ピアノの発表会いつか分かってる?発表会までの練習期間を手作りカレンダーでイメージ

発表会

「音楽室ゆう」では、発表会当日の約3か月前から曲の練習を始めます。

この”3か月”。子どもたち(生徒)にとっては今いちイメージが付きにくいんですよね。

子どもは総じて「今」を生きているものなので。

3か月を、すごーく先のことのように感じている場合が多いような気がします。

少しでも見通しをもって発表会へ向かえるよう、手作りのカレンダーをひとりひとりに渡しています。

発表会までの練習期間??子どもは時間の概念が乏しい

小さな子は時間の感覚があいまいですよね。昨日、今日、明日の意味がよく分かっていなくても不思議ではないです。

小学生になってやっと、昨日、今日、明日の区別がはっきりしますが、細かな時間感覚はまだあいまい。

以前、学童保育の指導員をしていた時、

それ、いつの出来事?

今日!

という会話がホントによくありました。

「今日ってことは知っているよ、今日のいつ?」

と訊いて、はじめて「給食の時」など具体的な時期が返ってきます。

これって、まだまだ一日一日の大きなくくりでしか時間の流れを把握できていない、ということではないでしょうか。

そして、時間の流れは「明日」くらいまでしかない。その先になるとまた、すべて一緒クタの大きなくくりになってしまう。

 

そして、昨日以前はすべて「昨日」

そんな感じだと思います。

「時間」はかなり抽象的な概念なんですよね。

「3か月」のイメージは高学年になってから

時間の感覚が大人と同じような感じではっきりとしてくるのは、小学校の高学年の頃になってからではないかと思います。

発達心理学でいうと「形式的操作期」に入るころでしょうか。一般的には11歳以降といわれます。

1時間が24時間集まると1日になり、1日1日の積み重ねが1週間になり、1か月になり・・やがて3か月になる。

といったことが、自分の感覚などあいまいなものに惑わされることなく、しっかりと認識できるようになります。

そして、先の見通しを持てるようになることで、「発表会に向けて練習が必要」、しないとどうなるか・・ということも結びつけて考えられるようになります。

「3か月」が理解できるのは高学年になってから。

ということは、それまでは何らかのフォローが必要だということですね。

「練習しないと間に合わないよー」と口だけで伝えても、理解してもらえない。それは、発達段階上仕方がない。

できるだけ具体的にわかりやすく伝えていかないと・・

ということで、「カレンダー」を作ってみました。

練習期間把握のために「発表会まであと何日?カレンダー」を作成

発表会までどのくらいの期間があるのか。

そのことをしっかり分かってもらうために、カレンダーを作りました。

その名も「発表会まであと何日?カレンダー」。こんなものです⇩

こちらは2016年度版です。7月24日が発表会当日。その約3か月前の5月から作ってあります。

これをひとりひとりに渡します。

曲の練習は4月の終わりから始めます。本当はそれと同時に渡せるとよかったのですが・・少し遅れてしまいました。

レッスンの時に毎回持ってきてもらいます。

  • 今日は何日か
  • 発表会まであと何日か
  • 次回のレッスンでやること

を必ず確認します。

特に小さい子の場合は、レッスンに来る日に〇を打ってもらったり、発表会当日までの日数を記入してもらったりもします。

「次回のレッスンでやること」とは、つまり宿題です。こういうことをやるから練習してきてね、ということですね。

私自身も同じものを

私自身も同じものを1枚持つようにします。そして、全員の曲の進み具合を記入しておきます。

この1枚を見れば、みんなの状況が把握できるというわけです。

ま、うちは小さな教室で人数が少ないので1枚で大丈夫ですが、人数が多ければ2枚3枚と必要かもしれませんね。

私は大人なので、自分のレッスン手帳を見れば発表会までの把握はもちろんできます。

でも、こうした「発表会用カレンダー」があると少し意識が変わりますね。見やすい、確認しやすい気がします。

使ってみての効果は?

レッスンの時にいちいち確認することで、子どもたちの中に意識されていると思います。

カレンダーをチェックしながら「あと○日か~」などの声はよく出ます。

自分で書き入れてもらうことで、意識も強まると思います。

でも、お家で見直したりしているかな・・

「家で練習するときにそばに置いておいてね」と話したり、「カレンダーを使っている」とおたよりに載せて、お家の方にお知らせしたりしているけれど。

私としては、カレンダーに記したことを見ながら練習をして、お家の人とも確認しあってもらうのが理想ですが・・。

そこまで使ってくれているかは・・不明です。

まとめ 発表会は期限付きだから

普段のレッスンでの曲の練習は、いつまでに仕上げなければいけない、ということはありません。

それぞれのペースで練習して、弾けるようになったね、というところで次へ進みます。

でも、発表会はそうはいきません。演奏する日が決まっています。それまでに弾けるようにならなければなりません。

いつも以上に家での練習が重要になってきます。

どうしたら、その意識を持ってもらえるか・・ピアノ教師にとっては悩みの種になります。

ということで、こんなことをやっています。

実は2017年はカレンダーを作りませんでした。

というのは、全員高学年以上になってしまったからです。

わざわざカレンダーを作らなくても意識を持ってもらえるだろうと考えたのですが、実際小さかったころとは違うな、という印象を持っています。

それでも、こちらがやきもきしてしまうことは多く、毎回教室常備のカレンダーを見せながら発表会までの日数を確認しています。

みんなにステキな演奏をしてほしい。実力を発揮してほしい。練習不足で弾けなかった~だけにはなってほしくない。

ただただそれだけなんですよね。

(公開日:2017年6月27日 最終更新日:2022年12月15日)

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