今回は『きらきらピアノ こどものポピュラーメロディーズ』1巻をご紹介します。
”ポピュラー”と銘打たれた数少ないテキスト併用曲集ですね。
「知っている曲を弾きたい」という希望が多い中2巻を購入しましたが、もう少し易しいものが欲しいと思い1巻も購入。
中身を詳しくご紹介します。
→「きらきらピアノ」シリーズの1冊『こどものポピュラーメロディーズ』
まずは、基本情報から。
この『きらきらピアノ こどものポピュラーメロディーズ』は、「きらきらピアノ」シリーズの中の1冊です。
「きらきらピアノ」とは、全音楽譜出版社から出されている、作編曲家、轟千尋さんによる併用曲集です。
「導入期からさまざまな”音”に出会う」というコンセプトで作られています。
- 『こどものピアノ名曲集』1~5
- 『こどものポピュラーメロディーズ』1~3
- 『こどものピアノ連弾名曲集』1,2
- 『おとなのピアノ名曲集』
- クラシック レベルA,B,C
- ポピュラー レベルA,B,C
- 映画音楽 レベルA,B,C
『こどものピアノ名曲集』と『こどものポピュラーメロディーズ』は、ビクターからCDが販売されています。
紹介ページはこちら→「全音楽譜出版社コーポレートサイト きらきらピアノ」
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『こどものポピュラーメロディーズ』全体の難易度は?
『こどものピアノ名曲集』は、1巻のバイエル初級から5巻のソナチネ程度の難易度まであります。
一方で、今回ご紹介する『こどものポピュラーメロディーズ』は、全3巻でバイエル初級からソナチネ程度までの難易度になっています。
進み方が少々急ですね。
詳しくは、以下のようになっています。
- 『こどものポピュラーメロディーズ』1巻:バイエル初級~中級程度
- 『こどものポピュラーメロディーズ』2巻:バイエル中級~終了程度
- 『こどものポピュラーメロディーズ』3巻:ブルクミュラー~ソナチネ程度
1冊の中で難易度に幅があるということですね。
選ぶ際に少し注意が必要です。
『こどものポピュラーメロディーズ』1巻の内容は?

それでは、具体的な内容を紹介していきます。
1巻の特長
この『こどものポピュラーメロディーズ』は、
「柔軟な耳」と、「感じる心」を育てたい
という思いをもってつくられています。
このことは、「はじめに」にはっきりと記されています。
この曲集は、シンプルな響きやおしゃれな響き、外国の民謡や、オーケストラ曲など、様々な響きに幅広く出会うことで、「柔軟な耳」と、「感じる心」を育てたいという思いが込められた曲集です。
『こどものポピュラーメロディーズ』1「はじめに」より
また、左手部分に対して、
左手は伴奏に徹するだけでなく、メロディをかざったり、合いの手を入れたり、時には主役になったり・・・音楽の「豊かさ」を感じ取れるような”魔法”をちりばめています。
『こどものポピュラーメロディーズ』1「はじめに」より
と書かれています。
これも、この楽譜集の大きな特長ですね。
そして、今回ご紹介する1巻に関しては、
1巻は、少ない音でも、様々な響きに出会える曲を集めました。
『こどものポピュラーメロディーズ』1「はじめに」より
(後略)
とあります。
たった1音からでも、いろいろなイメージを膨らませて大切に弾いてほしい、といった思いを感じます。
1巻の曲目紹介
ここで、肝心の曲目を紹介します。全33曲です!
曲目 | 作曲者 | |
1 | こいぬのマーチ | 外国曲 |
2 | ぶんぶんぶん | ボヘミア民謡 |
3 | かえるの合唱 | ドイツ民謡 |
4 | かもつれっしゃ | 若松 庄司 |
5 | 小さな世界 | シャーマン |
6 | 10人のインディアン | アメリカ民謡 |
7 | かっこう | ドイツ民謡 |
8 | チューリップ | 井上 武士 |
9 | ふしぎなポケット | 渡辺 茂 |
10 | うみ | 井上 武士 |
11 | アヴィニョンの橋の上で | フランス民謡 |
12 | 森のくまさん | アメリカ民謡 |
13 | ハイ・ホー(「白雪姫」より) | チャーチル |
14 | さよなら | ドイツ民謡 |
15 | 大きな栗の木の下で | イギリス民謡 |
16 | 冬景色 | 文部省唱歌 |
17 | 山の音楽家 | ドイツ民謡 |
18 | たなばたさま | 下総 皖一 |
19 | シャボン玉 | 中山 晋平 |
20 | きらきら星 | フランス民謡 |
21 | 夕焼け小焼け | 草川 信 |
22 | 愛のあいさつ | エルガー |
23 | ゆかいに歩けば | メラー |
24 | 草競馬 | フォスター |
25 | おもちゃのチャチャチャ | 越部 信義 |
26 | エーデルワイス(「サウンド・オブ・ミュージック」より) | ロジャース |
27 | くまのプーさん(「くまのプーさん」より) | シャーマン |
28 | 雪 | 文部省唱歌 |
29 | 聖者の行進 | アメリカ民謡 |
30 | 野ばら | シューベルト |
31 | オバケなんてないさ | 峯 陽 |
32 | ビビディ・バビディ・ブー(「シンデレラ」より) | デヴィット&ホフマン |
33 | 競争しようよ(「きかんしゃトーマス」より) | オドネル&キャンベル |
誰もが知っている童謡や日本はもちろん各国の民謡、そしてディズニーの名曲も。
バラエティー豊かだなと感じます。
編曲は、すべて轟千尋さんです。
1巻の難易度は?掲載順は難易度順?
『こどものポピュラーメロディーズ』1巻の難易度は、「バイエル初級~中級程度」となっています。
掲載順は、ほぼ難易度順と考えてよいと思います。
ただ、本当に易しく弾けるのは初めの3,4曲。以降は難易度高めだと感じます。
- 3曲目の「かえるの合唱」で♯、♮が登場
- 4曲目の「かもつれっしゃ」で♯、♮に加えて重音が登場
その後は、和音は当たり前のように出てきますし、音域も広がり音がよく動きます。
また、左手部分は単純な伴奏ではなく、メロディーを追いかける形だったり、同じように動いたりと複雑です。
曲の長さも、1曲目の「こいぬのマーチ」は8小節ですが、最後の「競争しようよ」はD.C.をして30小節になります。
楽譜集としての難易度は「バイエル初級~中級程度」ですが、初級で弾ける曲はほとんどない、と考えた方がよさそうです。
『こどものポピュラーメロディーズ』1巻の楽譜の状況は?
ここから、楽譜の状況をまとめます。
楽譜の大きさは、五線の幅としては1㎝~1.3㎝ほど。大譜表では、3.5㎝~3.8㎝ほどです。
五線の幅は、後ろへ進むほどやや狭くなりますね。
大譜表の幅は、加線の音の有無によっても違いますが、後ろへ進むほど音の動きが大きくなるので、少し広くなります。
見た目には変化は感じません。後ろへ行くほど音が増えるな~、という程度。音符が小さくなることはありません。
曲の長さは1ページのものが多く、少し見開き2ページのものもあります。
譜めくりが必要になる曲はありません。
1ページの段数は最大4段。2段や3段の曲もあります。
『こどものポピュラーメロディーズ』1巻 まとめ
『こどものポピュラーメロディーズ』1巻についてまとめてきました。
「ぶんぶんぶん」や「かえるの合唱」、「チューリップ」など、誰もが歌ってきたようななじみのある曲が多く、親しみやすい選曲になっています。
でも、すぐに臨時記号や重音が出てくるようになり、左手部分も単純な伴奏ではなく、少々難易度は高目に感じます。
こうしたことが、「はじめに」にある「様々な響きに出会える」ということかなと思います。
使い方としては、バイエルの半ばを過ぎるくらいまで進んだ子が、少し楽に弾けるものも含めてポピュラー曲を楽しむ、という形かなと思います。
参考になればと思います。
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