『はじめてのギロック』難易度まとめ 初心者から弾ける色彩豊かなピアノ曲集

曲集

日本でも人気のあるアメリカの作曲家、ギロックさんの曲集『はじめてのギロック』を紹介します。

副題に~ビギナーのためのピアノ小曲集~とあり、全くの初心者から弾いていける曲集です。

私も、自分の教室の子どものレッスンで使っていますが、曲の雰囲気が多彩で、決して子ども専用とは思いません。

大人の方が弾いても十分楽しめるのではないかと思います。

この『はじめてのギロック』、初心者からブルグミュラー手前くらいまでと、比較的長く使える曲集だと思いますが、実は難易度順に並んでいません。

そこで今回は、曲の難易度に焦点を当ててまとめてみました。

ピアノを楽しんでいる方々、子どもから大人まで、ぜひ楽しんでいただきたい曲集です。

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『はじめてのギロック』の特徴~初心者向けの4つの曲集を1冊に~

はじめてのギロック (zen‐on piano library)

ウィリアム・ギロック(1917~1993)は、アメリカの音楽教育家であり作曲家として、大変有名な人です。

『こどものためのアルバム』『叙情小曲集』など、多くの楽譜が出版されていて、日本にもファンの多い作曲家ですよね。

今回は、『はじめてのギロック』を紹介するわけですが、この曲集は、アメリカで出版されている以下の4つの曲集からの抜粋曲を1冊にまとめたものです。

  1. 「ビッグノート・ソロ」から10曲
  2. 「アクセント・オン・ソロ①」から14曲
  3. 「アクセント・オン・ソロ②」から12曲
  4. 「アクセント・オン・ソロ③」から8曲

計44曲

『はじめてのギロック』への掲載順も、上の通りになっています。

難易度順は?

こちらの曲集、難易度低⇒難易度高という順にはなっていません

全体を通しての難易度は以下のような感じになります。

  1. 「アクセント・オン・ソロ①」
  2. 「ビッグ・ノート・ソロ」
  3. 「アクセント・オン・ソロ②」
  4. 「アクセント・オン・ソロ③」

掲載順では2番目になっている「アクセント・オン・ソロ①」が最も簡単です。

また、「アクセント・オン・ソロ」はほぼ①,②,③の順に難易度が上がりますが、「ビッグノート・ソロ」は、この10曲の中で難しくなっていきます。

「ビッグ・ノート・ソロ」は「アクセント・オン・ソロ①」の終わりから「②」の始めくらいの難易度かと思います。ということで、2番目に配置しました。

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『はじめてのギロック』曲ごとの難易度は?

それぞれの曲の難しさはどの程度か、ということも気になるところかと思います。

「初心者から弾ける」と書きましたが、そうはいってもどの程度なのか。

以下に、それぞれの曲の難易度をまとめていきます。

ビッグノート・ソロ

まずは、はじめに掲載されている「ビッグノート・ソロ」についてです。

「ビッグノート・ソロ」は全部で10曲になりますが、この10曲の中で、だんだんと難しくなっていきます。

曲の長さは、短いもので16小節(1ページ)、長い曲は51小節です(3ページで最後に掲載)。

どの曲も、反復記号はついていません。

また、ダンパーペダルを使う曲が、4曲あります。

出てくる拍子、音符は?

曲の拍子は、

  • 4/4拍子・・・7曲
  • 6/4拍子・・・1曲
  • 3/4拍子・・・2曲

出てくる音符の種類は、

  • 4/4拍子・・・4分音符、2分音符、全音符、8分音符
  • 6/8拍子・・・4分音符、付点2分音符
  • 3/4拍子・・・4分音符、2分音符、付点2分音符、8分音符

8分音符は最後の3曲で割と多く出てきますが、それまでは、ほんのちょっぴり出てくるのが1曲、全く出てこない曲が6曲です。

和音の出現は多く、出てこないのは2曲のみです。

拍子や出てくる音符の種類を見ても、どの曲もリズムは難しくないことが分かると思います。

音域は?

音域は結構広いです。

一番簡単と思われる1曲目で1オクターブ半。中には5オクターブにまたがるものもあります。

つまり、オクターブ記号も出てくるということです。

固定の5指ポジションで弾けるものはありません。

そのため、楽譜と鍵盤の位置関係をしっかり理解できている(または、できる)状態でないと難しいかもしれません。

でも、右手左手それぞれで広い音域を弾くのではなく、メロディーを両手で弾き継いでいく形のため、位置さえしっかり理解できればさほど困難ではないと思います。

上に書いたように、リズムは決して難しいものではないので。

調性は?

調号は、♭は2つまで、♯は1つまでで、長調も短調もあります。

転調もしますが短く、臨時記号で対応されています。

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アクセント・オン・ソロ①,②,③

「アクセント・オン・ソロ」は、ほぼ①⇒②⇒③と難しくなるので、3つ合わせて記します。

曲の長さは、最も短いもので8小節の曲が「①」に2つあります。

最も長い曲は、全部弾いて78小節。これは「②」に出てきます。

「②」には、アウフタクトの曲が3曲あります。

「①」~「③」通して、1カッコ2カッコ、D.C.al Fineといった反復記号が出てきます。

「③」は、1ページの曲は2曲。あとはすべて見開き2ページで、長めの曲が多くあります。

ダンパーペダル使用の曲は、「①」で2曲、「②」で3曲、「③」で5曲登場します。

出てくる拍子、音符は?

曲の拍子は、以下の通りです。

 
4/4拍子8曲10曲5曲
3/4拍子4曲2曲3曲
2/4拍子1曲なしなし
6/4拍子1曲なしなし

使われている音符の種類は、以下のようになっています。

 
4/4拍子4分、2分、全4分、2分、全、付点2分4分、2分、全、付点2分、8分
3/4拍子4分、2分、付点2分4分、2分、付点2分、8分4分、2分、付点2分、8分
2/4拍子4分、2分
6/4拍子4分、2分、付点2分

『はじめてのギロック』すべてにおいて、16分音符は出てこないということです。

「③」に装飾音符の出てくるものが1曲、また、最後の曲で3連符が出てきます。

音域は?

「①」の多くの曲は、左右にわたってメロディーを弾く形になっていますが、「②」「③」と進むにつれて、右手メロディー左手伴奏、というように、それぞれの役割に分かれていきます。

そのため、音域は全体的にみて、それほど広くはありません。

「①」は、5指以内の固定ポジションで弾くことのできる曲がほとんどです。「②」にも2曲あります。

それでも、「②」「③」へ進むと3オクターブ、4オクターブにまたがっている曲もあります。

音域の広い曲は、両手で順に弾き継いでいくという形になっています。

調性は?

調性については、以下にまとめてみました。

  • ①・・・調号は付かない
  • ②・・・♭2つ、♯3つまで
  • ③・・・♯1つまで

「①」は、すべての曲で調号はつきません。つまり、ハ長調かイ短調ということになりますが、どちらもあります。

「②」に入ると、♭2つ、♯3つまで出てきます。もちろん長調も短調も。転調している曲もあります。

「③」の曲は、♯1つまでしか出てきません長調も短調もあります)が、中近東の音階を使った曲やブルースもあり、少し雰囲気の異なるものが含まれています。

「①」には、臨時記号も全く出てきませんが、「②」「③」にはちょくちょく出てきます。

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『はじめてのギロック』掲載曲の題名は?

ここで、曲のタイトルを一覧にします。

いろいろな雰囲気の曲が収められています。タイトルからそれが感じられればと思います。

一部のリンク先は演奏動画です。私が弾いています。

【ビッグノート・ソロ】

  
1さぁ、ワルツを踊ろう
2のろし
3道化師たち
4塔の鐘
5小さな羊飼い
6スイレン
7スクエア・ダンス
8おばけの足あと
9新しいローラースケート
10ガラスのくつ

アクセント・オン・ソロ①】

  
1のぼっておりてキーボード
2小犬
3サーカスのピエロ
4スノーマン
5ハロウィンの魔法使い
6リトル ブラスバンド
7おとうさんのロッキングチェアー
8ガラスのビーズ
9ステイト フェアー
10空とぶじゅうたん
11柱時計と腕時計
12冬の風
13竹にそよぐ風
14インディアンの雨乞いのダンス

【アクセント・オン・ソロ②】

  
1サマータイム ポルカ
2グレーの小さなロバ
3インディアンの戦いのうた
4パリの花売り少女
5小川で水あそび
6帆船
7ジプシー キャンプ
8アルゼンチン
9夏の夜空の星
10ガボット
11ミュゼット
12真夜中のふくろう

【アクセント・オン・ソロ③】

  
1漂う雲
2雪すべり
3女王様のメヌエット
4サーカスを見に行って
5インディアンの踊り
6おもちゃのダンス
7東洋の市場
8サマータイム ブルース

関連記事『はじめてのギロック』の中から数曲選んで弾いてみました。

『はじめてのギロック』楽譜の見やすさは?

楽譜の状況についても、少しまとめます。

「ビッグノート・ソロ」は「大きな音符のソロピース」という意味で、5線の幅が広くて(1㎝)音符の玉が大きく、とても見やすくなっています。

1ページの段数は4段。1段4小節ですね。

「ビッグノート・ソロ」の次の「アクセント・オン・ソロ①」までは同じ大きさです。

「アクセント・オン・ソロ②」から5線の幅が狭く(8㎜)なり、楽譜は小さくなります。

でも、段と段の間は広く取ってあり、1ページの段数は同じです。(1段の小説数は4小節だったり5小節だったりします。)

『はじめてのギロック』全体を通してのまとめ

ここで、『はじめてのギロック』全体としてはどのような曲集なのかをまとめてみます。

難易度のまとめ~全くの初心者からブルグミュラー手前くらいまで~

まず注意が必要なのは、「掲載順≠難易度順」だということです。

難易度順は、

  1. 「アクセント・オン・ソロ①」
  2. 「ビッグ・ノート・ソロ」
  3. 「アクセント・オン・ソロ②」
  4. 「アクセント・オン・ソロ③」

となっていて、掲載順は1と2が入れ替わっています。

『はじめてのギロック』全体を通して、最もやさしい曲は「アクセント・オン・ソロ①」の始めの数曲です。

始めの5曲は、中央ドを中心に3度まで(ラからミ)の音のみで、メロディーを両手受け渡しで弾く形です。

8小節の2曲も、この中に含まれます。

その後、音域が徐々に広がり、小節数が増え、両手同時に弾く曲も出てくるようになります。

「ビッグノート・ソロ」の10曲はその中でだんだん難しくなっていますが、全体の難易度から見ると「アクセント・オン・ソロ①」から「②」くらいかと思います。

特徴としては、

  • リズムが簡単
  • 動きは片手ずつ
  • 調号は最大3つ

といったところでしょうか。

リズムは簡単。16分音符は出てきません。

音域が広い部分は、片手ずつ弾くようになっていますし、両手同時の曲も、動くのはどちらか一方という曲が多くあります。

難易度は低く、初心者の弾きやすい曲集だということが分かると思います。

最も難しいのは最後に載せられている「アクセント・オン・ソロ③」ということになりますが、ブルグミュラーに入る前あたりの難易度かと思います。

全く初心者の方のはじめてのテキストとしても良いと思いますし、比較的長く使える1冊ともいえるのではないでしょうか。

いろいろな雰囲気の曲が楽しめる

曲調はとても多彩です。

題名を読んでいくとわかると思いますが、景色や情景を描いたもの、楽しげなもの怪しげなもの・・様々な雰囲気のものが並んでいます。

情景が目に浮かんで、どんなふうに弾こうか想像力を掻き立てられるものも多いのではないでしょうか。

子どもっぽいかなと思う題名もありますが、大人の方が弾いてこそステキな雰囲気が出せるのでは、と思う曲もたくさんあると感じます。

難点がひとつ・・・音域が広い

ひとつ難点は、音域が広いということでしょうか。

音域を広く使うため、リズムが単純でも多彩な雰囲気を出すことができるのかなと思います。

なかなか指を思うように動かすことの難しい初心者の方々は、鍵盤の位置をとらえるのに少々苦労するかもしれません。

でも、弾けるようになってくると、豊かなメロディーラインを十分楽しめると思います。

また、早いうちから楽譜と鍵盤の位置関係をしっかり身に付けることができるのは、大きな収穫ではないかと思います。

関連記事『はじめてのギロック』の中から数曲選んで弾いてみました。

『はじめてのギロック』大人初心者の方もぜひ!

大人の初心者の方向けの教本は、様々なジャンルの誰もが知っている往年の名曲を扱ったものが多いように思います。

今回紹介した『はじめてのギロック』は、”誰もが知っている往年の・・・”ではないですが、雰囲気のある素敵な曲が満載です。

いろいろな曲を聴いてきた大人の方にも、きっと心に響くはず。

しかも、全くの初心者から弾くことができます。

ぜひ手に取ってみてください。

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