『はじめてのギロック』初心者から弾けるおすすめのピアノ楽譜 難易度を詳しく紹介

曲集
スポンサーリンク

『はじめてのギロック』は、副題に~ビギナーのためのピアノ小曲集~とあり、全くの初心者から弾いていける曲集です。

曲の雰囲気が多彩で、決して子ども向きとは思いません。大人の方が弾いても十分楽しめるのではないかと思います。

以下に、それぞれの曲の難易度が分かるよう、できるだけ細かく詳しくご紹介します。

ピアノを楽しんでいる方々の、曲集選びの参考になれば幸いです。

『はじめてのギロック』その特徴は?~初心者向けの4つの曲集を1冊に~

ギロックといえば、24の調で書かれた『叙情小曲集』が有名で、ファンの多い作曲家ですよね。

『はじめてのギロック』は、アメリカで出版されている「ビッグノート・ソロ(A Young  Pianist’s First BIG NOTE SOLOS)」「アクセント・オン・ソロ(Accent On Solos Level①②③)」の4つの曲集を1冊にまとめたものです。

  • 「ビッグノート・ソロ」から10曲
  • 「アクセント・オン・ソロ①」から14曲
  • 「アクセント・オン・ソロ②」から12曲
  • 「アクセント・オン・ソロ③」から8曲

計44曲

掲載順も上の通りになっています。

難易度順は?

こちらの曲集、難易度低⇒難易度高という順にはなっていません

全体を通しての難易度は以下のような感じになります。

  1. 「アクセント・オン・ソロ①」
  2. 「ビッグ・ノート・ソロ」
  3. 「アクセント・オン・ソロ②」
  4. 「アクセント・オン・ソロ③」

 

掲載順では2番目になっている「アクセント・オン・ソロ①」が最も簡単です。

また、「アクセント・オン・ソロ」はほぼ①,②,③の順に難易度が上がりますが、「ビッグノート・ソロ」は、この10曲の中で難しくなっていきます。

「ビッグ・ノート・ソロ」は「アクセント・オン・ソロ①」の終わりから「②」の始めくらいの難易度かと思います。ということで、2番目に配置しました。

楽譜の見やすさは?

「ビッグノート・ソロ」は「大きな音符のソロピース」という意味で、5線の間隔が広くて音符の玉が大きく、とても見やすくなっています。

「ビッグノート・ソロ」の次の「アクセント・オン・ソロ①」までは同じ大きさです。

「アクセント・オン・ソロ②」から5線の間隔が狭くなり、楽譜は小さくなります。(でも、段と段の間は広く取ってあり、1ページの段数は同じです。)

⇩「ビッグノート・ソロ」

⇩「アクセント・オン・ソロ③」

上が「ビッグノート・ソロ」、下が「アクセント・オン・ソロ③」の中の1曲です。(違いが分かりにくい??)

 

スポンサーリンク

 

『はじめてのギロック』1曲ごとの難易度は?

一番気になるのは、それぞれの曲の難しさはどの程度かということですよね。

曲そのものの難易度を詳しく見ていきます。

ビッグノート・ソロ

まずは、はじめに掲載されている「ビッグノート・ソロ」についてです。

「ビッグノート・ソロ」は全部で10曲になりますが、この10曲の中で、だんだんと難しくなっていきます。

曲の長さは、短いもので16小節(1ページ)、長い曲は51小節です(3ページで最後に掲載)。

どの曲も、反復記号はついていません。

また、ダンパーペダルを使う曲が、4曲あります。

表にまとめてみます。

  拍子音符の種類、和音の有無音域調性(転調)小節数ペダル
1さぁ、ワルツを踊ろう3/4拍子4分、付点2分1オクターブ+4度ハ長調16小節(1ページ)
2のろし4/4拍子4分、2分、付点2分、全2オクターブ+3度ト短調♭2つ16小節(1ページ)
3道化師たち4/4拍子4分、2分、付点2分、全3オクターブ+4度ト長調♯1つ20小節(1ページ)
4塔の鐘4/4拍子4分、2分、付点2分、全 和音なし5オクターブヘ長調♭1つ33小節(2ページ)
5小さな羊飼い4/4拍子4分、2分、8分、全4オクターブDリディアン 調号なし16小節(1ページ)
6スイレン6/4拍子4分、付点2分3オクターブ+4度ハ長調16小節(1ページ)
7スクエア・ダンス4/4拍子4分、2分、全1オクターブ+5度ハ長調→ト長調→ハ長調 調号なし32小節(2ページ)
8おばけの足あと4/4拍子4分、2分、8分、全3オクターブ+6度ニ短調♭1つ16小節(1ページ)
9新しいローラースケート4/4拍子4分、8分 和音なし4オクターブト長調♯1つ16小節(1ぺージ)
10ガラスのくつ3/4拍子4分、2分、付点2分、8分2オクターブ+4度ハ長調→へ長調→ト長調→ハ長調 調号なし51小節(3ページ)

出てくる拍子、音符は?

曲の拍子は、

  • 4/4拍子・・・7曲
  • 6/4拍子・・・1曲
  • 3/4拍子・・・2曲

 

出てくる音符の種類は、

  • 4/4拍子・・・4分音符、2分音符、全音符、8分音符
  • 6/8拍子・・・4分音符、付点2分音符
  • 3/4拍子・・・4分音符、2分音符、付点2分音符、8分音符

 

8分音符は最後の3曲で割と多く出てきますが、それまでは、ほんのちょっぴり出てくるのが1曲、全く出てこない曲が6曲です。

和音の出現は多く、出てこないのは2曲のみです。

拍子や出てくる音符の種類を見ても、どの曲もリズムは難しくないことが分かると思います。

音域は?

音域は結構広いです。

一番簡単と思われる1曲目で1オクターブ半。中には5オクターブにまたがるものもあります。

つまり、オクターブ記号も出てくるということです。

固定の5指ポジションで弾けるものはありません。

そのため、楽譜と鍵盤の位置関係をしっかり理解できている(または、できる)状態でないと難しいかもしれません。

でも、右手左手それぞれで広い音域を弾くのではなく、メロディーを両手で弾き継いでいく形のため、位置さえしっかり理解できればさほど困難ではないと思います。

上に書いたように、リズムは決して難しいものではないので。

調性は?

調号は、♭は2つまで、♯は1つまでで、長調も短調もあります。

転調もしますが短く、臨時記号で対応されています。

 

スポンサーリンク

 

アクセント・オン・ソロ①,②,③

「アクセント・オン・ソロ」は、ほぼ①⇒②⇒③と難しくなるので、3つ合わせて記します。

曲の長さは、最も短いもので8小節の曲が「①」に2つあります。

最も長い曲は、全部弾いて78小節。これは「②」に出てきます。

「②」には、アウフタクトの曲が3曲あります。

「①」~「③」通して、1カッコ2カッコ、D.C.al Fineといった反復記号が出てきます。

「③」は、1ページの曲は2曲。あとはすべて見開き2ページで、長めの曲が多くあります。

ダンパーペダル使用の曲は、「①」で2曲、「②」で3曲、「③」で5曲登場します。

こちらも表にしてみます。

アクセント・オン・ソロ①】

  拍子
音符の種類、和音の有無
音域調性
小節数
ペダル
反復記号
5指固定可
1のぼっておりてキーボード2/4拍子4分、2分 和音なし
中央ドから上下3度ハ長調16小節(1ページ)

2小犬4/4拍子4分、2分、全 和音なし中央ドから上3度下4度
ハ長調
24小節(1ページ)
3サーカスのピエロ4/4拍子4分、2分 和音なし
中央ドから上5度下4度
ハ長調8小節(半ページ)
4スノーマン
4/4拍子4分、2分、全 和音なし
中央ドから上下4度イ短調8小節(半ページ)
5ハロウィンの魔法使い4/4拍子4分、2分、全 和音なし中央ドから上4度下3度イ短調16小節(1ページ)
6リトル ブラスバンド3/4拍子4分、2分、付点2分中央ドから上下4度ハ長調16小節(1ページ)
7おとうさんのロッキングチェアー3/4拍子4分、2分、付点2分中央ドから上下4度ハ長調20小節(1ページ)
8ガラスのビーズ3/4拍子4分、2分、付点2分 和音なし1オクターブ+4度ハ長調16小節(1ページ)
9ステイト フェアー4/4拍子4分、2分 和音なし中央ドから上5度下4度ハ長調24小節(1ページ)
10空とぶじゅうたん3/4拍子4分、2分、付点2分 和音なし2オクターブハ長調16小節(1ページ)クロスハンド
11柱時計と腕時計4/4拍子4分、2分、付点2分、全 和音なし2オクターブハ長調24小節(1ページ)
12冬の風6/4拍子4分、2分、付点2分1オクターブ+5度(調号なし)ニ短調第5音まで16小節(1ページ)
13竹にそよぐ風4/4拍子4分、2分、全2オクターブ5音音階(律音階)36小節(2ページ)
14インディアンの雨乞いのダンス4/4拍子4分、2分、全2オクターブドリア旋法24小節(1ページ)

【アクセント・オン・ソロ②】

  拍子音符の種類、和音の有無音域調性(転調)小節数ペダル反復記号5指指定可
1サマータイム ポルカ4/4拍子4分、2分、全 和音なし中央ドから上6度下4度ハ長調→二長調→ハ長調 臨時記号24小節(1ページ)
2グレーの小さなロバ4/4拍子4分、2分、付点2分、全中央ドから上6度下4度ト長調24小節(1ページ)
3インディアンの戦いのうた4/4拍子4分、2分、付点2分、全2オクターブニ短調22小節(1ページ)
4パリの花売り少女3/4拍子4分、付点2分1オクターブ+2度ハ長調→ト長調→ハ長調・ 臨時記号80小節(2ページ)
5小川で水あそび4/4拍子4分、2分、全、8分3オクターブ二長調20小節(1ページ+1段)
6帆船4/4拍子4分、2分、全、8分3オクターブ+3度へ長調12小節(3段)
7ジプシー キャンプ3/4拍子4分、2分、付点2分、8分2オクターブニ短調→へ長調→ニ短調48小節(2ページ)
8アルゼンチン4/4拍子4分、2分、8分3オクターブト短調→ト長調→ト短調24小節(弱起)(1ページ+2段)
9夏の夜空の星4/4拍子4分、2分、8分2オクターブ+3度二長調12小節(3段)
10ガボット4/4拍子4分、2分、全、8分1オクターブ+6度イ短調16小節(弱起)(1ページ)
11ミュゼット4/4拍子4分、2分、付点2分、全1オクターブ+6度イ長調20小節(弱起)(1ページ)
12真夜中のふくろう4/4拍子4分、2分、全2オクターブニ短調24小節(1ページ)

【アクセント・オン・ソロ③】

  拍子音符の種類、和音の有無音域調性(転調)小節数ペダル反復記号
1漂う雲3/4拍子4分、2分、付点2分、8分3オクターブ+3度ト長調20小節(1ページ)
2雪すべり4/4拍子4分、2分、付点2分、8分、装飾音符4オクターブト長調32小節(2ページ)
3女王様のメヌエット3/4拍子4分、2分、付点2分、8分2オクターブホ短調→ト長調→ホ短調32小節(2ページ)
4サーカスを見に行って3/4拍子4分、2分、付点2分、8分3オクターブ+7度ハ長調→イ短調→ト長調→ハ長調 臨時記号56小節(2ページ)
5インディアンの踊り4/4拍子(C表示)4分、2分、付点2分、8分4オクターブイ短調28小節(2ページ)
6おもちゃのダンス4/4拍子4分、2分、付点2分、8分2オクターブハ長調36小節(1ページ)
7東洋の市場4/4拍子4分、2分、付点2分、8分 和音なし4オクターブ中近東音階39小節(2ページ)
8サマータイム ブルース4/4拍子(C表示)4分、2分、付点2分、8分、3連符3オクターブ+5度Gメジャー ブルース スケール16小節(1ページ)

出てくる拍子、音符は?

曲の拍子は、以下の通りです。

 
4/4拍子8曲10曲5曲
3/4拍子4曲2曲3曲
2/4拍子1曲なしなし
6/4拍子1曲なしなし

使われている音符の種類は、以下のようになっています。

 
4/4拍子4分、2分、全4分、2分、全、付点2分4分、2分、全、付点2分、8分
3/4拍子4分、2分、付点2分4分、2分、付点2分、8分4分、2分、付点2分、8分
2/4拍子4分、2分
6/4拍子4分、2分、付点2分

『はじめてのギロック』すべてにおいて、16分音符は出てこないということです。

「③」に装飾音符の出てくるものが1曲、また、最後の曲で3連符が出てきます。

音域は?

「①」の多くの曲は、左右にわたってメロディーを弾く形になっていますが、「②」「③」と進むにつれて、右手メロディー左手伴奏、というように、それぞれの役割に分かれていきます。

そのため、音域は全体的にみて、それほど広くはありません。

「①」は、5指以内の固定ポジションで弾くことのできる曲がほとんどです。「②」にも2曲あります。

それでも、「②」「③」へ進むと3オクターブ、4オクターブにまたがっている曲もあります。

音域の広い曲は、両手で順に弾き継いでいくという形になっています。

調性は?

調性については、以下にまとめてみました。

  • ①・・・調号は付かない
  • ②・・・♭2つ、♯3つまで
  • ③・・・♯1つまで

 

「①」は、すべての曲で調号はつきません。つまり、ハ長調かイ短調ということになりますが、どちらもあります。

「②」に入ると、♭2つ、♯3つまで出てきます。もちろん長調も短調も。転調している曲もあります。

「③」の曲は、♯1つまでしか出てきません長調も短調もあります)が、中近東の音階を使った曲やブルースもあり、少し雰囲気の異なるものが含まれています。

「①」には、臨時記号も全く出てきませんが、「②」「③」にはちょくちょく出てきます。

 

スポンサーリンク

 

『はじめてのギロック』全体を通してのまとめ

すべての曲についてまとめてきました。

ここで、『はじめてのギロック』全体としてはどのような曲集なのかをまとめてみます。

難易度のまとめ~全くの初心者からブルグミュラー手前くらいまで~

まず注意が必要なのは、「掲載順≠難易度順」だということです。

難易度順は、

  1. 「アクセント・オン・ソロ①」
  2. 「ビッグ・ノート・ソロ」
  3. 「アクセント・オン・ソロ②」
  4. 「アクセント・オン・ソロ③」

となっていて、掲載順は1と2が入れ替わっています。

『はじめてのギロック』全体を通して、最もやさしい曲は「アクセント・オン・ソロ①」の始めの数曲です。

始めの5曲は、中央ドを中心に3度まで(ラからミ)の音のみで、メロディーを両手受け渡しで弾く形です。

8小節の2曲も、この中に含まれます。

その後、音域が徐々に広がり、小節数が増え、両手同時に弾く曲も出てくるようになります。

「ビッグノート・ソロ」の10曲はその中でだんだん難しくなっていますが、全体の難易度から見ると「アクセント・オン・ソロ①」から「②」くらいかと思います。

特徴としては、

  • リズムが簡単
  • 動きは片手ずつ
  • 調号は最大3つ

 

といったところでしょうか。

リズムは簡単。16分音符は出てきません。

音域が広い部分は、片手ずつ弾くようになっていますし、両手同時の曲も、動くのはどちらか一方という曲が多くあります。

難易度は低く、初心者の弾きやすい曲集だということが分かると思います。

最も難しいのは最後に載せられている「アクセント・オン・ソロ③」ということになりますが、ブルグミュラーに入る前あたりの難易度かと思います。

全く初心者の方のはじめてのテキストとしても良いと思いますし、比較的長く使える1冊ともいえるのではないでしょうか。

いろいろな雰囲気の曲が楽しめる

曲調はとても多彩です。

題名を読んでいくとわかると思いますが、景色や情景を描いたもの、楽しげなもの怪しげなもの・・様々な雰囲気のものが並んでいます。

情景が目に浮かんで、どんなふうに弾こうか想像力を掻き立てられるものも多いのではないでしょうか。

子どもっぽいかなと思う題名もありますが、決して子ども向けではないと思います。

大人の方が弾てこそステキな雰囲気が出せるのでは、と思う曲もたくさんあると感じます。

難点がひとつ・・・音域が広い

ひとつ難点は、音域が広いということでしょうか。

音域を広く使うため、リズムが単純でも多彩な雰囲気を出すことができるのかなと思います。

なかなか指を思うように動かすことの難しい初心者の方々は、鍵盤の位置をとらえるのに少々苦労するかもしれません。

でも、弾けるようになってくると、豊かなメロディーラインを十分楽しめると思います。

また、早いうちから楽譜と鍵盤の位置関係をしっかり身に付けることができるのは、大きな収穫ではないかと思います。

関連記事『はじめてのギロック』の中から数曲選んで弾いてみました。

作曲者「ギロック」について

最後に、作曲をしたギロックさんについて紹介をします。

『はじめてのギロック』で紹介されている文章をそのまま載せます。

ウィリアムL.ギロック(1917.7.1-1993.9.7)

音楽教育界の重要な作曲家の一人であったウィリアム・ギロックは1917年7月1日アメリカ合衆国ミズリー州ラ・ラッセルに生まれました。同州セントラル・メソヂスト・カレッジ卒業し、ルイジアナ州のニューオリンズへ移り、およそ21年間ピアノ教師として活躍しました。その後、テキサス州ダラスへ移り作曲活動に専念し、また生徒のオーディションの審査員として大変活躍しました。そしてピアノ教師対象のワークショップをアメリカ全土で行ってきました。

元M.T.N.A.全米音楽家協会会員 同理事会委員

ルイジアナ音楽家クラブ連盟会長

N.F.M.C.全米音楽家クラブ・デキシー地区会長

M.T.N.A全米音楽家協会アメリカ南部ジュニア・ピアノ委員長

などを歴任し、多数のピアノ独奏曲を作曲し、又他の作曲家の作品の編集にたずさわってきました。

ウィリアム・ギロックの名前は、「世界人名辞典」、「メン・オブ・アチーブメント」、「世界音楽家 フーズ・フー」に加えられた。

1993年9月7日、ダラス近郊のデソートで歿す。

出典元:「はじめてのギロッック」

最後に・・大人の初心者の方にもぜひ!

大人の初心者の方向けの教本は、様々なジャンルの誰もが知っている往年の名曲を扱ったものが多いように思います。

でも、クラシック曲を弾きたい、という方もいらっしゃいますよね。

そういう方にはとても良い曲集ではないかと思います。

ぜひ手に取ってみてください。

はじめてのギロック:全音オンラインショップ
はじめてのギロック,,ビギナーのためのピアノ小曲集

 

 

 

 

このカテゴリーの人気記事・新着記事

 

 

 

コメント

関連コンテンツ