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「ピアノの練習嫌い!」はなぜ?考えついた4つの理由と解決策をまとめてみました

私の考え

ピアノの上達には自宅での練習は必須です。

でも、練習をなかなかしない子は多い。

ピアノの先生は、いかに自宅練習をしてもらうかに日々頭を悩ませます。もちろん私も。

それにしても、なぜ練習をしたがらないんでしょうか?

「練習・・したくないよね~」と半ば当たり前のように感じていましたが、そもそも何でなのか。

そのことを、私なりにいろいろと考えてみました。

そこから、宿題(つまり自宅練習の内容)の出し方も見えてくるかもしれません。

理由その①「ピアノの練習するとどうなるのか分からない」

まず考えたのは、「練習するとどうなるのかが分からない」ということです。

つまり、「練習すると上手になる」という実感を持ちにくい、ということです。

お家での練習のことについて話すとき、

私

お家でいっぱい練習してね。そうすると上手になるよ。

と話したりします。

自宅練習は上達のためにすることですし、実際、しっかりと練習をする子は上達も早いですよね。

その、「練習する」ということと「上手になる」ということが結びついていないのではないか、ということです。

まだまだ人生経験そのものが浅いわけですし、「練習したからできるようになった」という経験自体が少ない、ということは考えられるのではないかと思います。

小学校の高学年くらいになれば、様々な場面で「練習するとできるようになる」という経験を積んできます。

そうすると、練習の大事さはしっかりと理解できるようになりますよね。

ま、だからといって練習するようになるか、といえばまた違うのですが。

ピアノが上手になるってどういうこと?

「練習する」と「上手になる」が結びついていない、ということを書きましたが、

そもそも、「上手になるってどういうこと?」という状態もあるのではないかと思います。

止まらないように弾くこと?

音を間違えないように弾くこと?

正しいリズムで弾くこと?

レッスンではテキストを順番に進めていくことが一般的ですが、たいていは知らない曲を弾くことになります。

知らない曲なので、曲への思い入れも特にない。

好きでも嫌いでもない。初めて聴くんだから。

そういう曲を「上手に弾く」って一体どういうことなのか。

それが実感できないのではないかと思います。

なので、お家で弾こうとは思わない、思えない。

ということになるのかな‥と。

子どもたちのよく知っている曲が多く載っている導入教本『ピアノひけるよ!』シリーズ。

私の教室でも子どもたちに人気のあるテキストですが、これが好まれる理由はここにあるのかもしれません。

自分の知っている曲を弾く、ということは、「上手になった」ということが実感しやすいんですよね。

曲を知っているので、その知っている状態に自分の弾くピアノが近づいた、と分かる、実感できる。

そういうことではないかと。

知っている曲を弾けるって、こちらが思っている以上に重要なことかもしれません。

関連記事子どものよく知っている曲でレッスンできる『ピアノひけるよ!』の『ジュニア』をこちらで紹介しています。

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解決策:小さな「できた!」の積み重ね

「練習すると上手になる」ということの実感がない。

その解決策としては、小さな「できた!」を積み重ねることかな、と思います。

毎回のレッスンの中で、苦手な部分を何度も弾いてもらって、できるようになってきたら、

私

できるようになったね!今何回も弾いて練習したからだよね!

と、「練習をしたから弾けるようになったんだ」ということをはっきり伝え、認識してもらうこと。

レッスンの中でこれを繰り返す、ということがポイントかなと思います。

できるだけ細かく区切って弾いてもらい、小さな「できた!」を繰り返すこと。

これが重要かなと思います。

理由その②「やらなきゃダメ」ということはやりたくない!

子どもって、そもそも「今」を生きているものなので、今何をやりたいか、が最優先です。

あれやりたい、これやりたい、それやりたい、が第一で、あらかじめ決められていることはやりたくない。

「今はこれやりたいんだも~ん」となってしまう。

そして、ピアノの練習はどんどん後回しになっていく。

ましてや「やらなきゃダメ」なんて言われることには反発したくなる。

「やりたくない」になる。

こういうこともあるのかな、と思います。

そもそも学校の宿題だって後回しになりがちですよね。

「宿題してから遊びなさい」というのはどこの家でも言われることではないかと・・。

それと同じ気がします。

解決策:練習の習慣づけ

解決策は、ズバリ!「練習の習慣づけ」。

これしかないのではないでしょうか。

ピアノの練習は「やるもんだ!」という意識付け。

ピアノの練習をしてもらうことの、最も基本となるものですね。

私の教室でも、新しくレッスンを始めた子には、まずこのことを最優先に考えます。

レッスンノートにチェック欄を設けたり、

練習をやった分のごほうびを用意したり、

日々のスケジュールを見直して、練習時間をはっきりと位置付けてもらったり・・

練習内容はちょっと横において、まずは、ピアノの前に座ってもらうこと。

ここからかな、と思います。

関連記事練習をしてもらえるように教室で取り組んでいることをまとめました。

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理由その3「練習しなくたって弾けるもん!」

自分は上手に弾けている。だから練習はしなくていい。

こんな風に考えて、練習をしない、ということもあるように思います。

「楽譜通りに弾けているからいいんじゃない?」ということですね。

でもこれ、ピアノの奥深さや本当の意味での楽しさを知らいないな、と感じます。

「楽譜通りに弾ければいい」というのは、できる、できない、という分かりやすい基準での捉え方。

これは、小学生くらいの子にはありがちですよね。

と同時に、音楽の奥深さを知らない、音楽で心動かされる経験が少ない、ということもあるのではないかと思います。

子ども自身の人生経験の短さでもありますよね。

楽譜通りに一応は弾けてしまっているこの曲を、どのくらい深められるか。

それは、指導者にかかっている部分も大きいかもしれませんが、子ども自身がそれを感じる感性を持っていることも必要。

それには、もっと身も心も成長しないと、ということもあるように思います。

解決策:先生がいっぱい弾いて聴かせること

解決策としては、先生がいっぱい弾いて聴かせることかな、と思います。

確かに、間違えないで弾けてはいる。

でも、こんな風に弾けたらもっとステキだよ。もっとかっこよくなるよね。

実際に弾いて見せて、自分との違いを実感してもらう、ということですね。

「自分は弾けてるもん!」と思うのは、結局、「練習してきてって言うけど、何をどうすればいいの?」ということだと思います。

何を練習すればいいのか、を具体的に伝えるためにも、先生と自分との演奏の違いをはっきりと感じてもらう必要があるのではないかと思います。

実際、弾いて聴かせた後、その子の演奏がぐっと変わる、ということ、ありますよね。

弾いて聴かせることは、口で説明するよりずっと伝わりやすいと思います。

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理由その4「ピアノを弾くことに興味がない」

ピアノを弾いてみたい!そう思って習い始めたけれど、

やってみたら難しかった・・

だんだん飽きてきた・・

違うことに興味を持つようになった・・

こうなってしまうと、なかなか練習はしなくなりますね。

でも、これはあることだと考えています。

ピアノへの関心が薄れているのに、そもそもレッスンを受け続ける必要はない。

と私は思います。

それでピアノを辞めるのなら、淋しいけれど受け入れなければいけない。

そう思っています。

一方で

ピアノをやりたいわけじゃない。でも教室を辞めたいわけでもない。

こういう子もいます。けっこういます。

そういう場合は・・

解決策?:音楽に関係するあれこれを

音楽が嫌いなわけじゃない。

そういうことなんですよね。

なので、本人とよ~く相談して、何らかの形で音楽に関係することをします。

”作曲あそび”のような形で曲作りをしたり。

自分の好きな曲だけ(テクニック教本などはやらずに)をのんびりのんびり弾いたり。

一番悲しいのは、音楽そのものを嫌いになってしまうこと。

音楽は好きで、何かやりたいという気持ちを持っているのなら、それを大事にしたかかわりを続けていきたい。

そう思っています。

「ピアノを弾くことが楽しい」は難しい?

最も望ましいのは、「ピアノを弾くことが楽しい」と思ってもらうことです。

そうなれば、練習はまさしく「ピアノを弾くこと」なので、苦も無く、むしろ進んでするようになるのではないかと思います。

ただそれは、なかなか難しいことのように感じます。

本当の意味でのピアノを弾く楽しさ

自らの手で音楽を奏でることの喜び

表現することの楽しさ

を感じながら弾くことは、かなり年齢が上がらなければ難しいのかもしれないと思います。

と思う一つの理由は、ピアノは指先から奏でられるものだから、です。

子どもはそもそも動きが大きいです。全身を使います。

全身を使うダンスは大好きです。音楽が流れてくるだけで踊りだしたりします。

大声を上げるのも好きです。

声はからだの中心を使うことなので、やはり扱いやすいのだと思います。

子どもは歌をうたうことも大好きですよね。

身体を大きく使って動くことの方が、自分の体を扱いやすいですし、原始的な喜びを感じるものなのかもしれないと思います。

それにひきかえピアノは・・。

指先というもっとも発達の遅い部分を使います。扱いが難しいのです。

そこに喜びを感じる、というのは、なかなか困難なことのように思います。

指先を自由に扱えるようになり、自分ではないものに自分の思いを入れ込んで表現する、というのは、かなり高度なことなのかもしれません。

人生経験と音楽経験を積んでいくことも大切なことだと思います。

「ピアノを弾けるようになりたいなら練習しよう」それだけなんだけど・・

練習嫌いな子が多い。それは何で?

ということを考えてみました。

こうして見てくると、練習好きになる、というのは発達段階上難しいのではないか、と思えてきます。

そうはいっても、ピアノを弾けるようになりたくてピアノ教室に通っている子どもたち。ピアノを弾けるようになるには練習は欠かせません。

何とか練習をしてもらいたいもの。

そして、練習も含めてピアノを弾くことが好き、になってもらいたい。

練習をさせることが目的、ではなく。

具体的にどうすればいいのか、自分なりに思うことを書いてみましたが、そうはいってもなかなか・・

「ピアノを弾けるようになりたいなら練習しよう!」

ただそれだけなんだけど・・

まだまだ試行錯誤しています。

これからも、いろいろと工夫してやっていきたいと思います。

(公開日:2018年8月24日 最終更新日:2024年8月7日)

今回、「練習してもらう方法」ではなく、「なぜ練習しないのか」ということを考えてみたのは、ある生徒の親御さんからお話をいただいたからです。ご自分は独学で練習をされていますが、「練習することそのものが好き」だと。でも我が子は練習しない。なぜなのかわからない、と。考えさせられました。

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