とても良いピアノ導入教材だと思っていて、紹介記事も書いています。
詳細記事→『トンプソン現代ピアノ教本』第1巻をこちらで詳しく紹介しています。
今回は、掲載されている曲を紹介します。
全50曲のうち、14曲を選んで演奏してみました。
1番初めと1番最後の曲。そして、3~4曲ほど間をあけてピックアップしています。
1冊の進み方がなかなか速いこの教本。実際の曲はどんな感じなのか・・。
参考にしていただければと思います。
はじめの16曲の中から‥
全50曲を単純に3つに分け、16曲、17曲、17曲とします。
まずは、はじめの16曲から5曲です。
手の位置(ハ長調)フレーズ「ピアノのくに」
まえがきや本書の説明等のページが終わって、さあレッスンに入りましょう!となった最初の曲が、この「ピアノのくに」です。
右手、中央ドからドレミファソ、左手は1オクターブ下のドレミファソ。
「ハ長調での5本の指の位置」という説明があり、この場所で弾くことになります。
テーマは、「フレーズ」です。ページの下部に説明文があります。
8小節の曲ですが、4小節ずつスラーがかかっていて、「第1フレーズ」「第2フレーズ」となっています。
音の明暗「白鳥」
5番目の曲は「白鳥」です。
急に長くなり、32小節あります。
テーマは「音の明暗」。
この曲から、強弱記号やModerato、legato、rit.といった音楽を色彩豊かにする記号が登場することになります。
うまく「明暗」がつけられているでしょうか・・。
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民謡の調べ「パーティーごっこ」
9曲目の曲になります。
テーマは「民謡」。
”古いフランスの子どものうた”とあり、フランスの民謡ということですね。
ページの上部の文章には、
「有名な作曲家の作ったものばかりが美しいメロディーということではないよ‥」
といったことが書かれています。
この曲はアウフタクトです。
「アウフタクト」という言葉は出てきません。
ページの下部に
「メロディーは、1小節の中のいろいろなところから始まります。」
という表題で、演奏の注意点もまじえて説明がされています。
また、1番最後に左手が和音になっていますが、和音はこの曲が初登場です。
ハーモニーのパターン(左手)「カッコーさん」
12曲目、「カッコーさん」です。
テーマは「(左手の)ハーモニーのパターン」。
ということで、左手部分の音の動きに注目するようになっています。
この曲はト長調です。
ト長調は、すでに7曲目「キャンデー」で登場しています。
ハ長調の下降音階「鐘の音」
14曲目の「鐘の音」です。
テーマは、ハ長調の音階の「下降」ということですね。
右手→左手と弾き継いでいく形で弾きます。
途中2オクターブにまたがる部分があり、そこはクロスハンドになります。
この曲は、ページの下部に「ペダルを踏みっぱなしにして弾いてごらん」といったことが書かれています。
そうすると、教会の鐘の音のように聴こえる、ということです。
演奏動画ではペダルは踏んでいません。
この部分の文章、書き方がちょっと面白くて・・
「先生はきっとペダルを使ってはいけないというでしょう。でもこの曲だけは特別だよ。」
という感じで書かれています。
ペダルを踏むということがどういうことか、音はどのようになるのかをよ~く聴きましょう、ということですね。
中間の17曲の中から
それでは、17曲目~33曲目の中から、5曲を紹介します。
初めての演奏会用の曲「妖精のハープ」
18曲目、「妖精のハープ」です。
「初めての演奏会用の曲」となっていて、少々長め(48小節)で少々難しいかな。
和音はアルペジオで弾くようになっています。ページの上部に弾き方の説明があります。
この曲で初登場ということですね。
また、クロスハンドも出てきます。
クロスハンド初登場は、上に挙げた「鐘の音」です。
新しい手の位置(イ長調)「春の口笛」
21曲目の「春の口笛」です。
初登場「イ長調」のための曲ですね。
このテキストの調の進め方は、♯→♭の順に1つずつ増えていきます。
イ長調は♯3つ。
ということは、この曲の前に、すでに「ハ長調→ト長調→ヘ長調→ニ長調」の順で4つの調が出て来ている、ということですね。
曲の最後の部分が、面白い、というか、難しい、というか。
特徴的でいい感じなんですが、8小節をずっとクロスハンドで弾くことになります。
スタカート「きつつき」
25曲目になります。「きつつき」です。
テーマは「スタカート」。
きつつきの、トトトト・・という音をスタッカートで表現するということですね。
スタッカート初登場の曲です。
ページの上部に弾き方の説明があります。
新しい手の位置(変ロ長調)「夜のうた」
29曲目「夜のうた」です。
テーマは「変ロ長調」。
♭2つで、両手とも1オクターブ違いの「シ♭ドレミ♭ファ」の位置で弾きます。
ということは、右1の指、左5の指が黒鍵担当になりますね。
ちょっと弾きづらいかも。
右は、弱いといわれる4の指も黒鍵になりますし。
この曲は「夜のうた」、つまり「ノクターン」で、ノクターンの説明も書かれています。
8分の6拍子(ト長調)「歌うねずみ」
32曲目の「歌うねずみ」です。
テーマは8分の6拍子。
8分の6拍子は、2曲前の「青がんばれ」という曲が初登場です。
()で「ト長調」とも書かれていますが、これはすでに出てきています。
1曲前がヘ長調の8分の6拍子になっていて、今度はト長調で弾きましょう、ということですね。
最後の2小節のみ、1オクターブ高くなっているのが特徴的ですね。
終わりの17曲から
最後の17曲、34曲目~50曲目ですね。
その中から、4曲紹介します。
シンコペーション「スペインのフィエスタ」
36曲目。「スペインのフィエスタ」です。
テーマはシンコペーション。ページの上部に詳しい説明があります。
上に紹介した「妖精のハープ」、紹介はしていませんが24曲目の「妖精の宮殿」とともに、「発表会用の曲」となっています。
新しい手の位置(変ホ長調)「小さなボウピープ」
41曲目。「小さなボウピープ」です。
テーマは「変ホ長調」。♭3つの調ですね。
これまでは、新しい調が出てきたときの手の位置は、その調のはじめの5音に置くようになっていました。
ですが、この曲では「左シ♭ドレミ♭ファ、右ファソラ♭シ♭ド(ファは左右で重なります)」の位置で弾くようになっています。
「変ホ長調」のはじめの5音は「ミ♭ファソラ♭シ♭」。
片手の中に黒鍵3つになるのは弾きにくいから、ということでしょうか。
実は、「変イ長調」の曲、48曲目の「摩天楼」も、はじめの5音ではなく「左ファソラ♭シ♭ド、右ドレ♭ミ♭ファソ」となっています。
片手の黒鍵2つの形ですね。
特徴のある音楽を理解して弾く「特急列車」
47曲目の「特急列車」です。
「特徴のある曲を弾く」というのがテーマですね。
特急列車が出発して駅に到着するまで、を表現した曲になっています。
16分音符「ジョン・ピール」
1番最後、50曲目の曲「ジョン・ピール」です。
テーマは16分音符。この曲で初めて出てきます。
さすがに最後の曲。結構難しいですね。
16分音符、ということだけではなく、はじめに弾く位置を確認しての五指固定では弾けません。
そのことは、ページの上部にも書かれています。
曲の途中で5指をそのまま移動させる、という形は、すでに何度も出てきています。
ですが、そういうレベルでもなく音が飛んでいます。
すぐ前の曲と比べても、急にレベルアップした感じですね。
まとめ
いかがでしょうか。
テキストの紹介だけでは、実際どのくらいのレベルまで進むのかが分かりにくいと思い、動画を撮ってみました。
テキスト選びの参考にどうぞ。
(公開日:2019年7月23日 最終更新日:2024年7月23日)
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