練習を始めたばかりの曲は、なかなかスラスラとは弾けません。
その曲自体をまだよくわかっていないので、音符を順に追いながら弾く、ということになりがちです。
でも、これって効率が悪いです。
ではどうすればいいのか。
それは、文章を読むように音符を読んでいけること。
これができると、音符を読むことがスムーズになり、弾けるようになるのも早くなります。
今回は「文章を読む」という視点で、楽譜を読むことについて考えてみました。
苦手なところの練習・・とにかくまずは読む!
私の教室のレッスンでの出来事です。
ある曲に取り組み始めて3週間くらい経つ子がいます。
アルペジオが延々と続く。しかも少しずつ音が変わる・・
これに、なかなか苦労をしているこの子。
こんな順序で練習をしています。
声に出して読む→弾く
まずは、スラスラ~っと音を読んでいけること。それから弾いてもらうようにしています。
音を読むときには、声に出してもらいます。
声に出すことで、頭で認識した後再び耳に入ってくるので、しっかりと意識することにつながりますよね。
そして、弾くときもその音を声に出しながら弾くとなお良いと思います。
でも、これだけではホントはいけない、と思っています。
スポンサーリンク
楽譜の読み方~音の連なりをまとまりで捉える~
音楽は1つ1つの音の連なりでできています。
でも、1つ1つがバラバラなのではなく、まとまりがあります。
そのまとまりが感じられるから、メロディーとして聴こえるんですよね。
そのまとまりを意識して音を読んでいくことが、とても重要だと考えています。
上に挙げたアルペジオは伴奏部分ですが、これも同じ。やっぱり”まとまり”があります。
そのまとまりをとらえて、音を読んでいかなくてはいけません。
その方が、音の連なりを把握しやすいはず。
上の例は4音のアルペジオが長々と続くのですが、
4つの音をひとまとまりにして同時に読む
ような感覚かな。
それには、やっぱり音をスラスラ読んでいけることが必要になるのですが。
理想の楽譜の読み方「文章を読むように」
小学校の低学年くらいだと、学校の宿題で「音読」というのがありますよね。国語の教科書を声を出して読むというものです。
文章は1つ1つの文字の連なりです。でも、まとまりがありますよね。それが単語。
音読をするとき、文字を一つ一つ声に出すのではなく、一瞬のうちにまとまりをとらえて、意味のある単語として読んでいくことになるはずです。
だから、文章全体の意味も聞いているだけで分かります。
演奏することは「音読」と同じ
楽譜を読むときも、そうであるべきだと思います。
ひたすら1つ1つの音符を読んで音にしていくのではなく、まとまり(つまりフレーズ)を意識して読む、演奏する。
初めて弾く段階からそうすることが大切です。
その方が、音の流れをつかみやすく、スムーズに読譜をすることにつながります。
だって文章を読むとき、最初から意味のあるものとして読んでいきますよね。
それと同じでは、と思います。
関連記事→「音読」の効果について調べてみました。
指使いも同じ
この事は、指使いについてもいえることではないかと思います。
「指使い」。これも、新しい曲を弾くときに問題になることの一つですよね。
初めて弾くとき、指使いを全く無視して弾いていく子は多い・・。
そして、1つ1つチェックしていくことになります。
これも、まとまりを意識して音符を読んでいけば、音の動きを把握することにつながり、おのずと指の動きを考えながら弾くことになるのではないかと。
また、逆に音の流れを把握していれば、指使いが多少違ってしまっても弾き通すことはできる。
もちろん、ムリ!という場合もありますが。
私も、指使いを正そうとひたすらその部分を弾く、という練習をさせてしまうことがあります。
これも、音のまとまりの中での指の動き、という視点が必要だなと感じます。
初めから「音楽的な演奏」をするために
その曲の楽譜を初めて見たときから、音のまとまりをとらえて読譜をしていく。
これは、初めて弾くという段階から音楽的に演奏することに結びつきますよね。
初めからメロディーとしてとらえられるので、これをどう弾こうか、という意識につながりやすいです。
この文章の意味(つまりメロディー)が分かっているのに、単調に弾くなんてことができるでしょうか?
初めての曲をスムーズに弾くということに留まらず、音楽を音楽として演奏するために、大切なことですね。
(公開日:2016年11月2日 最終更新日:2024年6月11日)
コメント