私の教室では、楽典の総合的なワークとして、主に『ジュニアクラスの楽典問題集』を使っていました。
関連記事→『ジュニアクラスの楽典問題集』をこちらの記事で詳しく紹介しています。
音符の書き方といった基礎の基礎から、音階や調性まで含まれているようなワークはなかなか無いという印象の中、いいね!と思い使ってきましたが・・
別の楽譜を探す中、偶然見つけたこの『ピアノひけるよ!楽典ワーク』。
基礎から調性、コードネームまで含む内容で、これはいい!と購入。
ていねいに整理されていて、分かりやすいなという印象です。
このワーク、あの有名なピアノ導入テキスト『ピアノひけるよ!』シリーズの1冊です。
よく使っているテキストなのに、なぜ今まで気づかなかった??
詳しく中身をまとめてみます。
- 子ども向け楽典ワークブックを探している人
- ピアノレッスンで使うワークブックを探している人
- 楽典の総合的なワークブックを探している人
- 見やすく整理されたワークブックを探している人
『ピアノひけるよ!楽典ワーク』って?
まずは、『ピアノひけるよ!楽典ワーク』とは、ということから。
こちらのワーク、「ピアノひけるよ!」というタイトルからも明らかなように、ピアノ導入教材『ピアノひけるよ!』シリーズの中の1冊です。
本書に掲載されている「ピアノひけるよ!シリーズ グレード対照表」を見ると・・
バイエル後半程度の難易度とされている『ピアノひけるよ!シニア』1,2,3巻の併用ワークという位置づけになっています。
『ピアノひけるよ!シニア』の楽典ワークは、1,2,3巻それぞれに対応した『シニアワークブック』1,2,3巻があります。
本書は、メインテキストに沿った内容ではなく、楽典の全体的な総合的なワーク、ということですね。
出版元であるドレミ楽譜出版社の本書紹介ページには、「小学校高学年を対象としており・・」と書かれています。
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『ピアノひけるよ!楽典ワーク』中身紹介
それでは、具体的な内容をまとめていきます。
具体的な内容(目次)
とにかく目次をそのまま載せちゃいます。それが一番わかりやすいと思うので。長いです・・
- パート1 基礎知識
- 五線と加線
- ト音記号とヘ音記号
- 問題1
- 譜表
- 高音部譜表
- 低音部譜表
- 大譜表
- オクターブ記号
- いろいろな音名
- 問題3
- 音符と休符
- 音符の種類と長さ
- 休符の種類と長さ
- 付点音符と付点休符
- 問題5
- 縦線(小節線)と小節
- 拍子記号
- 問題6
- リズムとリズム譜
- リズム
- タイ
- リズム譜
- シンコペーション
- 問題8
- 連符
- 問題9
- 臨時記号
- 臨時記号の種類
- 臨時記号のついた音名
- 臨時記号の効力
- パート2 用語・記号
- テンポについての用語・記号
- 数字によるもの
- ことばによるもの
- 強弱についての記号
- 問題12
- テンポと強弱の変化についての用語・記号
- テンポの変化をあらわすもの
- 強弱の変化をあらわすもの
- テンポと強弱の変化を同時にあらわすもの
- 曲想についての用語
- 問題14
- 奏法についての用語・記号
- 問題15
- 反復記号
- 問題16
- テンポについての用語・記号
- パート3 音程
- 音程のあらわし方
- 問題17
- 全音と半音
- 長・短・完全音程
- 長音程と短音程
- 完全音程
- 増音程・減音程
- 問題18
- 白鍵上の音程
- 問題19
- 臨時記号のついた音程
- 問題20
- 単音程と複音程
- 問題21
- 音程の転回
- 度数
- 長・短・完全など
- 音程のあらわし方
- パート4 音階
- 長音階と短音階
- 3つの短音階
- 自然的短音階
- 和声的短音階
- 旋律的短音階
- 調性と調号
- 長音階の調号
- 近親調
- 同主調
- 並行調
- 属調
- 下属調
- 移調と転調
- 移調
- パート5 コード・ネーム
- コード・ネームとは?
- トライアド(3和音)
- メジャー・コード
- マイナー・コード
- 白鍵上のトライアド
- 問題28
- セブンス・コード(7の和音)
- メジャー・セブンス・コード
- マイナー・セブンス・コード
- ドミナント・セブンス・コード
- 白鍵上のセブンス・コード
- 問題29
- 転回形
- 基本形と転回形
- ベース音の指示
- コード・ネーム一覧表
- 問題31
読んでいただいてお分かりの通り、「パート1」から「パート5」までの、大きく5つの内容に分かれています。
まずは、「基礎知識」として、楽譜に関する内容(パート1)。音符や休符、様々な記号についてですね。
次に、テンポ、強弱、曲想についての用語や記号(パート2)について。
そして、音程(パート3)⇒音階(パート4)⇒コード・ネーム(パート5)という順に調性に関する内容に入る。
こういった進み方になっていますね。
大きな特長としては、コード・ネームが含まれているということですね。
ここまで学ぶ内容のものはなかなか無いのではないでしょうか。
進み方~解説部分と問題部分~
本書は、問題だけが載せられている「問題集」ではありません。解説の部分を経て問題を解く、という進み方になっています。
「パート〇」の中の細かな単元ごとに「問題」があります。(二つほどまとめて「問題」となっているところもあります)
例えば・・
「パート2」の中の「1、テンポについての用語・記号」の問題として「問題11」がある。
「パート3」の中の「2、全音と半音」「3、長・短・完全音程」「4、増音程・減音程」の問題として「問題18」がある。
といった具合ですね。
単元の内容にもよりますが、ひとつの「問題」で、だいたい1ぺージから2ページが割かれています。
中には、半ページと少ないものもあります。
「問題」の出され方は?
どのような問題になっているかというと・・
解説がそのまま質問形式になっている、といってもいいくらい、解説内容に忠実な「問題」になっています。
前に出てきたことが混ざって応用問題のように複雑になっている、という感じではありません。
例えば・・「臨時記号」についての項では、
1,臨時記号の種類、2,臨時記号のついた音名、3,臨時記号の効力
の3つを学んで、その「問題」は・・
1,臨時記号の名前と意味を答える、
2,♯、♭のついた音の音名を英語、ドイツ語、日本語で答える
3,臨時記号が付くと次の同じ音が出てきた時にどうなるか、楽譜の例を見て答える
といった形です。
ということでは、基本的なことをしっかりと身につけられると言えるのではないでしょうか。
『ピアノひけるよ!楽典ワーク』見やすさは?
最後に、実際の紙面がどのようになっているかも紹介します。
文字は大きく、読みやすい字体(丸ゴシック?)になっていて、とても見やすい、読みやすいという印象です。
余白も多すぎず少なすぎずで、書き込みもしやすいのではないでしょうか。
目次を見ても分かりますが、単元が数字で分けられていて、各タイトルと文章とで文字の大きさがかなり違い、分かりやすく整理されていると思います。
大きな特長は、漢字にはすべてふり仮名がつけられていることでしょうか。小学生対象ということでの配慮ですね。
『ピアノひけるよ!楽典ワーク』まとめ 楽典の総合ワークとして完璧!
ここまで知っていれば十分、という楽典の基礎がまんべんなく含まれていて、それぞれが分かりやすく整理され、文字も大きく読みやすく、ふりがな付き・・
完ぺきではないでしょうか!
『ピアノひけるよ!』シリーズの1冊って、『ピアノひけるよ!』よく使っているのに知らなかった!
これまで使ってきた『ジュニアクラスの楽典問題集』ももちろんいいものだけれど、小学生にはこちらの『ピアノひけるよ!楽典ワーク』の方がよさそうですね。
ふりがなが付いている、というのは、中学生以上になると子どもっぽさを感じてしまうかも。
小学生・・『ピアノひけるよ!楽典ワーク』
中学生~大人・・『ジュニアクラスの楽典問題集』
こんな使い分けが良いかもしれません。
(公開日:2019年7月5日 最終更新日:2024年5月7日)
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