何か曲を練習していて、スラスラと弾けるようになってきても、いつまでも弾けるようにならない苦手な所があったりします。
そんな時は「部分練習」が必要になりますね。
その、弾けるようになるための大事な「部分練習」。
何に気をつけて、どんな風に練習すればいいのか。
そのあたりをまとめてみます。
「部分練習」はどこが弾けないのかはっきりさせて!
いつも決まって止まってしまう、間違えてしまう。
そんな時は、そこだけを取り出して部分練習をします。
でも、私の教室へレッスンに来ている子どもたちを見ていると、いったい自分はどこが弾けないのか、よく分かっていないように思うことがあります。
ここら辺ということは分かっていても、”ここら辺”のどこなのか。
この音なのか、その音なのか・・・
なんで間違えるのか。
指使いがマズイのか、音が飛んでいるから外してしまうのか・・・
新しい曲に入ったばかりで、スラスラとはいかない状態だと、特に訳が分からなくなっています。
弾けないところだらけなので。
例えば・・ある日のレッスンで
この曲のテーマとなる、始めの8小節を練習中。
まだまだ曲に慣れていない状態で、つっかえつっかえ弾いています。
それでも、初めて弾くわけではないので、間違えやすい部分が決まってきていました。
でも、本人は弾くのに必死でそんなことまで気が回っていない。
そこで、どこを間違えているのか、私からはっきりと伝えました。
3小節目から4小節目に移るところの左の音を間違えちゃうね。
これは、音が飛んでいるからだよね。
だって、1と2の指でシとドをの和音を弾いて、すぐに低いソを弾かないといけないもんね。
といった具合。
「ここの部分がこうなっているから間違えてしまう」ということを、明確に認識してもらう必要があると考えています。
本人がしっかり分かっていないと、部分練習をしてもあまり意味がないんじゃないかと。
スポンサーリンク
「部分練習」の方法~何をするべきかを意識し、弾けないところだけを弾く
弾けていない部分をはっきりさせたら、とにかくそこだけを弾いてもらうようにします。
何ができていないのか、をしっかり認識
その時、
- 何ができていないのか
- 何をするべきか
をしっかり認識して弾くことが大事です。
上に挙げた子の場合は・・・
左手で、シドの和音から1オクターブ下のソへ移るのが難しい。
5の指で確実にソをとらえる必要があります。
手をしっかり開いてソへ移る、その手を開く感覚を感じながら弾くことが大切です。
その部分だけを弾く
部分練習の範囲は、できるだけ狭くします。できていないその部分だけを弾きます。
この例の場合、
これだけを何度も弾きます。
- どの程度手を広げればいいのか
- いつ開けばいいのか
手の感覚を鋭敏にし、感じ、考えながら弾きます。
シドの和音も、フニャフニャな音になってはいけません。
少し慣れてきたら、弾く範囲を広げます。
広げるのは前の2,3小節で、外しがちなソの音までで止めます。
これをまた何度も弾きます。
スムーズに弾けるようになってきたら、その部分を含む大きな曲の区切りまでと範囲を広げ、最終的には、始めから通して弾くようにします。
「部分練習」が苦手⁉流れで弾いてしまいがちな子どもたち
1カ所間違えると、何小節も戻って弾きなおす。
中には、最初まで戻る子もいますね。
小さな子は特にそうしがちだな、という印象があります。
今間違えたところに行きつくまでに、また別のところで間違えてしまって、また戻ってやり直して・・
新しい曲に入ったばかりのころに、そうする傾向があります。
まだ、曲が自分の中にしっかり定着していないからでしょうか。
関連記事→「はじめから弾きなおす」のはなぜか考えてみました。
でもこれは、手癖で弾くことにつながります。
曲の流れを手に覚えさせる。何にも考えずに。
曲が複雑になってくると、対応できなくなる恐れがありますよね。
自分の苦手な手の動きをしっかり意識して弾くことは、上達への近道でもあります。
しっかり意識して弾くために、これ以上分けられないところまで細かくして、そこのみ弾く。
「部分練習」のポイントは、そこではないかなと思っています。
(公開日:2016年9月8日 最終更新日:2024年3月13日)
関連記事→間違えると始めから弾きなおすのはなぜか考えてみました。
コメント