近・現代の作品を集めたピアノ楽譜『ぷち あ・ら・かると』を紹介します。
難易度は、ピアノを始めてしばらくたったくらいの「初級者」向けの曲集です。
副題に「発表会ピアノ小品集」とあり、発表会などちょっと特別な場面で演奏することが想定されています。
収載曲は、近・現代のそれほど知られていない作曲家の作品が主。
私自身「へ~おもしろい」「あ~いい曲だなぁ」と思う曲が多く、発表会の選曲でみなさんに紹介しています。
『ぷち あ・ら・かると』特徴は3つ
全部で34曲のピアノ小品が収められている、この『ぷち あ・ら・かると』。
特徴は以下の3つに集約されると思います。
- ロマン派から近現代の頃の曲
- 様々な国の作曲家による曲
- 知られざる曲
ロマン派から近現代の頃(19世紀後半~20世紀)の曲
34曲すべてが、1800年代後半から1900年代に活動した作曲家による曲です。
最も古い時代の人が、1820年生まれのグルリット。
最も新しい時代の人は、1938年生まれの平吉毅州さんです。
様々な国の作曲家による作品
曲の掲載順に見ていっても、「オランダ、日本、イギリス、アメリカ、ドイツ、グルジア・・・」様々なのが分かります。
⇩全部で16の国の作曲家が登場します!
2.日本
3.イギリス
4.アメリカ
5.ドイツ
6.グルジア
7.ハンガリー
8.ロシア
9.スイス
10.フランス
11.オーストリア
12.ブルガリア
13.チェコ
14.イタリア
15.ハンガリー
16.ベルギー
知られざる曲にこだわって
この曲集は、あえてあまり知られていない曲を集めたということです。
はじめに以下のように書かれています。
日本で初めて紹介される楽曲やあまり知られていない楽曲がほとんどですが、どの作品にも音楽のエッセンスがぎゅっと詰まっています。
作曲家も無名な人がほとんどではないでしょうか。
私が知っていたのは・・グルリット、バルトーク、林光さん、平吉毅州さん、くらいです。
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『ぷち あ・ら・かると』曲の難易度は?順番は?
全体的な難易度は、自分で弾いてみた感じ、ブルクミュラーくらいかなと思います。
曲の難易度、曲順は?
カワイ出版の楽譜紹介ページには「カワイグレード12~10級に相当」とあります。
カワイグレードでは、12~10級を「学習中期」と位置付けているようです。
「学習中期」とは、「ピアノ学習の基本を習得する時期」とされていて、そうしたことからも、バイエル後半~ブルグミュラーくらいかと思われます。
曲順は、易しいものから難しいものへと、ほぼ難易度順に並んでいるのではないでしょうか。
はじめの数曲が最も簡単かと思います。
1曲の長さは?
34曲中17曲が見開き2ページです。半ページ13小節という曲が1曲あります。
最も長くて3ページ。3曲ありますね。
『ぷち あ・ら・かると』楽譜の見やすさは?
この『ぷち あ・ら・かると』、楽譜は少々小さめかなと思います。
五線の幅は7㎜で、大譜表としては、2.5㎝~3㎝くらい。(曲によって違います)
1段に5小節。1ページ5段がほとんどですね。
五線の幅7㎜の楽譜というのは、狭い方だと思います。
音符の”玉”もそれほど大きくなく、色も濃くありません。
ブルクミュラーの楽譜でも、とても大きなものもありますよね。
それを考えると、もう少し大きく見やすくてもいいのかな・・と思ったりしました。
いかにも”子ども向け”、という感じではない、ということですね。
『ぷち あ・ら・かると』掲載曲一覧
掲載されている曲を表にしました。作曲者と出身国をまとめています。
(リンク先は演奏動画です。私が弾いています。)
題名 | 作曲者(国) | |
---|---|---|
1 | おどり | H.バーディングス(オランダ) |
2 | メロデイー | 林光(日本) |
3 | 小犬と遊ぶ | 清瀬保二(日本) |
4 | 春の朝 | M.ドリング(イギリス) |
5 | 夕べの歌 | C.T.グリフィス(アメリカ) |
6 | あそび | A.カース(イギリス) |
7 | ガヴォット | C.グルリット(ドイツ) |
8 | 子ヤギ | D.ヴィクトル(グルジア) |
9 | 遊び | B.バルトーク(ハンガリー) |
10 | 春が来た | I.ベルコヴィッチ(ロシア) |
11 | おまわりさんとどろぼう | S.ストラヴィンスキー(スイス) |
12 | お人形がおしゃべりするよ | T.ラック(フランス) |
13 | 気がかり | R.フックス(オーストリア) |
14 | ポルカ | M.Ⅰ.グリンカ(ロシア) |
15 | 大きなくまがやってくる | A.ライチェフ(ブルガリア) |
16 | ある雨の日 | K.スラヴィツキー(チェコ) |
17 | ボヘミアのおどり | K.スラヴィツキー(チェコ) |
18 | 小さな物語 | S.マイカパル(ロシア) |
19 | ミスター・パンチ | A.ローリー(イギリス) |
20 | ブレ | P.M.デュボワ(フランス) |
21 | 田舎の夕暮れ | 佐藤敏直(日本) |
22 | ぜんまいじかけの列車 | A.カース(イギリス) |
23 | サクランボの唄 | T.チェッケリーニ(イタリア) |
24 | 冬のおはなし | A.ツィブルカ(ハンガリー) |
25 | かめ | C.スコット(イギリス) |
26 | テオおじさんが車を修理している | W.ニーマン(ドイツ) |
27 | 赤ちゃんが歩く練習をしている | W.ニーマン(ドイツ) |
28 | 小さな水夫のうた | S.プレ(フランス) |
29 | ガルベを鳴らして結婚式 | S.プレ(フランス) |
30 | いたずら好きな女の子 | A.グレチャノフ(ロシア→アメリカ) |
31 | 金色の魚のダンス | A.グレチャノフ(ロシア→アメリカ) |
32 | メヌエット | L.レヴィ(ベルギー→フランス) |
33 | 小さな黒い犬 | M.ガビュ(フランス) |
34 | こびとのおどり | 平吉毅州(日本) |
『ぷち あ・ら・かると』まとめ おとなの方にもぜひ
難易度もそれほど高くなく、曲調もゆったりしたものからにぎやかで楽しいものまで様々。
大人のピアノ愛好者の方にもお勧めしたい曲集です。
ちなみに、私が個人的にいいな~と思った曲は・・
です。(リンク先は演奏動画です。私が弾いています。)
関連記事→『ぷち あ・ら・かると』から6曲選んで演奏してみました。
ぜひ手に取って楽しんでください。
(公開日:2017年6月23日 最終更新日:2024年7月18日)
関連記事→こちらの記事でも『ぷち あ・ら・かると』紹介しています。
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