個人事業主であるピアノの指導者は、多少体調が悪くても仕事はお休みにしたくないものです。
でも、インフルエンザやコロナに罹ってしまったら!
これでは、生徒たちへの感染を防ぐために、一定期間お休みにしなければいけませんね。
何日間休むべきか、どう対応すべきか少々迷い、悩みました。
その時の経験を、自分自身の病状も含めて詳しくまとめてみます。
この記事は主にインフルエンザについて書いていますが、コロナウィルスでも考え方は同じ!
少し補足しています。
参考になるかと思います。
インフルエンザはけっこう怖い・・風邪とは違う!
まずは、インフルエンザとは?ということから。
インフルエンザの主症状は、発熱やのどの痛み、咳など、風邪とよく似ています。
でも、風邪とは違うものだということを知っておかなければいけません。
インフルエンザってどんな病気?
インフルエンザ(influenza)は、インフルエンザウイルスを病原とする気道感染症であるが、「一般のかぜ症候群」とは分けて考えるべき「重くなりやすい疾患」である。
(中略)
インフルエンザは、いまだ人類に残されている最大級の疫病である。
NIID国立感染症研究所「インフルエンザとは」
「疫病」なんて言葉を聞かされると、ちょっと怖くなります。
軽く考えていてはいけない、ということですね。
症状が風邪より明らかに重い、ということはよく言われます。
具体的には、以下のようなものです。
A型またはB型インフルエンザウイルスの感染を受けてから1~3日間ほどの潜伏期間の後に、発熱(通常38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが突然現れ、咳、鼻汁などの上気道炎症状がこれに続き、約1週間の経過で軽快するのが、典型的なインフルエンザで、いわゆる「かぜ」に比べて全身症状が強い。
NIID国立感染症研究所「インフルエンザとは」
私自身は、熱とともに体中が痛くなることから始まり、のどの痛みと鼻汁がひどかったですね。
それと、胃の不快感。
熱が下がっても何日かは気持ち悪さが治まらず、食欲もなく、2㎏ほど痩せました。
今回罹ったのはB型。消化器系に症状が出やすいんだそうです。
こうした「全身症状が強い」というのが、何とも辛いところです。
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インフルエンザで死亡!もあり得ること
インフルエンザによって亡くなってしまう、ということもあります。
特に幼児と高齢者は注意が必要、とはよく言われますね。
実際、インフルエンザによる死亡はどのような状況なのでしょう。
特に高齢者や、年齢を問わず呼吸器、循環器、腎臓に慢性疾患を持つ患者、糖尿病など代謝疾患、免疫機能が低下している患者では、原疾患の増悪とともに、呼吸器に二次的な細菌感染症を起こしやすくなることが知られており、入院や死亡の危険が増加する。(中略)
近年、幼児を中心とした小児において、急激に悪化する急性脳症が増加することが明らかとなっている。(中略)
毎年50~200人のインフルエンザ脳症患者が報告されており、その約10~30%が死亡している。
NIID国立感染症研究所「インフルエンザとは」
高齢者に限らず、原疾患のある人は注意が必要だということですね。
65歳以上の高齢者と60歳以上65歳未満の原疾患のある人は、「定期予防接種二類」として、接種が奨励されているようです。
そして、幼児のインフルエンザ脳症。この患者数と死亡率の高さは、少々驚きます。
インフルエンザの総患者数と死亡者数は、以下のようになっています。
Q10.通常の季節性インフルエンザでは、感染者数と死亡者数はどのくらいですか。
例年のインフルエンザの感染者数は、国内で推定約1000万人いると言われています。
厚生労働省「新型インフルエンザに関するQ&A」より、Q.10
国内の2000年以降の死因別死亡者数では、年間でインフルエンザによる死亡数は214(2001年)~1818(2005年)人です。
また、直接的及び間接的にインフルエンザの流行によって生じた死亡を推計する超過死亡概念というものがあり、この推計によりインフルエンザによる年間死亡者数は、世界で約25万~50万人、日本で約1万人と推計されています。
「超過死亡」は世界保健機構(WHO)が提唱している概念で、以下のようなものです。
超過死亡とは、インフルエンザが流行したことによって、インフルエンザ・肺炎死亡がどの程度増加したかを示す、推定値である。この値は、直接及び間接に、インフルエンザの流行によって生じた死亡であり、仮にインフルエンザワクチンの有効率が100%であるなら、ワクチン接種によって回避できたであろう死亡数を意味する。
NIID国立感染症研究所「インフルエンザ・肺炎死亡における超過死亡について」
つまり、インフルエンザが直接的な原因ではないけれど、インフルエンザが引き金になって死亡したと思われるケースを含めた死亡者数、ということですね。
日本国内だけで毎年約1万人いる!という現実・・
これを見ると、やはり、罹ってしまった場合は「人にうつさないこと」を徹底すべき!と思います。
これは、罹ってしまった人の「義務」ではないかと。
インフルエンザの感染力がなくなるまでは何日かかる?
インフルエンザの感染経路は、飛沫感染、接触感染ですよね。よく知られていることです。
なので、予防のためにもできるだけ人混みには行かないこと、と言われます。
同時に、人にうつさないためにも人混みに行かない、つまり、人に会わないようにすることが必要になりますね。
ということは・・・
生徒たちにうつさないためには、感染力がなくなるまではレッスンお休みにしなければいけません。
では、感染力がなくなるのは、いつなんでしょう。
大人も「学校保健安全法」による出席停止期間に準じるべき
インフルエンザは「第二種感染症」と分類されていて、保育園幼稚園、そして学校では、罹ると休まなければいけない期間が決まっていますよね。
2024年7月現在では、
「発症した後(発熱の翌日を1日目として)5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」
となっています。
2012年の一部改正でこのように変わったということですが、それまでは「解熱した後2日を経過するまで」ということのみだったようです。
これは、「『発症後5日を経過した後になるとウイルスがほとんど検出されなくなる』という実験・臨床研究における報告がなされている」ことによるものだということです。
参考→学校保健「特集養護教諭のお仕事 第7回 学校感染症による出席停止」より
社会人になってしまうと、会社ごとに就業規則などで定めることになり、それぞれの判断ということになります。
個人事業主であるピアノ指導者は、当然自分自身で判断しなくてはいけませんね。
いつの時点で「治った」とし、レッスンを再開するのか。
やはり、上記した「学校保健安全法」に定められている期間に準じるのがいいのではないかと思いました。
新型コロナウィルスについても2023年5月から「第二種感染症」に位置付けられました。
出席停止期間は
「発症した後五日を経過し、かつ、症状が軽快した後一日を経過するまで」
となっています。
*「症状が軽快」とは、解熱剤を使用せずに解熱し、かつ、呼吸器症状が改善傾向にあることを指します。
参考→学校保健安全法施行規則の一部を改正する省令の施行について
私の実際の病状とレッスンの対応
で、私は実際どうしたのか。そして、レッスンをどうしたのかをまとめてみます。
私の場合の経過
私の病状と経過を、表にしてみました。
我が子からの感染だったので、その状況をまとめています。
曜日 | 私及び子どもの病状 | 発症、解熱日数 | レッスンの状況 |
土 | 子:午後発熱 | ||
日 | 子:インフルと診断 | 子:発症1日目 | |
月 | 私:夕方発熱、全身症状 子:完全解熱 | 子:発症2日目 | 木曜日までレッスン休止の連絡を入れる |
火 | 私:熱あり | 子:発症3日目、解熱1日目 私:発症1日目 | |
水 | 私:熱あり | 子:発症4日目、解熱2日目 私:発症2日目 | |
木 | 私:いったん解熱後再発熱 | 子:発症5日目、解熱3日目 私:発症3日目 | 土曜日までレッスン休止の連絡を入れる |
金 | 私:完全解熱 | 子:完治 私:発症4日目 | |
土 | 私:熱なし | 私:発症5日目、解熱1日目 | |
日 | 私:熱なし | 私:発症6日目、解熱2日目 |
子どもはすぐに熱が下がり、当時保育園だったのですが、欠席は最短の木曜日までで大丈夫だろう、と考えました。
つまり、金曜日からは保育園へ行かせ、レッスン再開できると考えたのです。
なので、月曜日の時点で「木曜日までレッスン休み」の連絡を入れました。
なのに、私が発症してしまい、熱が下がらない!
大人の場合はいつ治ったと考えればいいのか・・熱さえ下がれば大丈夫なのか・・
早くレッスン再開しなければ、という焦りがあり、悩みました。
すっかり元気でわがまま放題の我が子を横目に、「体しんどいな~~」と思いながら、ネットで調べる毎日。
やっぱり、学校の基準に準じるべきかなぁ。マスクすればいいんじゃないかなぁ。
レッスンの多く入っている土曜日には再開させたいなぁ‥
木曜日に一旦熱が下がった時には、これなら土曜日からはいいのでは、と思いましたが、夕方再び発熱。
これで、もう今週はダメだ、と思いました。
上記の、学校の出席停止期間に照らし合わせると、私が「治った」といえるのは、次の週の月曜日、ということになります。
発症してちょうど5日目の土曜日は、まだうつしてしまう可能性があったということですよね。
熱が下がったからといって、土曜日に再開させなくてよかったと思っています。
振り替えレッスンで対応
結局1週間レッスンをお休みしてしまったわけですが・・
今回のような指導者都合でのレッスン休止は、できるだけみなさんの要望に沿った形で振り替えレッスンを行うことを基本としています。
たまたますぐに、年間レッスン回数を調整するためのお休み週間があったので、そこを振り替えレッスンに充てることができました。
でも、教室行事を控えていたので、それまでにレッスンができなくなってしまった子は、こちらから少々無理を言って早めに振り替えを入れていただきました。
みなさん快く対応してくださって、感謝感謝です。
中には、どうしても都合がつかないというご家庭も。
そうした場合には、1回分のレッスン料を返金しました。
今回の教訓
インフルエンザに罹ってしまったなんて、いったい何年ぶりだろう・・。
風邪とは別に考えたほうがいい、という認識はあったので、生徒たちにうつさないようにするためにどうすればいいのか、いろいろと考えることができました。
軽く構えていたら、土曜日からレッスンしてしまっただろうな・・
これからも、インフルエンザにかかってしまうことはあるでしょう。
でも次は、悩むことなくしっかりと対応できる自信が付きました。
その後、コロナウィルスに感染してしまいましたが、この経験をもとに、悩むことなく早めにみなさんへ連絡を入れ、きちんと対応することができました。
子どもが病気になる。そして、うつる。
子どもが小さいときは、これまでもいろんな病気をもらい、私病弱になった??と思ってしまうこともありましたが、これはもう宿命ですね。
なんてったって、小さな子の子育て中は、自分の顔の真ん前でくしゃみや咳をされる!吐いた物をとっさに素手で受け止めちゃう!なんてこともするんです。
一般の人より、浴びるウィルスの量が違う!
いくら注意をするとしても、限界があると感じています。
だとすれば、あとできることは、病気になってしまった時に通ってくださっているご家庭に対していかに誠意ある対応をするか、ということだと思います。
今回のことを教訓に、より一層うつらないよう注意することとともに、素早くきちんとした対応をするようにしなければ、と強く思いました。
(公開日:2017年3月25日 最終更新日:2024年7月4日)
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