音符を読むことをどうも面倒くさがってしまうレッスン生に、何かドリルを。
と考え、探して見つけたこの『やさしいトレーニング 譜読みチャレンジ』。
音符「だけ」を読むのではなく、「楽譜を読む」ことを意識して作られていて、そこが良いなと感じました。
全3巻のこのドリル。今回は、私が購入した第3巻について詳しくご紹介します。
『譜読みチャレンジ』全3巻の内容を簡単に
まず、1巻から3巻までの内容をザっとまとめてみます。
上にも書いたとおり、この『譜読みチャレンジ』は、音符を読むことのみに特化した内容のドリルです。
大きさは3巻とも菊倍判縦サイズで、2014年に株式会社デプロMPから出版されています。
3巻に分かれているのは、扱っている音域の違いによるものです。
- 第1巻・・・中央ドから上下に1オクターブずつ
- 第2巻・・・中央ドから上下に1オクターブ半ずつ
- 下:ドシラソファミレドシラソファ
- 上:ドレミファソラシドレミファソ
- 第3巻・・・ヘ音記号ト音記号ともに上下の加線2本分
- ヘ音記号:中央ドの上レミファ 下2オクターブ
- ト音記号:中央ドの下シラソ 上2オクターブ
音域以外にも、少し違いがあります。それは・・
- 1巻・・鍵盤と五線の位置関係に関する課題
- 2、3巻・・大譜表、例題曲を読む課題
- 3巻・・和音を読む課題
私が、よさそうなだなと感じたのは、2つ目に挙げた「例題曲を読む課題」があること。
例題曲というのは、つまりメロディーが書かれている本来の意味での「楽譜」ということです。
音楽を示したのが楽譜。
なので、ただ音だけを読んでいくものばかりではなく「楽譜」になっているものを多く読むことが大事だと考えています。
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『譜読みチャレンジ』第3巻の内容を詳しく
それでは中身を詳しく見てみます。今回は第3巻です。
1ページずつ48に分かれている
こちらのドリルは、1回1ページずつ進めていく構成になっています。
日付を書き入れる欄もありますね。
1ページに楽譜は4段。1段に7つの音符がランダムに並んでいます。
全部で48ページになり、少しずつ難しくなっていますね。音域が広がっていくということです。
進み方は次の様になっています。
- ト音記号
- ヘ音記号
- 大譜表
- 和音
まずは、ト音記号のみ、から。
- 中央ドからドレミで始まり、1オクターブ上まで1音ずつ増える
- 1オクターブ上のドまで来たら、そこからドレミ→+ファ→+ソと広がる
- 上の加線ラシド
- 下の加線シラソ
の順序で進みます。
次にヘ音記号へ入り‥
- 中央ドの1オクターブ下のドレミ→→中央ドへ向かって1音ずつ増える
- 上の加線レミファ
- 中央ドの1オクターブ下のドシラソファ
- 下の加線ミレド
ここまで進んだら、
- 大譜表を読む
- 和音を読む
という課題に入ります。
楽譜を読む課題は?
上に、このドリルは「例題曲を読む課題があるのが良い」と書きました。
こうした、実際の楽譜(メロディー譜)を読む課題はどのようになっているかというと・・
3ページに1ページの間隔で、例題曲を読む課題が入ります。
テストの様な位置づけになっていて、点数を書き入れる欄がありますね。
曲は、「ジングルベル」や「想い出のアルバム」、「アマリリス」、「アルプス一万尺」など。
なじみのあるものになっています。
全部で10ページ。1ページにつき1曲です。
書かれ方は、ト音記号の課題のところではト音記号、ヘ音記号の課題のところではヘ音記号の1段譜ですね。
大譜表、和音の課題について
課題の41ページから大譜表、45ページから和音になります。
大譜表4ページ、和音4ページですね。
大譜表の課題
大譜表の課題は、書かれ方が大譜表になっているだけです。
ト音記号部分ヘ音記号部分それぞれに、ランダムに音符の玉が並んでいます。
ト音記号部分とヘ音記号部分は、加線の数や音符の位置が対になっているのが特徴ですね。
例えば、
ト音記号部分の音符が中央ドから上へ「ド、ミ、ソ」となっていたら、へ音記号部分の音符は中央ドから下へ「ド、ラ、ファ」となっている
ということです。
和音の課題
和音の課題は、はじめの2ページはト音記号、あとの2ページはヘ音記号です。
ハ長調のスリーコード(ドミソ、ドファラ、シレソ、シファソ、ドミソ)を読むようになっています。
1段に5つ、1ページ4段になっていて、はじめのページの1段目は上に書いた順序、それ以降は並び方がランダムになっています。
『譜読みチャレンジ』第3巻 中身はこんな感じ
紙面の状況についてもまとめます。
音符を読む課題の部分は、1ページに楽譜は4段。1段に7つの音符がランダムに並んでいます。
大譜表は大譜表として2段ですね(バラバラにすると4段)。やはり音符は1段に7つです。
和音の課題は1ページに3段です。1段に5つの和音が書かれています。
音符は大きく、はっきりした色味で見やすいと思います。
かわいらしいイラストなどはありません。その分音符を大きくできる、ということかと思います。
『譜読みチャレンジ』第3巻まとめ 大人の初心者にも
いかがでしょうか。
楽譜屋さんで音符を読むためのドリルをいろいろと見てみると、1段の楽譜にランダムに音符の玉のみが並んでいる「数こなし型」が多い印象でした。
できるだけ「楽譜」を読んだ方がいいと思っている身としては、ウ~~ンと考えてしまい・・
そんな中こちらの『譜読みチャレンジ』が目に留まったんですね。
音符は大きくて見やすいし、何より、例題曲(メロディー譜)や大譜表を読む課題がある。
これはいいな、と思ったわけです。
子どもっぽい絵柄がついているわけでもなく、簡単すぎず難しすぎずの内容です。
(”ミッキーといっしょに”といった小さい子向けも多かった)
ドリルをやってもらいたいと思っていた生徒も大きな子で、子どもっぽくないものを探していました。
そういう意味からも、大人の方にもおすすめします。
(公開日:2018年8月10日 最終更新日:2024年10月25日)
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