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初中級ピアノ楽譜集『黒猫のおしゃべり』さわやかで軽やかな街中の風景が音楽に 

曲集

今回ご紹介する『黒猫のおしゃべり』

今どきの、軽やかな、親しみやすい雰囲気いっぱいの曲集です。

難易度はブルグミュラーくらい。

発表会の選曲の候補として。

少し弾ける大人の方がいろいろ弾いて楽しむのに。

手元に1冊あるといいのではないでしょうか。

『黒猫のおしゃべり』どこからか聴こえてきそうなメロディー

エリックバウムガートナー/黒猫のおしゃべり 小さなピアニストのためのレッスン・発表会曲集

今どき感満載!というのが、私のこの曲集の印象です。

公園や噴水、車のクラクション、街灯の明かり・・・

街中を散歩していて見かけた風景をそのまま音楽にしたような・・

どこからか聴こえてきそうな・・

そんな曲たち。

そして、動物をモチーフにした曲も数曲あります。

そのどれもが軽やかな雰囲気で、心をすっとほぐしてくれるような感じ。

クラシックという雰囲気の曲は、一曲もありません。

そうしたことでは、クラシック曲が好きな方には合わないかもしれませんね。

この本の「はじめに」には、以下のように書かれています。

幅広い音楽のバックグラウンドを持つエリックの作品は、「あっ、これ聞いたことがある!」と思わせるものがいくつもあります。

(中略)

エリックの作品は、今現在よく耳にする流行りのジャズやロック、それに色々なダンス音楽のスタイルを取り入れることで、それらを身近に感じさせてくれ、リズム感と「ノリ」を育ててくれます。

『黒猫のおしゃべり』「はじめに」より

今どきっぽい音楽だからといって、安易な軽い気持ちで弾けるというものではありません。

逆に、きちんとリズムをとって演奏するのはなかなか難しい。

そうした心構えは必要かと思います。

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『黒猫のおしゃべり』全14曲を紹介

全部で14曲が収録されています。以下にまとめます。(リンク先は演奏動画です)

 題名長さ
野球を観に行こう3ページ(57小節)
パレード!2ページ(40小節)
黒猫のおしゃべり2ページ(30小節)
ストリート・フェアー2ページ(32小節)
ファンキー・モンキー3ページ(64小節D.S.含む
午後の公園3ページ(60小節)
ふんすい広場3ページ(51小節)
ラッシュアワー3ページ(49小節1,2かっこ含む
宵のシンフォニー2ページ(30小節)
街の灯火1ページ(24小節リピートあり
やさしいマナティー(マナティーの唄)3ページ(56小節)
おんどりのラグタイム2ページ(42小節1,2かっこ含む
ボッサ・リオ4ページ(73小節D.C.含む)
タンゴ・ヌエヴォ〔連弾〕6ページ(primo,secondo並列) (99小節D.C.含む)

関連記事『黒猫のおしゃべり』掲載曲の一部を弾いてみました。

難易度は?

難易度は、バイエル後半からブルグミュラーくらいでしょうか。

先にも挙げた「はじめに」に以下のようにあります。

この曲集は、エリックの書いた数多くのピアノソロ・ピースや曲集から、初級~初中級向きの曲を選んでまとめたものです。

『黒猫のおしゃべり』「はじめに」より

また、出版元サイトには、

5指のポジションで弾ける曲から初中級程度(バイエル終了程度)まで、存分にピアノを楽しめる曲ばかりが詰まった、魅力的な一冊です!

全音オンラインショップ 『バウムガートナー:黒猫のおしゃべり』

とあります。

私自身が弾いてみた印象としては、14曲に若干の差はありますが、大きな難易度の変化はないように思います。

もっとも簡単なのは「黒猫のおしゃべり」、最も難しいのは「ボッサ・リオ」かな・・。

曲の長さは?

1曲の長さは長めですよね。

1曲中6曲が3ページにわたります。

最も長い(連弾曲以外)ものは4ページに。その他の曲も繰り返しがあってまあまあ長い。

曲の長さは難易度に大きくかかわりますよね。

集中力がいりますし、聴かせ方の技術も必要になってきます。

そうしたことことからも、最低初級程度の力が必要だとわかります。

楽譜の見やすさは?

楽譜はそれほど大きくはありません。1ページに4段か5段です。

五線の幅は8㎜ほどで、大譜表としての幅は3.3㎝ほど。

音符の玉は小さめですが、ページ上部や段と段の間が比較的広くとられていてすっきりとした感じです。

「黒猫のおしゃべり」と「ファンキー・モンキー」は、他の曲と比べて五線としての幅が広く(約1㎝)音符の玉が大きめです。

元の掲載先の関係でしょうか?

ちなみに、イラストは楽譜部分には一切なし。

それぞれの曲の雰囲気がひと言ふた言でまとめられている「曲目解説」のページがあり、そこにシルエットだけの猫(つまり黒猫)が数匹。

『黒猫のおしゃべり』作曲者、エリック・バウムガートナーについて

最後に、作曲者のエリック・バウムガートナーさんについて紹介します。

掲載されているプロフィールから抜粋します。

エリック・バウムガートナーは、アトランタを拠点に作曲家、アレンジャー、教師、そして演奏家として活動しています。

(中略)

オハイオ州ソロンで音楽一家の家に生まれたエリックは7歳からピアノを始め、ビートルズ、スティービーワンダー、セロニアス・モンクや、ベートーヴェン、プロコフィエフ、ストラヴィンスキーの虜になりました。いくつかのバンドに参加し、ポップスやジャズをミュージカル劇場で演奏しています。そして、ボストンのバークリー音楽大学、シカゴのデュポール大学でジャズ演奏を学び、学位を取得しました。

(後略)

『黒猫のおしゃべり』「プロフィール」より

エリックさんは、現在アメリカのほかイギリスやオーストラリアでもジャズとニューミュージックの公開講座を開いているとのこと。

現代アメリカの音楽教育家の一人ということですね。

『黒猫のおしゃべり』まとめ 子どもから大人まで

今回ご紹介したこの『黒猫のおしゃべり』。

いかにもクラッシク、という雰囲気の曲は1曲もありません。

でも、今生活の中で普通に耳にする音楽と、ぴったりはまる雰囲気の曲がたくさん載せられています。

子どもっぽさは感じられず、色々なジャンルに親しみたいという子どもから大人まで楽しめる曲集ではないかと思います。

曲選びの候補の1冊に加えてみてはいかがでしょうか。

(公開日:2017年9月6日 最終更新日:2024年12月20日)

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