完全な五指固定の形では弾けません。
指くぐりなどは出てきませんが。
すご~く簡単、という感じではないですね。
⇩最初の曲『愛の喜び』です。
掲載曲は?
具体的な掲載曲の題名を表にしました。(リンク先は演奏動画です。私が弾いています。)
【第1巻程度】 | |
愛の喜び | J.P.Martini |
ペール=ギュント組曲より「朝」 | E.H.Grieg |
ピアノソナタ第11番 | W.A.Mozart |
田園交響曲(第5楽章) | L.v.Beethoven |
交響曲 第5番 | P.I.Tchaikovsky |
白鳥の湖 | P.I.Tchaikovsky |
ブラームスの子守歌 | J.Brahms |
シューベルト子守歌 | F.Schubert |
モーツァルトの子守歌 | W.A.Mozart |
南国のバラ | J.Strass Ⅱ |
別れの曲 | F.Chopin |
【第2巻程度】 | |
目を覚ませと呼ぶ声の聞こえ | J.S.Bach |
サンタ・ルチア | T.Cottrau |
スラブ行進曲 | P.I.Tchaikovsky |
ます | F.Schubert |
ヴァイオリン協奏曲 | F.Mendelssohn |
ワルツ 第15番 | J.Brahms |
愛の夢 第3番 | F.Liszt |
帰れソレントへ | E.d.Curtis |
モルダウ | B.Smetana |
田園交響曲(第1楽章) | L.v.Beethoven |
「軽騎兵」序曲 | F.v.Suppe |
セレナード | F.J.Haydn |
四羽の白鳥の踊り | P.I.Tchaikovsky |
波濤を越えて | J.Rosas |
四季より「春」 | A.Vivaldi |
ドナウ河のさざなみ | I.Ivanovici |
スケーターズ・ワルツ | E.Waldteufel |
コッペリアのワルツ | L.Delibes |
【第3巻程度】 | |
ラデツキー行進曲 | J.StraussⅠ |
トランペット吹きの休日 | L.Anderson |
眠れる森の美女 | P.I.Tchaikovsky |
金平糖の踊り | P.I.Tchaikovsky |
ファランドール | G.Bizet |
金婚式 | G.Marie |
メヌエット | L.Boccherini |
アイネ・クライネ・ナハトムジーク | W.A.Mozart |
ユーモレスク | A.Dvrak |
野ばら | H.Werner |
白鳥 | C.Saint-Saens |
歌の翼に | F.Mendelssohn |
マドリガル | A.Simonetti |
アメリカン・パトロール | F.Meacham |
ジムノペディ 第1番 | E.Satie |
オー・ソレ・ミオ | E.d.Capua |
交響曲「悲愴」 | P.I.Tchaikovsky |
- 「第1巻程度」:11曲
- 「第2巻程度」:18曲
- 「第3巻程度」:17曲
全46曲になりますね。
すべてクラシック曲のピアノ編曲です。
オーケストラ曲あり、ピアノ曲あり、歌曲あり・・
いろいろですが、よく知られているものばかりですね。
各楽譜の題名の下に、2、3行ずつ紹介文が載っています。
関連記事→掲載曲を数曲選んで弾いてみました。
曲の長さは?
こちらの曲集、クラシックの原曲を易しくアレンジしたものです。
なので、原曲と比べるとずいぶん短くなっています。
曲の長さとしては、以下の様な感じです。
第1巻程度:1曲1ページ4段がほとんど。
第2巻程度:1曲1ページでも5段の曲が増える。見開き2ページ以上の曲も。
第3巻程度:ほとんどが見開き2ページ
難易度が上がるにつ入れて、1曲の長さが長くなっているのが分かります。
「第1巻程度」の曲は、なんとなく尻切れトンボの様なアレンジ。
でも「第3巻程度」では、曲として完成されているという感じになっています。
楽譜はこんな感じ
楽譜の実際の様子もまとめておきます。
すべて通して、五線の幅は8㎜ほど、大譜表の幅が2.5㎝ほどです。
後ろへ進んでいくと、難易度が上がるので音数も増えますが、楽譜の幅は変わりません。
1ページの段数も4段から5段になり、かなり混みこみした見た目になります。
一般的な大きさと言えばそうですが、決して見やすいという感じではないですね。
全体的にもう少し大きくてもいいのでは、という印象です。
『おとなのためのピアノ曲集〈クラシック編1〉』まとめ クラシック好きな人へ長く楽しめる1冊
初心者からブルグミュラー程度まで、と1冊内の難易度は広めです。
でも、その分長く使うことができる曲集ですね。
始めの方は少し物足りないアレンジの曲もあります(ある面しかたがないかも)。
でも、後ろへ行くほど発表会などで弾いていもいいような、弾き応え聴き応えのあるアレンジになっています。
全くの初心者には少々難しいかもしれません。
そもそも『おとなのためのピアノ教本』が難しめですし。
少し弾ける方、そしてクラシック好きの方にはとても良い曲集ではないでしょうか。
おススメです!
(公開日:2019年2月15日 最終更新日:2024年7月18日)
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