童謡を扱ったテキストでピアノのレッスンをしていると、「え?この歌知らないの??」ということが時々あります。
私からすれば当然のように知っている歌です。
たまたまこの子が知らなかっただけか?と思いきやそうではなく、何人もいたりします。
私はっきり言って(言わなくても)おばさんだし、こんな歌はもう古いってことか?
う~ん・・でも、そういう問題かなあ・・
童謡や唱歌って、いい歌ばかりだと思うんだけど・・
子どもが知らない童謡はこんな歌
私が運営するピアノ教室のレッスンでは、『ピアノひけるよ!』という教本を何人かの子に使っています。
こちらのテキスト「しっているきょくでどんどんひける」という副題がついていて、子どもたちのよく知っている(ハズの)の童謡が多く入っています。
でも、結構「知らない」と言われることがあるんです。
例えば・・
- ゆかいな牧場
- バケツのあな
- 赤い川の谷間
- とんぼのめがね
- 10人のインディアン
- 1週間
- あわてんぼうの歌
- 聖者の行進
などなど・・他にもあったかと思います。
外国の歌とか、これは知らないかもね~と思うものもありますが、え?知らないの??と思うものも。
驚いたのが「とんぼのめがね」。
上に挙げたなかで1番知っていそうなのに、知らないという子が複数いてビックリ。
な、なんで?
ネットでちょっと見てみると、「赤とんぼ」や「七つの子」、「茶摘み」、「どんぐりころころ」、「ドレミのうた」などが、子どもが知らなかったとして挙げられていました。
他には、『ピアノひけるよ!』とは別の教材に出てきた「はないちもんめ」だったかな?、わらべ歌を知らない子もいました。
遊んだことないのかな・・
関連記事→引用した『ピアノひけるよ!』の『ジュニア』をこちらで紹介しています。
スポンサーリンク
何で知らないの?
子どもたちは何で知らないんでしょう‥?
やっぱり聴く機会、歌う機会が減っているからなんでしょうね。
今はホントにいろんな音楽があふれているから、小っちゃいうちからJ-popとかが主流になってしまうのかもしれません。
子ども向けアニメの主題歌なんかも、そのままアイドル歌手の歌じゃん、という感じですしね。
目まぐるしくメロディーが変わって、リズムもすっごく複雑。
画面が次々変わるテレビなどの映像に、子どもの目がくぎ付けになるのと一緒で、耳がくぎ付けになってしまうのかな。
そうなると、昔ながらの童謡は「こどもが好まないから」ということで保育園や学校、家庭でも歌わなくなってしまうのかな。
それでは当然子どもは知らないよね。
もっと知っていてほしい!童謡や唱歌
知らない、というのはしょうがない。
この子が悪いわけではないし、「何で知らないの?」と思うのは私個人の価値基準でのことですし。
でも、古くから歌い継がれてきている、日本の童謡や唱歌を「知らない」といわれるのは、なんとも悲しいと感じます。
いい歌だと思うんだけど・・
童謡や唱歌ってこういうもの
子どもが歌うもの、子どものために作られたものを「童謡」や「唱歌」といいますよね。
詳しくは以下のような意味です。
童謡(どうよう)とは、広義には子供向けの歌、または子供が歌う歌を指す。
狭義には日本において大正時代後期以降、子供に歌われることを目的に作られた文学作品と、それに作曲が施された歌曲を指す。(中略)
日本国外で作曲された子供向け歌曲についても、同様の傾向を持つものを日本国内で「童謡」と呼ぶことがある。
ウィキペディア「童謡」より
唱歌は「文部省唱歌」といわれることが多いですが、以下のようなものです。
文部省唱歌(もんぶしょうしょうか)とは、明治から昭和にかけて文部省(中央省庁再編後、現在の文部科学省)が編纂した、尋常小学校、高等小学校、国民学校及び学制改革後の小学校の唱歌、芸能科音楽の教科書に掲載された楽曲の総称である。但し、文部省が定めた正式名称ではない。
ウィキペディア「文部省唱歌」より
江戸時代までは、童謡といえば、わらべ歌など子どもの遊び歌を指していたようです。
明治に入って日本にも西洋音楽が紹介されるようになり、「子ども向けの新しい音楽をつくろう」という気運(運動)の中、次々と作られてきたものだということのようですね。
童謡や唱歌の何がいい?何が好き?
私は好きなんですよね、童謡や唱歌といわれる歌が。
子育て真っ最中の頃は、Eテレの子ども番組などで触れる機会が多いので、余計にそうなるのかもしれませんが。
なんで好きか・・なんでいいなと感じるのか・・
- メロディーがシンプル
- 歌詞が身近
この2つに集約されるように思います。
メロディーはシンプルですよね。1曲が短いですし。
だから分かりやすいし、覚えやすいし、口ずさみやすい。
そして、身近な事柄が歌詞になっています。
子どものかわいらしい表情や仕草だったり、それを動物に見立てていたり、自然の風景だったり。
日常を歌にしたものも多くありますよね。
そして、奥深さが感じられます。
そのものをストレートに表現するのではなく、歌詞に込められたその奥にある意味といったものを感じます。
童謡や唱歌から懐かしさを感じたり、日本の原風景だ~なんて思ったり、心の奥の方をつつかれるような深~い感情が沸き上がったり。
私が歳をとったということなんでしょうかねえ・・
「童謡」お家でもっと歌いませんか?
童謡や唱歌はメロディーがシンプル。短くて覚えやすい。
これ、歌いやすいっていうことです。
もっとお家で歌いませんか?
子どもは絶対好きですよ。だって意味がちゃんと分かった上で、聴けるし歌えるから。
子どもって、J-popとかでも歌っちゃったりするんですよね。雰囲気だけでそれっぽく。
でも絶対意味分かってない!
たとえ歌えるからって、それでいいのか?
それにお父さんお母さん(おじいちゃんおばあちゃん)に歌ってもらう、そして一緒に歌うって、それだけでうれしいものです。
それだけで立派なコミュニケーションになります。
言葉が通じない赤ちゃんには、歌を歌いまくるべし。
赤ちゃんはしっかりと聴いてくれます。それだけで十分な親子の触れ合いです。
歌って、一番簡単な、一番手っ取り早い、音楽との関わりなんですよね。
子育てに音楽を取り入れたいと思うのなら、歌をいっぱい歌うこと!
歌うんなら、童謡や唱歌がいいと思うんです。歌いやすいから。
明治以降初めて西洋音楽が入ってきて、初めて西洋の音階で作られたたくさんの童謡。
これは日本の立派な文化ですよね。歌い継いで残していきたいな、と思います。
(公開日:2018年1月31日 最終更新日:2024年8月27日)
関連記事→子育てに歌をもっと歌っては・・と考えて記事にしてみました。
→引用したピアノテキスト『ピアノひけるよ!』のジュニアをこちらで紹介しています。
コメント