読譜の力をつけたり曲をより深く理解したりするために、調性についての知識を持っておくことはとても大事です。
そこで、実際にレッスンで使っている『WAKU WAKU調の勉強ドリル』をご紹介します。
基本がきっちり抑えられていて、一から順序だてて進めていける、とても良いものだと思っています。
『WAKU WAKU調の勉強ドリル』で学べることは?
このドリルでどこまで学べるのか。まずそこをまとめます。
キホンのキから「近親調」まで
この”ドリル”、基本の”き”から始まります。つまり、♯や♭を書くことから。
調号を自分で書けるようにするためです。
最終的には、近親調の理解まで進みます。
流れは以下の通り。
- ♯を書く(並び順も)
- ♯の調の見つけ方(調号から調の名前を導き出す)
- ♭を書く(並び順も)
- ♭の調の見つけ方(調号から調の名前を導き出す)
- 長調の調号の付け方(調の名前から調号を導き出す)
- 音階
- 並行調、属調、下属調、同主調について
- 長調の音階と主和音
- 短調の音階の種類
- 短調の音階と主和音
基本的なことについてきっちり抑えられているのではないかな、と思います。
付け加えてほしかったことも・・
基本的なことは学べるので満足しているのですが、「このことについては触れていないんだ‥」ということも。
それは、以下の2点。
- 音程の数え方
- 主要三和音
この二つ、結構重要だと思うんです。
「音程の数え方」については、近親調の説明のときに少し出てきます。
でも、「属調は完全5度上の調」とか「並行調は短3度下の調」とかという程度のことです。
音程の数え方、という形では出てきません。
どうせならそこまで踏み込んでくれれば・・
また、「音階」の部分では、主音、下属音、属音、導音について書かれているのみ。
音階の並び方の法則(長音階の”全全半全全全半”など)といったものには触れられていません。
そして、和音については主和音しか書かれていません。
どうせならあと二つ(ⅣとⅤの和音)・・と思うんですが。
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『WAKU WAKU調の勉強ドリル』の使いやすさは?
使いやすさは、選ぶ時の重要な要素ですね。
紙面の状況などもあわせてまとめてみます。
「1日1枚ハギトリ式」が使いやすい
このドリルは、「1日1枚ハギトリ式」と表紙に書かれていて、そこがウリになっています。
1ページに1つのテーマに絞られているので、「今日は○○をやる」とはっきりさせることができ、与えられる生徒の側からもやりやすいですよね。
例えば、
「シャープの書き方」ということで、シャープを書くことだけをやる。
「調の見つけ方」ということで、調号を見て調を答える問題だけが並んでいる。
といった具合です。
ドリル形式の良さかな、と思います。
大きくて見やすい
もう一つ、このドリル、印刷がとても大きくて見やすいです。
大きさはA4。
表紙は縦長ですが、中身は横長に開く形になっています。
上にも書いたとおり、1ページに1つのテーマとなっています。
五線が大きめで、説明文が枠に囲まれていたり、図にまとめられていたり。
ごちゃごちゃ感がなく、整理された紙面になっています。
見やすさは使いやすさにつながります。
小さな子にも分かりやすいですね。
まとめ 調の勉強だけの教材はあまりない・・
調の勉強は大事!と考えて、良い教材はないかといろいろと探しましたが、それに特化した内容のものはあまり無いという印象です。
探し方が足りないかな~?
そんな中見つけたのが、この『WAKU WAKU調の勉強ドリル』です。
上に書いたとおり、♯♭の書き方から始まって、調号からの調の導き方、音階、近親調まで。
とても分かりやすく説明されていると思います。
ページ構成が見やすく、書き入れやすいというのも気に入っているところです。
他の問題集も使いながら
上にも書きましたが、この『WAKU WAKU調の勉強ドリル』では不足していると思う部分もあります。
そこについては、手作り教材や別の問題集などで補っています。
別の問題集とは・・
ひとつは、調の勉強を含めた楽典の集大成の問題集として使える『ジュニアクラスの楽典問題集』。
関連記事→『ジュニアクラスの楽典問題集』をこちらで紹介しています。
こちらなら、音程の数え方や主要3和音についても含まれています。
また、『ピアノひけるよ!楽典ワーク』という、小学生くらい向けの楽典総合ワークもありますね。
関連記事→『ピアノひけるよ!楽典ワーク』をこちらで紹介しています。
他の教材を使うとしても、調についての基礎を学ぶために、この『WAKU WAKU調の勉強ドリル』の必要なところのみを使うなどしています。
臨機応変に使える、とても使い勝手のよい教材だと思います。
(公開日:2016年7月31日 最終更新日:2024年11月13日)
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こちらもどうぞ
→調の勉強法を自分の経験とレッスンでしていることについてまとめました。
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