子育ての中にもっと音楽を取り入れたい。
でも、楽器なんてできないし・・そもそも無いし・・
そう思っている方は多いかもしれません。
楽器なんて必要ない。もっと簡単にできることがあります。
それは「歌をうたう」ことです。
生まれたての赤ちゃんから「歌いかけ」を
生まれたばかりの小さな小さな赤ちゃんも、音楽を感じることができます。
それは、どこかの有名なオーケストラの音楽などではなく、お母さんが自分にだけ歌ってくれる「歌いかけ」です。
赤ちゃんはお腹の中にいるときから外の音を聞いています。妊娠28週を過ぎた頃からといわれますね。
少し高めである女性の声に反応がいいといわれ、特に、お母さんの声は四六時中聞いていることになります。
羊水の中にいるため、かなりくぐもった声ではありますが。
そのため、生まれてからも、お母さんの声にはよく反応するといわれますね。
そんな聞きなじんだお母さんの声で、自分にだけに向けて歌をうたってもらったら・・
赤ちゃんにとっては至福の時になるのではないでしょうか。
語りかけより歌いかけに反応する赤ちゃん
お腹の中の赤ちゃんに語りかけると良い、と言いますね。
生まれてからも、「話しかけながらお世話をしましょう」なんて。
これもとっても大事なことなんだと思いますが、赤ちゃんは、語りかけより歌いかけの方がよく反応します。
これは、私の経験から思うことなのですが。
私は以前、小児病棟で赤ちゃんのお世話をする仕事をしていたことがあります。
生まれながらに病気のある赤ちゃんたちですね。
病棟保育士とか、医療保育士とかいわれる職業です。
その中で、赤ちゃんと関わるときによく歌をうたいました。
医療器具でつながれていて、そのくらいしかできない、という子も多かったので。
生まれて間もない赤ちゃんでも、歌いかけると様子が変わります。
まずは、抱っこして揺れながらいろいろ話しかけます。
でもそのうちネタが切れてしまいます。なので歌をうたうことにしました。
すると、話しかけていた時はごそごそ落ち着かない様子だったのが、歌をうたい始めるとピタッと動きが止まり、じっとこちらを見るようになります。
それは、こちらの口の動きを見ているようでした。
たいていどの子もそうだった、という印象があります。
あまり歌ばっかり聞いているとだんだん飽きてくるのか、しばらくすると、またごそごそし始めるんですが。
どんなに小さな赤ちゃんでも音楽に反応するんだな・・
と、明らかに変わる様子に、少々驚いてしまいました。
赤ちゃんは歌をうたってもらうことが好き。
そんなことから、音楽=楽器やCDではなく「歌いかけ」がいいのではないかなと思います。
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「読み聞かせ」と「歌いかけ」は似ている
「子育てに読み聞かせが良い」とよく言われます。いろいろな効果が謳われていますね。
私も子育て真っ最中ですが、本をよく読む子になってほしいと、読み聞かせは意識してするようにしています。
「読み聞かせ」と「歌いかけ」
実は、同じ効果のあるものではないかと思っています。
読み聞かせの効果って?
「読み聞かせは良い」とは、具体的に何がいいのでしょう。
ネットで少し調べるだけで、たくさんのサイトで様々な効果が書かれているのを見つけられます。
だいたい、次のような感じでまとめられるかなと思います。
- 言語の獲得
- 情操教育
- 情緒の安定
- 想像力を養う
- 集中力を養う
- 親子のコミュニケーション
絵本を通して様々な言葉を聞くことは、絵と言葉を結び付けて捉えられ、言語の獲得に結びつくでしょう。
物語を通して体験する様々な感情は、豊かな心を養うことになると思います。
聞きなれた、お父さんお母さんなどの声で読んでもらうことは、子どもにとって安心感を感じることでしょう。
お話とそれに添えられた絵をもとに、想像がどんどん広がり、想像力が養われるでしょう。
一定時間じっと聞くことで、集中力もつくでしょう。
一冊の本を通してひと時を共有することは、親子の良いコミュニケーションになるでしょう。
その子に合った絵本を、ゆったりとした時間の中で読んでもらう。
子どもにとっても、親にとっても幸せな時間のはず。
いいことずくめですね。
でもこれ、「歌いかけ」でも同じことがいえるのではないかと思います。
歌いかけの効果って?
上に挙げた「読み聞かせの効果」は、すべて「歌いかけの効果」として置き換えられます。
- 言語の獲得
- 歌も言葉です。何度もうたってもらうことは、言語の獲得に結びつきます。
- 情操教育
- 歌にも、様々な思いや気持ちを表したものがたくさんあります。歌を通して体験することができます。
- 情緒の安定
- 大好きなお父さんやお母さんの声で歌ってもらうことは、心の安定に結びつきます。
- 想像力を養う
- 歌詞から様々なものを思い浮かべ、想像の世界を広げることができます。
- 集中力を養う
- 「歌いかけ」も一定時間一つのことに集中することになり、集中力を養うことに結びつきます。
- 親子のコミュニケーション
- 親子で一つの歌でつながることは、とても良いコミュニケーションです。
このように、「読み聞かせ」と「歌いかけ」はよく似ています。
そんなことからも、もっと「歌いかけ」を取り入れてほしいなと思います。
「歌いかけ」は音楽
「読み聞かせ」も「歌いかけ」も、同じような効果を得られるもの。
でも、二つには大きな違いがあります。
それは、「歌いかけ」は音楽であるということです。
音楽にはメロディーとリズムがあります。
これは、とても大きな違いです。
メロディーやリズムを伴う「歌」は、話しかけることよりも、子どもの耳に入りやすいですね。
だから、どんなに小さい赤ちゃんでも反応があるのだと思います。
人間は体の中にリズムを持っています。
心臓の鼓動、呼吸、歩くこと、走ること・・。
全部一定のリズムを刻んでいます。
そうしたものに絡んでくるので、一定の拍子の上に成り立っている音楽に反応してしまうのでしょうね。
だから音楽は「たのしい、うれしい、だいすき」になるんですよね。
そして歌は、道具はいらない、場所は選ばない、すぐできる。
音楽のあふれる子育てをしたい、と思ったら「歌いかけ」。
たくさん歌をうたってあげてほしいなと思います。
子育て生活の中にもっと「歌」を!
普段の生活の中で、歌をうたうことをもっともっと取り入れていってほしいなと思います。
赤ちゃんの頃は、「ちょうちょう」や「チューリップ」や「ぞうさん」や・・
思いつく限りの童謡を、おむつを替えながら、ミルクをあげながら、お風呂に入れながら、いっぱい歌う。
もう少し大きくなってきたら、散歩中にカエルを見つけたら「カエルの歌」。
トンボが飛んでたら「とんぼのめがね」、といった具合に。
NHKの幼児番組「おかあさんといっしょ」で流れる歌や、保育園幼稚園で覚えてきた歌を教えてもらって、一緒に歌ったり。
お母さんやお父さんなど身近な人の「生の声」で、子どもの反応を見ながら、大きな声にしたり小さな声にしたり、ゆっくり歌ったり。
難しいことは考えず、楽しいから歌う。
その副産物として、集中力や想像力が養われる。
それでいいと思いますし、それが大事だと思います。
こんな風にして育った子は、きっと一生音楽大好きになると思います。
(公開日:2016年9月1日 最終更新日:2024年8月28日)
→童謡を知らない子が増えているように感じます。お家でももっと歌ってほしい。
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