私の教室での日々のレッスンで、曲を途中で間違えると必ず最初に戻って弾き始める子がいます。
そこだけを弾きなおす、つまり「部分練習」をしない。したがらない。
これって、いったい何でしょう・・⁇
原因を考えてみました。
「部分練習」ができないのはその曲が定着していないから?
曲の途中で間違えると、そこの部分だけを弾きなおすのではなく、一番初めまで戻ってもう一度弾くということをする子がいます。
すると、今間違えてしまったカ所に至る前に別のところで間違えてしまい、また最初から・・になったりします。
部分練習をするのがとっても苦手!「ここだけ弾く」ということが生理的に気持ち悪い。
そんな様子です。
これは、比較的小さな子に多いように思います。
これっていったい何なんだろう・・?
とっても不思議・・
と悩んだ時期もありました。
いろいろと考えた結果、これは結局、
この曲がまだ自分の中に定着していない
ということかな、という考えに至りました。
弾けないまでも、サラサラっと歌えてしまえるような曲(例えば誰でも知っている童謡など)では、比較的少なく感じます。
まだ曲が自分に根付いていないから、途中から弾いてもよくわからない。
そういうことではないかと。
でも、先にも書いたように、何小節も前に戻って最初からやり直すのは、今間違えたところに行きつくまでに別のところで間違えてしまうんです。
やっぱり「部分練習」をしてほしいんですよね。
だけど、本人にしてみれば、部分練習は気持ち悪いことのよう。
曲の流れをつかんでいるところなのに、ここだけ弾くなんて・・
そんなことできない!
という感じでしょうか。
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「部分練習」には自分が何を弾いているかの意識化が大事
始めから弾いて間違えたところを直そう、というのは、手癖で覚えてしまおう、ということです。
手癖で弾くことは、暗譜をしなければいけない曲では大変危険。
万が一忘れてしまった時に、立ち直れなくなります。
それに、手癖で覚えようとするのは、この曲のメロディーのまとまりや全体の構成を、考えていない、ということです。
でも、実際に弾いている子どもたちからしたら、「曲をよく知らないから、始めから弾かないとわかんなくなっちゃう」ということなのでしょうね。
では、どうすればいいのでしょう。
「部分練習」をしてもらうために
私は、この2つが大事かな、と思い至りました。
- 初めからフレーズや曲の構成を意識する
- 弾く前に、歌うなどしてしっかり曲を知る
上達してくれば、ごく自然に同時進行で行っていけることですが、そこに至るまでは、一つ一つしっかり行っていく必要があると思います。
要するに、「自分が何をやっているのか」ということを、しっかり認識できるように促していくことが大事ではないかな、ということです。
まとめ 小さな子にも意識的な練習を
わりと小さな子に起きやすい「間違えたら始めから弾きなおす」現象。
「自分」という認識がまだまだ未熟だからこそ、起きることであるように思います。
間違えた!じゃあ最初から。
ひたすら弾いて手に覚えさせる。
やっていることを、自分でしっかり認識していない。ただただ弾いている。
これでは練習にあまり意味がありません。効率が悪いですよね。
自分が今やっているのはこんな曲。こういうメロディーで、ここまでがワンフレーズで、ここからこういう新しいメロディーが出てきて・・・
こんなこと一つ一つを意識的に行っていくこと。
発達心理学でいうところの「メタ認知」を刺激するような働きかけが、重要ポイントかも、と考えています。
(公開日:2016年9月19日 最終更新日:2024年3月13日)
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