昔からあり、長~く使い続けられているこの『オルガン・ピアノの本』。
私の教室では、あまりが使う機会がありませんでした(「ピアノランド」と「ピアノひけるよ!ジュニア」を使うことが多かった)。
が、最近何人かに使うことになり、良さを再確認。
楽譜は大きいし、学ぶ事柄が整理されているし、「調」への導入が丁寧だし・・
今回は第1巻のみですが、詳しく内容をまとめてみようと思います。
2023年2月に新版が発売されています。
以下は、2015年に発売された新版に基づいてまとめていますが、内容は同じです。
『オルガン・ピアノの本』って?
まずは、『オルガン・ピアノの本』シリーズについてまとめます。
正式名称は『みんなの オルガン・ピアノの本』といいますね。
初版はなんと1957年!今から70年近く前です!
私がピアノを始めたのは今から50年近く前ですが、そのころには存在したということですね。
ちなみに私は『バイエル』で育ちました。『バイエル』全盛の時期ですよね。
『バイエル』があまり使われなくなってきた昨今ですが、こちらは・・。
本当に息の長い教材ですね。
出版元であるヤマハミュージックメディアのページには以下のようにあります(楽譜の「はじめに」にも同様の文章があります)。
1957年、初めて鍵盤楽器を習う生徒さんのためのメソードが誕生しました。当時の主な教育楽器はオルガンとピアノであったため、「みんなのオルガンピアノの本」として刊行され、導入教本として長く使われてきました。4巻を終えると、「ブルグミュラー25の練習曲」へ進むことができます。
ヤマハミュージックメディア「【新版】みんなのオルガン・ピアノの本」より
確かに、私が子どものころにはオルガンがいろんなところにありました。
ピアノではなくて「オルガンを習う」ということもあったような・・。
「オルガン教室」というのがあったように思います(勘違いかな?)。
今では全くというほど見ませんね。
全4巻 ワークブックもあります
『オルガン・ピアノの本』シリーズは全4巻。
上の引用にもありますが、4巻を終えるとブルグミュラーへ入る力がつくようになっています。
1,2巻はバイエル上巻程度、3,4巻は下巻程度の難易度と出版社のページに説明されています。
1,2巻は菊倍判横長タイプ。3、4巻は菊倍判縦タイプです。
併用のワークブックもありますね。同じように4巻に分かれています。
シリーズとしては、メイン教材とワークブックのみです。併用曲集などはありません。
関連記事→『オルガン・ピアノの本 ワークブック』をこちらで紹介しています。
「新版」が出版されています
長年使われてきたこの『オルガン・ピアノの本』ですが、2015年に改訂され「新版」が出版されました。
初版から実に58年目!です。
そしてさらに、2023年2月にさらにリニューアルされています。
教室に常備したのはまだ旧版しかない頃だったので、今、旧版と2015年発行の新版の両方が手元にありますが、新版はやはりいいですね!
整理されて見やすく分かりやすくなっています。イラストも素敵。
参考→出版元ヤマハミュージックメディアの『オルガン・ピアノの本』紹介ページです。
なお、旧版もまだまだ発売されているようです。
根強い人気があるのですね!
⇩こちらは旧版です。
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『オルガン・ピアノの本』第1巻の内容について
それでは、具体的な中身を見ていきます。
特徴は以下の様なことかと思います。
ひとつずつ詳しく見ていきます。
1曲目に入る前に・・
実際に曲を弾く前に、4ページにわたる導入部分があります。
内容は以下の通り。
- 指番号をおぼえましょう
- 音符と五線
まずは、「指番号をおぼえましょう」ということで、自分の手を鉛筆でなぞって書き、指番号を入れます。
次に、音符と五線。
左ページには、大譜表に中央ドから上下に音符が広がっている図があります。音符には、音名が入っています。
ページの下部には、ト音記号とヘ音記号、五線、大譜表、そして、終止線の各部の名前が記されています。
右ページは、鍵盤のイラストと、大譜表に中央ドからそれぞれ上下に1オクターブの音が書き入れられた楽譜があります。
楽譜と鍵盤の位置の関係を示したものということですね。
音域の広がり方・・中央ドから上下1音ずつ→5指ポジションで移動
このあと題名の付いた「曲」を弾く段階に入ります。
曲は全35曲(連弾1曲含む)。中央ドのみの曲から始まって少しずつ音域が広がります。
広がり方は次の様な状況です。
- ドのみ
- 上下に1音ずつ広がる
- 下(左手)はドシラソ、上(右手)はドレミファソまで
- 5指同時にポジション移動
- どのポジション(ハ長調のはじめの5音)
- ふぁのポジション(ヘ長調のはじめの5音)
- らのポジション(イ短調のはじめの5音)
- れのポジション(ニ短調のはじめの5音)
- そのポジション(ト長調のはじめの5音)
まずはドのみの曲があります。
次に上下に1音ずつ広がります。シとレ、ラとミ・・・という形で上下1音ずつ同時に広がります。
各ページに、この曲の楽譜の音と鍵盤の位置との関係図が載せられています。
そして、右手のみ5音(ソまで)広がります。
そのあと、5指同時にポジション移動をして音域が広がっていきます。
つまり、「どのポジション」であれば、左右とも「ドレミファソ」ということです。右手は中央ドから、左手はその1オクターブ下のドからとなります。
各ポジションは、音階のはじめの5音です。この1巻で5つの調が出てくることになります。楽譜には調号も書かれています。
”〇長調”といった言葉はまだ出てきません。(目次にのみ「イ短調のメロディー」という項目があります)
出てくる拍子と音符について(音楽記号も)
次に、どのような拍子やリズム、音楽記号を学ぶのかについてまとめます。
拍子については
- 4/4拍子
- 3/4拍子
- 2/4拍子
の3つが出てきます(出てくる順番もこの通り)。
4/4拍子、3/4拍子で1ページ、2/4拍子で1ページが説明に使われ、リズム練習をするようになっています。
出てくる音符(休符)は
- 4分音符
- 4分休符
- 2分音符
- 全休符
- 全音符
- 付点2分音符
- 2分休符
です(出てくる順番もこの通り)。最も細かいのが4分音符で、8分音符は出てきません。
初めて出てくる曲のページに、名前と拍数が別枠で書かれています。
音楽記号については、次のようなものが登場します。
- ト音記号、ヘ音記号、大譜表、終止線
- D.C.、Fine
- リピート(はじめに戻る)
- フォルテ、ピアノ
- リピート(リピート間)
- スラー
出てくる順番もこの通りです。また、まとめて書かれているのは、まとめて出てくるものです。
こちらも、初めて出てくる曲のページに別枠で囲って説明されています。
音が飛ぶ状況について・・右手の方がよく飛ぶ
ドミ、やドミソ、など、音が飛ぶ部分を弾くのはなかなか難しいものです。そこにひっかかってしまう子もいる。
そのあたりの状況を見てみます。
右手の状況
右手から見ていきます。
まず、ひとつ飛ばしは7曲目に出てきます。「ミドレ」と弾きます。
後半に入って、ひとつ飛びが頻繁に出てくるようになり、いろいろな指で弾くようになります。
5指すべてをしっかり使うわけですね。
左手の状況
左手で音飛びが出てくるのは、右手と同じ7曲目です。
その後、1つ飛びが少し出てきて両手奏へ入ります。
17曲目(「どのポジション」)から両手奏になりますが、左はしばらくは同音が続きます。
そして、重音があったり、「ミソミド」などと動くことが増えていきます。
全体的に見て、右手の方が音飛びが多いですね。でも左手は和音があります。
右も左も、すべて5指以内の動きです。
弾くポジションが決められ、そのポジションでの5指固定で弾ける曲ばかりなので。
後半は両手奏です
上でも少し触れましたが、この『オルガン・ピアノの本』は1巻から両手奏が本格的に始まります。
始まる場所は、5指のポジションで弾くようになる曲からです。
曲数でいうと全35曲中の17曲目からです。後半に入ってからですね。
左手は、はじめの3曲は同音のみで動きはありません。
次の曲で5度の動きがあり(どのポジションの曲なので「ドソ」で動きます)、その次から5度(ドとソ)の重音が出てきます。
和音はこの形のみで、あとは単音で動く曲が増えます。
4分音符で「ソファミレ」とか「ミソミド」とかですね。
曲は長め
曲は長めだと思います。
はじめは4小節の曲が6曲続きますが、その後はすべて8小節以上。
D.C.やリピート記号も出てくるので、その分長いですよね。
最も長いのが32小節。
最も多いのは8小節で、20曲あります。
子どもたちのよく知っている曲も
『オルガン・ピアノの本』の掲載曲は、「ヤマハ作曲」となっているものも多いです。
でも、子どもたちのよく知っている童謡などもいくつか入っています。
例えば・・
- 「やまのおんがくたい」(メロディーは「アルプスいちまんじゃく」です)
- 「ほたる」(♪ほ、ほ、ほたるこい♪)
- 「ドナルドおじさん」(メロディーは「ゆかいなまきば」♪いちろうさんの牧場で~イーアイーアイオ~♪)
- 「ぶんぶんぶん」
- 「ちょうちょう」
- 「おうま(連弾)」
など
知っている曲が入っているのは、子どもたちにとってうれしいですよね。
『オルガン・ピアノの本1』楽譜の見やすさは?イラストも
導入教材なので、音符はかなり大きく見やすいです。
前半と後半で、大きさが違います。
五線の幅は、前半は2.3㎝。
両手奏に入るころから少し小さくなりますねが、それでも1.8㎝ほどあります。
導入テキストは、五線で1㎝、大譜表で3㎝くらいのものが多いと思います。
広いですよね~。とても見やすい!
イラストはフルカラー。柔らかい印象でいい感じです!
楽譜の様子に応じて、上部全体がイラストだったり、ポイント的だったり。
1ページ全面イラストのところもあります。
『オルガン・ピアノの本1』学ぶ順序を分かりやすく・・目次
ここまでいろいろと書いてきましたが、どのような順序で学ぶのかが分かりやすいよう、目次をのせます。
曲名など、細かい部分は省きます。
- 指番号をおぼえましょう
- 音符と五線
- 「ド」をおぼえましょう
- 「シ」と「レ」をおぼえましょう
- 「ラ」と「ミ」をおぼえましょう
- 「ソ」と「ファ」をおぼえましょう
- イ短調のメロディー
- たのしく弾こう
- 「ソ」をおぼえましょう
- リズムのれんしゅう①
- 4分の3拍子の曲
- リズムのれんしゅう②
- 4分の2拍子の曲
- どのポジション
- ふぁのポジション
- 2つのポジション
- らのポジション
- れのポジション
- そのポジション
- 連弾
『オルガン・ピアノの本1』旧版よりやっぱり新版!
新版は改訂版なので、やっぱり旧版よりいいですよね。
いいなと思うのは以下のところ。
- 一回り大きいサイズに
- あたらしく学ぶ事柄が整理されている
- 音符が大きい(少しだけ。楽譜のサイズが大きくなった分?)
- イラストが今風
最大の改定ポイントは、2つ目に挙げた「あたらしく学ぶ事柄が整理されている」ということだと思います。
目次ですでにきちんと整理されていて、「新しく学ぶこと」として図入りで書かれています。
とても分かりやすい。
先生側、生徒側ともに、使いやすいのではないでしょうか。
でも、旧版も根強い人気があるようで、販売は継続されています。
⇩こちらは旧版です。
『オルガン・ピアノの本1』まとめ 音符を読むのが得意で指の動きがよさそうなら
音符が大きく、内容が分かりやすくまとめられ、イラストもやさしい感じで、子どもたちになじみの曲も入っていて・・
とても使いやすいテキストだと思います。
ただ、音はけっこう飛ぶし、後半は両手奏になり、ポジションの移動で音域は広め。
というところでは、難しく感じる子もいるかもしれません。
音符をスムーズに読んでいけるのであれば、音域が広くなっても楽譜と鍵盤の関係を理解して進めていけると思います。
また、両手奏がどんどん進んでいくので、指の動きもよい方がいいですね。
2巻になると調号について学び、ハ長調の音階を弾くようになっています。
そのあたりの、理屈っぽいことの理解ができる力も必要かもしれません。
音符を読むのが得意で指の動きが比較的良ければ、調についても早くから学べるので、積極的に使いたいですね。
今後も使い続けていきたいテキストです。
(公開日:2018年7月5日 最終更新日:2024年7月9日)
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