バスティン『スケール・カデンツ&アルペジオ』シンプルな音階テキスト

テクニック教本

曲の演奏で、その調の音階(スケール)をキレイに弾けることは大事ですよね。

メロディーの中に音階そのものが出てくるということもよくありますし、そもそもがその曲の構成音なわけなので、調性感を身につけるためにも大事です。

ということで、スケールに特化したテキストを探す中見つけたのが、このバスティンの『スケール・カデンツ&アルペジオ』です。

説明書きが少なく、シンプルな作りになっていて分かりやすい印象です。

詳しく紹介します。参考にどうぞ。

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『スケール・カデンツ&アルペジオ』の内容

WP249J バスティン スケールカデンツ&アルペジオ ピアノベーシックス 数こなし式 サプリメンタリー

いきなり内容からご紹介します。それが最も分かりやすいと思うので。

以下、目次です。

  • 1オクターブ
    • スケールとカデンツ
  • 2オクターブ
    • Cメジャー(C dur/ハ長調)
    • Gメジャー(G dur/ト長調)
    • Dメジャー(D dur/ニ長調)
    • Aメジャー(A dur/イ長調)
    • Eメジャー(E dur/ホ長調)
    • Bメジャー(H dur/ロ長調)
    • Fメジャー(F dur/ヘ長調)
    • B♭メジャー(B dur/変ロ長調)
    • E♭メジャー(Es dur/変ホ長調)
    • A♭メジャー(As dur/変イ長調)
    • D♭メジャー(Des dur/変ニ長調)
    • G♭メジャー(Ges dur/変ト長調)
    • Aマイナー(a moll/イ短調)
    • Eマイナー(e moll/ホ短調)
    • Bマイナー(h moll/ロ短調)
    • F♯マイナー(fis moll/嬰へ短調)
    • C♯マイナー(cis moll/嬰ハ短調)
    • G♯マイナー(gis moll/嬰ト短調)
    • Dマイナー(d moll/ニ短調)
    • Gマイナー(g moll/ト短調)
    • Cマイナー(c moll/ハ短調)
    • Fマイナー(f moll/へ短調)
    • B♭マイナー(b moll/変ロ短調)
    • E♭マイナー(es moll/変ホ短調)
  • 付録1 いろいろなカデンツ
    • メジャー
    • マイナー
  • 付録2 12調の和声的短音階の主要三和音
  • 付録3 調の輪(五度圏)
  • 付録4 コード辞典
  • 付録5 スケールグレードの実施例
  • 付録6 スケール・チャレンジ記録表

目次の文言そのままです。

以下に、もう少し詳しくまとめてみます。

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「1オクターブ スケール・カデンツ」

こちらは文字通り「1オクターブのスケールとカデンツ」です。12の長調の1オクターブの楽譜ですね。

スケール部分は4分音符、カデンツ部分は2分音符で、1段に収められています。

12の長調の順番は・・

C→G→F→D→A→E→D♭→A♭→E♭→G♭→B♭→B

つまり・・

  1. 調号なし
  2. ♯♭1つずつの調
  3. ♯系の調(2つ→3つ→4つ)
  4. ♭系の調(5つ→4つ→3つ→6つ→2つ)
  5. ♯系の調(5つ)

この順番は、バスティンのメインテキスト『バスティン ピアノベーシックス』の、調を学ぶ順序と同じです。

関連記事『バスティンピアノベーシックス』をこちらで紹介しています。

この「1オクターブ」の章は、それぞれのページにバスティンのテキストのレベル表示があります。

例えば、見開き2ページに書かれている始めの6つの調は「バスティン レベル2程度」となっています。

各調の楽譜の下には、「○○といっしょに練習してください」と指定楽譜が示されていて、本書の「はじめに」にも必ず指定ページと一緒に練習するよう書かれています。

⇩実際の楽譜はこんな感じ。

「2オクターブ」

メインは、この2オクターブのページですね。全調のスケール、カデンツとアルペジオが載せられています。

順番は、長調→短調ですが、細かくは以下のようになっています。

  1. 調号なし長調
  2. ♯系長調(1つから5つまで順番に増える)
  3. ♭系長調(1つから6つまで順番に増える)
  4. 調号なし短調
  5. ♯系短調(1つから5つまで順番に増える)
  6. ♭系短調(1つから6つまで順番に増える)

楽譜の書かれ方

楽譜は、2/4拍子で「スケール+カデンツ」、4/4拍子(C)で「アルペジオ」となっています。

1ページにつき1つの調という構成です。

使われている音符は、次の様な状況です。

  • スケール部分・・・8分音符
  • カデンツ部分・・・2分音符
  • アルペジオ部分・・・4分音符

短調では、和声的短音階、旋律的短音階の2つが載せられています。

「和声的→旋律的→カデンツ」で1つの楽譜+「アルペジオ」の楽譜ですね。

速度については、本書の「はじめに」に「♩=80を目安に」と書かれています。

⇩実際の楽譜(長調)。

⇩実際の楽譜(短調)。

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「付録」1~6

以下は「付録」という位置づけになっています。楽譜も小さくなりますし、一覧表のような感じですね。

それぞれの内容をまとめてみます。

付録1「いろいろなカデンツ」

こちらは、全調のカデンツのみが掲載されています。

楽譜は、Ⅰ-Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ-Ⅰの、「基本形→第1転回形→第2転回形」の3つが1つの楽譜として載せられています。

練習法としては、1番最初のCメジャーの楽譜に下に「ⅤをⅤ₇に変えて練習しましょう」と書かれていますね。

本書の「はじめに」にも

次のいずれかの方法で挑戦してみてください。

  • ⅠⅣⅠⅤⅠ・・・・本書の通り
  • ⅠⅣⅠⅤⅤ₇Ⅰ・・・Ⅴ(属和音)の次にⅤ₇(属7の和音)を入れる。
  • ⅠⅣⅠⅤ₇Ⅰ・・・・Ⅴ(属和音)をⅤ₇(属7に和音)に置き換えて学習できます。

引用:『スケール・カデンツ&アルペジオ』はじめに「効果的に使用するために・・」より

とあります。

順番は、「2オクターブ」の部分と同じで長調→短調となっていて、それぞれ「調号なし→1つずつ増えていく」という形です。

⇩実際の楽譜。

付録2「12調の和声的短音階の主要三和音」

こちらは、題名そのまま、12の和声的短音階とその主要三和音がまとめられています。

♯系6つで1ページ、♭系6つで1ページです。

主要三和音の部分には、コードネームが書かれています。

また、Ⅴの和音はⅤ₇(属7の和音)になっています。

⇩実際の楽譜。

付録3「調の輪(五度圏)」

五度圏の表が、1ページを使って掲載されています。

表の見方の説明も書かれていますね。

⇩実際の楽譜。

関連記事五度圏表についてこちらの記事にも書いています。

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付録4「コード辞典」

こちらは、12の音、つまり・・

ド、レ♭、レ、ミ♭、ミ、ファ、ソ♭、ソ、ラ♭、ラ、シ♭、シ(実際は英語音名で書かれています)
の、
  • メジャー(長)
  • マイナー(短)
  • ディミニッシュ(減)
  • オーグメント(増)
  • ドミナントセブンス(属7)

のコード(和音)とコードネームが、1ページにまとめられています。

本書の「はじめに」には、

中学の音楽教科に文部科学省の学習指導要領にコードを使用した指導が盛り込まれました。ご活用ください。

引用:『スケール・カデンツ&アルペジオ』はじめに「効果的に使用するために・・」より

とあります。

⇩実際の楽譜。

付録5「スケールグレードの実施例」

「千里バスティン研究会」によるスケールグレードの例が載せられています。

内容は、

「導入」は、1オクターブのスケールとカデンツの12の長調が該当となります。

「初級」は、2オクターブのスケールとカデンツとアルペジオの全24調が該当となります。

引用:『スケール・カデンツ&アルペジオ』はじめに「効果的に使用するために・・」より

ということです。

「はじめに」によると、他に、中級、上級もあるようですね。詳しくは、「千里バスティン研究会」の「スケールグレード」のページをどうぞ。

付録6「スケールチャレンジ記録表」

こちらは、このテキストの練習記録をつけていくための表ですね。

例えば、ハ長調が弾けるようになったらその欄にシールなどを張っていく、といった簡単なものになっています。

表の下に「活用の仕方」が書かれていますが、「弾けるようになった」という基準を自分で決めて行う、ということですね。

その基準の例として・・

  • テンポのずれ
  • 左右のずれ
  • 指使いまちがい
  • 引き直し
  • スケールからカデンツの遅れ
  • ミスタッチ など

引用:『スケール・カデンツ&アルペジオ』「スケールチャレンジ記録表」より

とが挙げられています。

また、付録5のスケールグレードにも対応できるようになっています。

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『スケール・カデンツ&アルペジオ』必要最低限のシンプルな作り

この『スケール・カデンツ&アルペジオ』は、バスティンのメインテキスト『バスティンピアノベーシックス』のテクニック曲集として出されているものです。

英語版『スケール、コード&アルペジオ』の日本語版ですね。

なので、バスティンの他のテキストととの関係が書かれてはいますが、これ単独でも十分に使えると思います。

なんせ、本当にスケールとカデンツとアルペジオのみで、必要最低限の内容なので。

実際の楽譜の画像もいくつか載せましたが、紙面もとてもすっきりとして見やすくなっていると思います。

目次からして、各調名が並んでいるだけ、というすっきりさ。

「この調の音階ってどうなっているんだっけ?」なんてときにサッと調べる、という使い方もできますね。

解説や練習法など、いろいろ書いていあるのはちょっと・・という人にはとてもいいのではないでしょうか。

あわせてチェックスケールに関する他のテキストについても紹介しています。

『こどものおんかいれんしゅう』ピアノ導入期から使える音階テキスト
ピアノの練習に欠かせない音階練習ですが、このテキストは、ピアノを始めたばかりのころから使うことができます。指づかいを覚えることから始めて片手ずつ進んでいきます。そして、集中して自分の出す音をよく聴くことが大事にされています。
『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』調性の仕組みを分かりやすく総合的に学べる!
ピアノの演奏に調性の知識は必須だと考えていますが、それをとても分かりやすく学んでいけます。しかも練習法まで。モードやコードについても楽譜とともに説明されています。これから大いに使っていきたいと考えているテキストです。
『NEWこどものスケール・アルペジオ』子ども向けの分かりやすい音階テキスト
スケールに特化した内容のテキストです。子ども向けに分かりやすくまとめられていて、練習法も書かれ、読み仮名もついています。一人でも練習ができるようにと考えられているようです。全調載せられていますし、長く使える1冊ではないでしょうか。

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