ピアノテクニック教本『初歩のピアノ練習曲集①』から、12曲を選んで弾いてみました。
この曲集、練習の目的がはっきりと記されているので、それを元にいろいろな内容のものになるよう選んでみました。
初心者向けの練習曲集ってあまりないように思います。バーナムに席巻されているというか・・
参考にしていただければ嬉しいです。
関連記事→『初歩のピアノ練習曲集①』の楽譜をこちらで詳しく紹介しています。
№1~№16の中から4曲
この曲集は難易度順に並んでいます。
なので、全50曲を3つに分けてそれぞれの中から数曲ずつ紹介していきます。
まずは、№1~№16から4曲です。
№1「ハ長調のレガート奏」
いちばん簡単な№1と一番難しい№50は紹介することにしました。
なので、まずは№1から。
作曲者はツェルニー(1791~1857)。出典は『100のレクリエーション』。
「ハ長調のレガート奏」がテーマになっています。
Moderato、2/4拍子です。リピート記号が2か所ありますが、弾いていません。
五指固定で弾けますが、リピートなしで24小節。1曲目から長めです。
№7「6/8のレガート奏法」
次は№7です。
作曲者はベレンス(1826~1880)。出典は『初歩者のための50の小品集』op.70。
「6/8のレガート奏法」がテーマです。
4小節の短い曲です。
「原曲は3/4拍子」という註釈があります。もともと練習曲としてつくられたものではないようですね。
出典も「~~小品集」となっていますし。
№10「カノン」
次は№10です。
作曲者はグルリット(1820~1901)。出典は『小さなピアニストへの第一歩』op.82。
テーマは「カノン」です。
4/4拍子、moderatoです。8小節ずつでリピートがありますが、していません。
五指固定で弾けますね。全部で16小節です(リピートなし)。
№15「スタッカートとレガート(テーマとバリエーション)」
最後は№15です。
作曲者はフンメル(1778~1837)。出典は記載がありません。
テーマは「スタッカートとレガート(テーマとバリエーション)」となっています。
すべて全音符の8小節のテーマと3つの変奏、という構成になっています。
それぞれリピートすることになっていますが、していません。
五指固定で弾けますが、左が結構動きますね。
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№17~№33の中から3曲
中間部分に入ります。
3曲選びました。
№20「カノンの動きと短調への移調」
まずは、№20です。
作曲者はブレスラウアー(1836~1899)。出典の記載はありません。
テーマは「カノンの動きと短調への移調」です。
ハ長調からハ短調へ移調していますね。
ハ長調の方は強弱記号pのみですが、ハ短調ではmf→pとなっていて、違う弾き方をするよう指示されています。
№26「タイによるバス保持」
次は№26です。
作曲者はグルリット(1820~1901)。2曲目です。出典は「旋律的な小練習曲集」op.187です。
テーマは「タイによるバス保持」です。
左右どちらも五指固定では弾けなくなりました。
右のスラーは長め、左はバス保持しながらスラー短め。ちょっと難しいかも。
№30「アウフタクトのある2声」
最後は№30です。
作曲者はテュルク(1750~1813)。出典の記載はありません。
テーマは「アウフタクトのある2声」です。
8小節の短い曲です。
ホ短調、Adagio、pp→pとなっています。
バロック音楽だと思って弾かなくてはいけませんね。
№34~№50より5曲
最後になりました。
5曲選んでいます。
五指固定では弾けなくなり、難しくなってきました。
№34「休符のあるスケールのレガート奏」
まずは、№34です。
作曲者は、またまたグルリット(1820~1901)。3曲目・・。ちょっと偏ってしまったなぁ。すみません。
出典は『はじめてのピアノレッスン』op.117です。
テーマは「休符のあるスケールのレガート奏」です。
16小節で8小節ずつリピートがありますが、していません。
大きくスラーがかかっていて、流れるように弾く練習ですね。
№37「右手1指の柔軟と転調」
次は№37です。
作曲者はベルティーニ(1798~1876)。出典は『初級練習25曲集』op.166です。
テーマは「右手1指の柔軟と転調」となっています。
曲、長めです。見開き2ページ32小節ありますね。
ハ長調からホ短調への転調ですが、調号はありません。
№42「左手のメロディー奏と右手の和音伴奏」
次は№42です。
作曲者はまたグルリット(1820~1901)。出典は『旋律的な小練習曲集』op.187です。
テーマは「左手のメロディー奏と右手の和音伴奏」。
こちらも32小節。1ページ5段+2ページ目1段で納られています。
ずっと左手メロディーですね。
№46「アーティキュレーションと小さな転調」
次は№46です。
作曲者はケーラー(1820~1886)です。出典は『やさしい練習曲』op.190です。
テーマは「アーティキュレーションと小さな転調」です。
イ短調⇒ハ長調⇒ホ短調⇒ハ長調⇒イ短調かな?次々転調しています。
なんだかかわいらしい曲ですね。
№50「半音階を含んだスケール」
最後の曲№50です。
作曲者は、ライネッケ(1824~1910)。出典の記載はありません。
テーマは「半音階を含んだスケール」となっています。
1カッコ2カッコとなっているので、今回はリピートしました。
最後の曲なので、この曲集で1番難しいということになるかと思います。左手もしっかり動きますしね。
まとめ 練習曲っぽくない
選んだ基準として、いろいろなテーマのものになるようにと考えました。
気が付いたらグルリットが4曲もあった・・。これはちょっと偏っていますね。すみません。
曲集の最終ページに出典が載せられていて、ここに書かれているものは書き入れました。
練習曲としてつくられたものがほとんどだと思いますが、そうではないものもあるようです。
調も様々ですし、強弱記号、アーティキュレーションもどの曲にもつけられています。
なので、一つの曲としてきちんと弾くことが大事かなと思いますし、そうしやすいのではないかな。
練習曲として考えるとちょっと長めかなと思いますし、そのあたりがどうかなと思いますが。
いかがでしょうか。
(公開日:2018年5月19日 最終更新日:2024年1月24日)
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