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その「自己肯定感」間違ってない?本来の意味と音楽でできること

私の考え

生きる上でとても大切だと思う「自己肯定感」。

でも、人と話したり文章を読んだりする中で、

それって自己肯定感とはちょっと違うんじゃないか‥

と思うことが時々あります。

でも、どこがどう違うと明確に説明できない私・・・

そこで、いろいろと考えてみました。

そして、「自己肯定感」を育むために音楽でできることもまとめてみました。

「自己肯定感」とは

まずは、そもそも自己肯定感とは何なのか、ということから。

調べてみると、このように記されています。

自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する語。自己否定の感情と対をなす感情とされる。

引用元:weblio辞書「自己肯定感」より

つまり、自分そのものを肯定する感情、ということですよね。

自分に対する根拠のない自信

私は自己肯定感を、「自分に対する根拠のない自信」と解釈しています。

「根拠のない」自信です。

自分は○○ができるからすごいんだ、とか、価値があるんだ、とかいうことではなく、

「なんだかわかんないけど大丈夫」

と思えること。

つまり、自分のすべて、自分そのものを肯定する、ということです。

これができると強いですよね。

ちょっとやそっとでは心が折れない。物事をポジティブに捉え、前を向いて歩いていく力になる。

そう思います。

だから、生きていくうえで大切な感情だと思っています。

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「成功体験の積み重ね」は「自己肯定感」にはつながらない!?

自己肯定感について書かれていることで、「ん?ちょっと違うんじゃ‥」と思う時が時々あります。

よくあるのはこんな感じ。

「小さな成功体験を重ねることで自分に自信がつき、自己肯定感へ結びつく」

みたいな。

う~ん、大事なことだとは思うけど、自己肯定感とはちょっと違うような・・・

「成功体験の積み重ね」は大事!でもその前に

「小さな成功体験を積み重ねる」ことは、とても大事だと思います。

どうも自分に自信がなくて、臆病で、なかなか前に進めないような子に、

「ほら、できたよ!」

「こんなこともできたね!」

と、小さな「できた!」をたくさん体験させることは、「やればできる!」という自信になります。

それは、新たな一歩を踏み出す勇気に結びつきますよね。

でも、成功だけをし続けることは不可能なわけで、失敗してしまった時どうなるか・・。

やっぱりダメだ~~、と必要以上に落ち込んでしまうかもしれません。それもほんの些細なことでこうなりかねない。

そもそも、自分に自信がないので。

もしかしたら、これまでの成功体験があるので、「今度こそ!」と前を向けるかもしれません。

でも、成功だけを求めて前を向くのであれば、やっぱりちょっとひっかるものを感じてしまいます。

それは、

「成功することはいいこと」で「失敗はダメなこと」

という二元論的な考え方に結びつく可能性があるように思うからです。

これは、「自己肯定感」とは遠いところにある考え方ですよね。

「自己肯定感」は、失敗してしまうことも含めて「これが自分だ」と認めることができること。

そして、「それでも自分は大丈夫」と思える感情だからです。

これは、「成功体験の積み重ね」だけで得られるものではないと思うのです。

「成功体験を積み重ねる」こと以前に、やるべきことがあるのではないか。そう思います。

それは、できようができまいが、ダメダメなところもすべて含めて「あなたが大事!」という気持ちを受けて育つこと。

どんな人間であっても見捨てられない、そんな安心感の中で育つこと。

親や周囲の大人からの「無償の愛」。

「自己肯定感」を持てるようになるには、やっぱりこれしかないのではないかと思います。

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「自己肯定感」を育むには・・音楽でできること

ピアノ教師だって、子どもたちにとっては、自分たちに「無償の愛」をささげるべき周りの大人の一人です。

生徒としてやってくる子どもたちとどうかかわるか、はとても大切です。

それと同時に、音楽の持つ特殊性からも「自己肯定感」を育むレッスンがしやすいかもしれない、と思います。

音楽の受け止め方はそれぞれ そのことを大事に

音楽は、聴く人の心にダイレクトに作用します。言葉にできないような感情がそれぞれの心に表れます。

感じ方は人それぞれ。はっきりとした正解があるわけではありません。

どのように感じ、そしてそれをどのように演奏(表現)するかは本人の決めることです。

演奏する子どもたち自身が表現しようとしていることに丁寧に耳を傾け、理解し、決して否定しないこと。

自分の表現しようとすることがきちんと認められる。

この繰り返しは、「自己肯定感」を育む一助になるのではないかな。

例えば、フォルテ(f)と書いてあるところをピアノ(p)で弾こうとする。

それを「フォルテと書いてあるからフォルテで」というのではなく、「なぜピアノで弾くのか」を聞く。

いろいろ考え、自分なりの理由を話してくれるのなら、それはとても立派なことだし、大事にすべきじゃないか。

そして、フォルテと書いてあってもピアノで演奏すればいいんじゃないか。演奏するのは本人なんだから。

こうしたことは、音楽だからできること。

どう感じるかは本人次第。

そうした自由度が高いからこそしやすいのではないか、と思います。

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音楽は「自己肯定感」を育む

そしてもう一つ。

音楽を演奏することそのものが「自己肯定感」を育むことになる、と私は考えています。

自分の好きな曲を、自分の気持ちのままに演奏する。それはとても気持ちの良いものです。

その気持ちよさは自分を肯定している状態だから。

「自分はこれでいいんだな~」という感情からくる気持ちよさではないかと思います。

楽器の演奏だけではなく、もちろん歌うことだっていいんです。

そして、音楽を聴くことだって。

自分の好きな曲を何度も聴いて幸せな気分になるのも同じことだと思います。

こうして考えると、音楽ってなんだかホントに懐の深いものだな、と感じます。

「自己肯定感」は一朝一夕で身につくものではない

自己肯定感は幼少期の育てられ方が大きく作用するといわれていますね。

私もそうなのだろうと思っています。自己肯定感は、自分自身をどうとらえるか、の根幹の部分だと思うので。

なので、自己肯定感を持てないまま大人になってしまうと、そこからそれを持てるようにしていこうというのは、かなりの困難を要するものではないかと思います。

自分のできることをたくさん増やしていくのではなく、「自分はこれでいい」と思える環境を自ら整えていくことが大事かもしれません。

自分が心地よくいられる環境を、自分の気持ちに正直になって。

自分はおかしいんじゃないか、というような負の気持ちは置いておいて。

そこに音楽が加わると大きな助けになるかもしれません。

(公開日:2017年8月30日 最終更新日:2024年8月27日)

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