ピアノで”指の練習”というと『ハノン』ですよね。
私自身も使ってきました。
今は、これを子ども用に分かりやすく、簡単にした楽譜が出版されています。
いくつかある中から、今回は、学研プラスから出されている『新編こどものハノン』を紹介します。
元祖『ハノン』にもあるリズム変奏の例が各ページに載っていて、そこがポイントかと思います。
上下巻に分かれていますが、今回は上巻のみ、具体的に詳しくまとめてみます。
『新編こどものハノン』上下巻の内容 簡単まとめ
この『新編こどものハノン』、上下巻の2冊に分かれています。
今回は上巻のみを詳しくご紹介しますが、まずはそれぞれの内容についてまとめます。
『新編こどものハノン』上巻
まず上巻の方。内容をまとめると以下のようになっています。
- ハノン第1部 1番~20番(8分音符)
- 音階
- 長調:ハ、ト、ニ、イ、ホ、ヘ、変ロ、変ホ、変イ
- 短調:イ、ホ、ロ、嬰へ、嬰ハ、ニ、ト、ハ、ヘ
まずは元祖『ハノン』の1番~20番。一番始め、”第1部”の部分ですね。
8分音符で書かれています。
そして、音階。
♯4つまでと♭4つまでの長調と、その並行調である短調です。
『新編こどものハノン』下巻
そして、下巻は以下のようになっています。
- ハノン第2部 21番~38番(16分音符)
- 音階
- 長調:ハ、ト、ニ、イ、ホ、ロ、ヘ、変ロ、変ホ、変イ、変ニ、
- 短調:イ、ホ、ロ、嬰へ、嬰ハ、嬰ト、ニ、ト、ハ、ヘ、変ロ
- 半音階
- 分散和音
- 長調:ハ、ト、ニ、ヘ、変ロ
- 短調:イ、ホ、ロ、ニ、ト
上巻と比べて、盛りだくさんですね。
まずは、元祖『ハノン』の”第2部”にあたる、21番~38番までが掲載されています。
16分音符で書かれるようになります。
そして、音階は、♯5個までと♭5個までの長調と、その並行調である短調になっています。
さらに、新たに半音階と分散和音が加わります。
分散和音は、♯、♭それぞれ2つまでの長、短調ですね。
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『新編こどものハノン』上巻を詳しくご紹介
それでは、上巻を詳しく紹介します。
上巻の掲載順序は、
- 元祖『ハノン』の1番~20番
- 音階部分
になっています。
『ハノン』1番~20番の部分について
上巻には、『ハノン』の基本ともいえる、1番~20番が載せられています。
楽譜の書き方は、8分音符、1オクターブです。
元祖『ハノン』は16分音符2オクターブですね。
右手が中央ド、左手がその1オクターブ下から始まり、1オクターブ上まで上がって元の場所へ戻る、という形です。
そして、特徴的なのが、20曲すべてに4つの変奏例が載せられている、ということです。
「リズム変奏」と書かれ、A、B、C、Dと書かれて4つ載せられています。
スタッカート、アクセント、スラー、付点などを、単独で使ったり組み合わせていたりしています。
内容は、曲ごとに少しずつ違っていますね。
その変奏例の中には、16分音符のものもあります。
1番~20番すべてに変奏例が4つづつ。
これが、この『新編こどものハノン』の大きな特長になりますね。
音階の部分について
後半のページが、音階練習部分になっています。
上にまとめたように、♯、♭それぞれ4つまでの長調と短調が載せられています。
掲載順は
♯から始まり1つづつ増えていき➩➩♭へ入る
というようになっていますね。
1ページに、長調とその並行調の短調がセットで載っています。
例えば、上半分がハ長調、下半分がイ短調、ということですね。
短調は、和声的短音階のみです。
楽譜の書き方は、8分音符、2オクターブです。
最後はカデンツで終わっています。
1番最後のページに、「まとめ」としてこの『新編こどものハノン』上巻で出てきた調が一覧にまとめられています。
長調で一括り、短調で一括り、というまとめ方になっていますね。
『新編こどものハノン』上巻の楽譜の状況は?
最後に、楽譜の見やすさ等についてまとめます。
まず『ハノン』の部分。
五線の幅は約1㎝。大譜表では、3.5㎝ほどになります。
見開きで1曲、という構成になっていて、左ページ4段+右ページ1段の計5段です。
右ページの下部に「リズム変奏」の楽譜があります。
「リズム変奏」の部分は若干楽譜が小さくなり、5線の幅は約8㎜。
大譜表では書かれていません。
楽譜の周囲に説明書き等は一切ありません。
その分楽譜にスペースが充てられるためか、大きく見やすくなっているのではないでしょうか。
次に音階ページです。
音階ページは、上でもまとめたとおり、1ページに長調、短調がセットになっています。
見開きで見ると、4つの調が載せられているということですね。
楽譜の大きさは同じです。
こちらも説明書きはありません。すっきりとした印象です。
『新編こどものハノン』上巻まとめ シンプルで分かりやすい
『新編こどものハノン』上巻について、内容を詳しくまとめてみました。
元祖『ハノン』の最初の1番~20番。
そして、全調ではありませんが音階練習の部分。
この2部構成で作られています。
特長は、1番~20番の全曲に、リズム変奏の例が4つづつ載せられていることですね。
様々な組み合わせで、いろいろなパターンのものがあります。
もう1つの特長としては、とてもシンプルだということ。説明書きなどは一切ありません。
その分、楽譜は大きいですね。
特に小さな子が使う場合は、楽譜の大きさは見やすさにつながるので、結構重要ですよね。
この『新編こどものハノン』、下巻はもう少し高度な内容になります。
ハノンの導入として、まずこの『新編こどものハノン』上巻を使い、終了後の状況によっては、下巻ではなく元祖『ハノン』へ入っていく、という形も考えられるかもしれません。
(公開日:2019年10月21日 最終更新日:2024年12月12日)
⇩今回は、詳しくご紹介していませんが、参考にどうぞ。
⇩元祖『ハノン』です。
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