ピアノなど習い事のレッスン内容は、指導者主体で決めることがほとんどだと思います。
ピアノもそうですが、習得できている人(先生)がそのために必要な事柄を順序立てて指導していくことになります。
でも中には、絶対に必要というわけではない、というものもあります。
具体的な細かな内容について、本当に必要なんだろうか・・そもそもこの子(生徒)はこの事を望んでいるんだろうか・・
ちょっと気になってしまったので、レッスンを受けている子どもたち自身に(その保護者の方も含めて)アンケートを取ってみました。
「ピアノのレッスン楽しい?」本音のところが分からない・・・
レッスンに来ている子どもたち、みんなそれぞれです。
よ~くおしゃべりする子もいれば、ほとんどしゃべらない子も。
ここ「音楽室ゆう」は、とってもちっちゃな教室ですが、それでもみんな個性的です。
普段から、学校や家庭であったこと、あれが好きこれが嫌い、といったことをよく話してくれる子は、レッスンのことをどう思っているのかつかみやすい。
「さあ、〇〇をやろうか」
「え~~(イヤだ)」
なんてことも言ってくれるので。
でも、ほとんど話さない子はなかなか分からない。
レッスンはお休みなく来るし、言われたことは素直にやる。
でも、楽しんでる?ここに来たくて来てる?
私の方が、不安になってしまうんです。
アンケートを取ってみようと思ったきっかけは、こんなことからです。
主体的にレッスンを受けてほしいから
レッスンを受けているのは誰?習いに来ている子どもたちです。
毎回毎回、ここに来てやっていることの中身を、しっかり認識してほしい。
自分は何のためにここに来ているのか、なんでこんなことをやっているのか。
そのことを自覚して、主体的にレッスンを受けてほしいと思います。
先生が「やれ」っていうからやってる。
これでは、私がさみしい、悲しい。
受け身な気持ちでここに来ていたって意味はない。ピアノは、生きていくうえで絶対に必要なことではないから。
積極的な気持ちで、ピアノに向かってほしいですよね。
「ご意見ご要望はいつでもどうぞ」と言われても・・
アンケートは「保護者の方も一緒に考えてください」という部分も作りました。
それは、次のような理由からです。
私の教室では、1年に1回「レッスン報告書」をひとりひとりにお渡ししています。
関連記事→「レッスン報告書」についてはこちらの記事をどうぞ。
そこに、お家の方に自由に記入していただける欄を設けています。
また、実際にお迎えの際などに、声をおかけすることもあります。
でも、なかなか反応は得られません。「お任せします」といった感じ。
その理由の一つは、具体的ではない、ということではないかと考えました。
“これ“について、”あれ”について、とした方が答えやすいですよね。
なので、アンケート。ひとりひとり専用のものを作成しました。
レッスンへの本音が知りたい! ひとりひとりにぴったりな内容で
レッスンに来ている子どもたちは、ひとりひとり微妙にレッスン内容が違います。
同じ30分のレッスンでも、色々なことをやれる子もいれば、曲のレッスンだけで時間切れになってしまう子も・・
しっかり練習してくる子もいれば、なかなか練習しない(できない)子も・・
レッスンの進度のほか、性格や生活状況、障碍のある子もいますので、そのようなことも関係してきます。
みんな同じレッスン内容、というわけにはいきません。
なので、ひとりひとり違った内容のアンケートにならざるを得ません。
項目は次のようなもの。
- 今現在レッスンで行っているものの中で、好きだなぁ楽しいなぁと思うことは?
- 今現在レッスンで行っているものの中で、好きじゃないなぁやりたくないなぁと思うものは?
- こんなことがやりたい、というものは?
- 今現在レッスンで行っているものの中で、特にしっかりやっていきたいと思うものは?
- レッスンに〇〇を取り入れたいと思っていますが、やってみたいですか?
設問の「今現在レッスンで行っているものの中で」は、一人一人違うものを具体的に記しています。
設問4と5は、「お家の人と一緒に考えてください」としました。
設問5の「○○」も、一人一人違います。
レッスン内容アンケートを取って分かったこと
実際にアンケートを行ってみて、子どもたちの気持ちがよくわかりました。
もっと早くやればよかった、と思いました。
アンケートから見えてきたこと、それは・・
みんなやっぱり「弾けるようになりたい」
まず分かったことは、
「いろんな曲を弾きたい」「いろんな曲を弾けるようになりたい」
と全員が思っている、ということです。
ま、当たり前といえば当たり前なんですが・・。
練習をしっかりしてくる子はそうなのでしょうが、練習あんまりしてこないよね~という子もです。
障碍のある子も、もちろんそう。
いろんな曲に触れ、弾いてみたい弾けるようになりたい。
ピアノを習いたい、と思った原点は、やっぱりこういうことなんですよね。
この事を思い出した、自覚した、だけでも、アンケートをやった意味はあったかも、と思います。
「楽譜を書けるようになりたい」と思ってる?
もう一つ見えたこと、それは、「楽譜を書く」という内容を求める傾向があるかも・・ということです。
5番の項目に「聴音を取り入れてみませんか」と記したものを複数作りましたが、みんな「やってみたい」という回答でした。
また、「実際の楽譜を使って書いたり読んだり弾いたりしたい」といった内容の回答(原文のままではありません)もあり、そうしたことからもそう思いました。
実践的なことを求めてる、ということでしょうか。
とにかく、アンケートの数が少ないので、たまたまかもしれませんが、ちょっと興味深く感じました。
譲れないこともある!
アンケートの2の「レッスンでやっていることの中で好きじゃないものは?」という項目。書かれていないものもありましたが、正直に書いてくれた子も。
多かったのは、「テクニックのテキストはやりたくない」というもの。
でも、書いてあったからといって、やらないわけにはいきません!
「ピアノを弾けるようになる」ために絶対に必要なことはあり、それはやります。
内容を工夫する、といったことは多少するとしても。
なぜやるのか。なぜ必要か。
この事をしっかり伝えることが、まず大事ですね。
まとめ やってよかった「レッスン内容アンケート」
こうした試みは初めてでしたが、やってよかったと思います。
今回、年度替わりの時期を区切りとして行いましたが、これからも定期的に行うとよいかも、と思っています。
ピアノのレッスンは「ピアノを弾けるようになること」が第一のレッスン内容になります。
それは、楽譜が読めて弾く技術があれば可能です。
私もとても大事だと思っているソルフェージュ的な内容は、必ずしも必要ではないものもあり、どこまでレッスンに取り入れるかは正直悩むところです。
なぜ大事だと考えるのか、この事を行うとどんないいことがあるのかを要所要所で伝えつつ、レッスンでどこまで取り入れるのかはその都度相談。
それが良いのかも、と思います。
音楽を自ら演奏することを楽しんでほしい、楽しいと感じてほしい。
そのためには、とにかく、主体的に積極的な気持ちでレッスンを受けてほしい。
レッスンを受けるのはあなたたち(レッスンに来ている子どもたち)自身なんだから。
ただただ、そんな思いです。
(公開日:2017年4月26日 最終更新日:2022年12月16日)
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