『NEWこどものスケール・アルペジオ』子ども向けの分かりやすい音階テキスト

テクニック教本

ピアノの練習で、スケールやアルペジオをキレイに弾けることは、とても大事だと考えています。

ピアノ弾き必携(?)の指練習テキスト『ハノン』にも、スケールとアルペジオのページがありますね。

『ハノン』はまだ早い。子ども向けのスケールとアルペジオに特化したテキストは・・と探す中、こちらの『こどものスケール・アルペジオ』を見つけました。

楽しいイラスト付きで、調号を書き込むことができて、予備練習のページがあって・・と分かりやすく丁寧な作りになっています。

以下に詳しくご紹介します。参考にどうぞ。

今回ご紹介するのは、2019年に出版された改訂版の『NEWこどものスケール・アルペジオ』です。

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『NEWこどものスケール・アルペジオ』2部構成になっている

NEW こどものスケール・アルペジオ

本書は、2部構成になっています。

  • 1オクターブのスケール(カデンツ)とアルペジオ
  • 2オクターブのスケール、カデンツ、アルペジオ

という形ですね。全調を学ぶようになっています。

ひとつづつまとめていきます。

前半部分・・1オクターブのスケール(カデンツ)とアルペジオ

まずは、1オクターブから始まります。

この前半の部分も、大きく分けて「スケール」と「アルペジオ」の2つになっています。

スケール

まずは1オクターブの「スケール」から。

「スケールのじゅんび」①②

実際に”○長調”といった形に入る前に、「スケールのじゅんび」というページが①②の2つに分かれてあります。

①は、手の体操と、ハ長調の始めの5音をⅠとⅤ₇の和音と共に弾いて響きを感じようというもの。

②は、1オクターブのスケールを弾くために必要になる、指くぐりの練習です。両手で反行する形と平行する形で弾きます。

「五度圏」

次は「五度圏」の表です。

表になっているもの、円の形になっているもの、2つが載せられています。

「スケール指づかい表」

最後は、スケールの指づかい表です。

同じ(ような)指づかいになるものを、5つにグループ分けされています。

「白い鍵盤から弾き始める」グループ2つ、「黒い鍵盤から弾き始める」グループ3つ、合わせて5つですね。

それぞれ、”リスグループ”、”ウサギグループ”といった具合に、動物で示されています。

次のページからいよいよ弾くことになりますが、ここに掲載されている順番で練習するようになっています。

⇩実際の紙面はこんな感じ。

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「スケールノート(1オクターブ)」

いよいよ「スケール」を弾いていきます。

前ページの「指づかい表」にまとめられている順番で並んでいます。

楽譜のあらわし方は、1段の楽譜に全音符です。スケールとカデンツの2つの楽譜があります。

スケール部分は1オクターブ。音符の上に右手の指づかい、下に左手の指使いが書かれています。

調号や臨時記号は印刷が薄く、自分で書き入れるようになっています。

もう1段の楽譜には、4つのカデンツが書かれています。

Ⅰ-Ⅴ₇-Ⅰ、Ⅰ-Ⅴ-Ⅰ、Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ、Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅴ₇-Ⅰ

の4つですね。

「どれをひいてもいいです」と書かれていて、好きなものを選んで弾くようになっています。

短調のスケールは、「和声的短音階」「旋律的短音階」の2つが載せられています。

⇩実際の紙面はこんな感じです。

アルペジオ

全調のスケールの後、「アルペジオ」のページに入ります。

こちらも「指づかい表」と「アルペジオのじゅんび」があります。

「アルペジオの指づかい表」

まずは「指づかい表」からです。

同じ(ような)指使いごとに、4つのグループに分けられていて、この順番で練習するよう書かれています。

グループごとに、使う指がイラストで載せられています。

今度はグループ名が果物の名前になっていますね。

⇩実際の紙面はこんな感じです。

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「アルペジオのじゅんび①」

次に「アルペジオのじゅんび」です。

1オクターブなので指くぐりはありませんが、「手首の回転」を意識して弾くよう書かれています。

指づかいの書かれた、半行と平行の2つの楽譜があります。

「ミラクルドリル」①~⑦

前半部分には、「ミラクルドリル」が7つあります。

すべて保持音の練習です。一部を弾いたまま他の指を動かす、というものですね。

⇩こういうものです。7つすべて違う形です。

後半部分・・2オクターブのスケール、カデンツ、アルペジオ

それでは後半部分の紹介です。

後半は2オクターブになるわけですが、前半部分のようにグループ分けなどはなく、一気に全調が並んでいます。

並び方は、円形の「五度圏表」と同じ、♯系→♭系と進みます。並行調でセットになっていますね。

その前に・・スケール、アルペジオの「じゅんび」

実際に各調を弾いていく前に、「スケールのじゅんび」③「アルペジオのじゅんび」②があります。

「スケールのじゅんび」③

「スケールのじゅんび」③では、大譜表1段で、黒音符が2オクターブ並んでいる楽譜が2つあります。反行と平行の形ですね。

指番号がすべてに書かれています。

その下には、「1の指練習」というタイトルで、指くぐりをして1の指になる音のみが書かれた楽譜があります。右手用、左手用の2つです。

スムーズに指くぐりをするための練習ということですね。

「アルペジオのじゅんび」②

「アルペジオのじゅんび」②では、2オクターブのアルペジオの楽譜が5つ並んでいます。

アクセントの位置を変えて2つ→3つ→4つのまとまりで弾くようになっていて、最後には上行、下行と一気に弾くようになっています。

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「スケール・カデンツ・アルペジオ(2オクターブ)」

そして、本題に入ります。

上に書いたように、並行調を1セットにして、♯系→♭系の調と並んでいます。

各調の内容は・・

  • 2オクターブのスケール(大譜表、2/4拍子、8分音符)
  • カデンツ(Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅴ₇-Ⅰ)
  • アルベルティ左(左でアルベルティ)
  • アルベルティ右(右でアルベルティ)
  • 和音の転回形、ヴァリエーション(転回形と分散和音)
    • バランス練習(Ⅰの和音の転回形 各音を響かせるようにする)
  • 2オクターブのアルペジオ(大譜表、6/4拍子、4分音符)

以上のようになっています。()は具体的な内容です。

短調は、和声的短音階、旋律的短音階の2つになっています。

⇩実際の紙面です。

『NEWこどものスケール・アルペジオ』の進め方

このテキストの進め方として、著者の根津栄子さんが書かれていることをここでまとめてみます。

「先生方へ」

本書の目次の次に「先生方へ」という欄があります。

そこに、スケールについては次のように書かれています。

ハ長調のスケールを、できるだけ徹底的に、しつこいほど覚えさせ、自信を持たせることが肝心です。自信が持てれば次へのチャレンジ精神がわき、成長へつないでいけるのです。

『NEWこどものスケール・アルペジオ』「先生方へ」より

まずはハ長調を、手を見ながら弾く→上を向いて→目をつぶって→ピアノのフタの上で弾く、という方法が書かれています。

またカデンツについては

先生が3種類の響きの違いを聴かせてあげてください。これから勉強する曲の分析への第一歩となります。

『NEWこどものスケール・アルペジオ』「先生方へ」より

とあります。

カデンツもただスラスラと弾けるだけでは意味ない、ということですね。「スケールのじゅんび」①に、響きを感じてもらう内容が早速でてきます。

前半部分に7つある「ミラクルドリル」については、深呼吸をしたり、風船に軽く指をのせるように弾くとよい、ということが書かれていて、「必ず弾けるようになる」とあります。

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「せいとのみなさんへ」

「先生方へ」の上に、「せいとのみなさんへ」のメッセージも載せられています。

いちばんたいせつなことは、すこしでもよいから、まいにちれんしゅうすること!

さいしょからさいごまで、がんばったら、かならず、すてきなきょくがひけるようになります。

『NEWこどものスケール・アルペジオ』「せいとのみなさんへ」より
*太字は原文のまま

すべてひらがなで書かれています。小さな子から使えるように考えていることが分かりますね。

また、前半部分の「スケールノート(1オクターブ)」には、「大切なポイント」として、練習の仕方が4項目に分けて書かれています。

小さな子も読めるように、大きめの字になっていて、漢字には読み仮名がついていますね。

『NEWこどものスケール・アルペジオ』まとめ

スケールとアルペジオに特化したテキスト『NEWこどものスケール・アルペジオ』の内容をまとめてきました。

決してシンプルな内容ではないですが、子どもたちに分かりやすいように丁寧に作られているなと感じます。

文章や内容をしっかりと読むことのできる子なら、自分で練習を進めていけるのではないかな。

前半の1オクターブの部分には、各調の所にどのくらい弾けたかをチェックする星印があります。

「どのくらいひけるようになったか、じぶんでさいてんして、☆をぬりましょう」

と書かれています。

調号や臨時記号を書き入れられるようになっていますし、「大切なポイント」として読み仮名付きの大きめの字で練習方法が書かれていますし。

子どもたちが自分で練習できるように、ということも想定して作られているのではないかと思います。

逆に、後半の2オクターブの部分はシンプルです。注意書き等は一切ありません。

前半部分でしっかり弾けるようにして、後半ではどんどん弾き込むという感じでしょうか。

全調が載せられていますし、レッスンを始めた初期のころから長く使える1冊になるのではないかと思います。

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