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「読譜」の本当のやり方教えます 音だけを読んでいませんか?

ピアノの弾き方・練習法

「読譜」とは、つまり楽譜を読むことなのですが・・

既成曲を演奏したいと思った時は、その曲の楽譜を見ながら練習することが多いと思います。

その際、ひたすら音符だけを見て音を出していく、という状態になっていませんか?

それは、実は「読譜」とは言いません・・!たとえ、音符がスラスラと読める状態であっても、です。

新しい曲を練習しようと楽譜を開いて、いきなり冒頭部分からとにかく弾いてみる、というのは、とても効率の悪い方法です。

本来の意味での「読譜」をして効率よく練習を進めることで、1曲を仕上げるスピードが速くなります。

それを目指してみませんか。

「読譜」って何?

「読譜」は文字通り楽譜を読むことです。

”楽譜を読む”というと、”音符を読む”ことだとイメージする場合が多いと思います。

でも、音符を読むことは「読譜」のごく一部分でしかありません。

音符を読むことは、音楽を演奏する上でとても重要であるのは確かです。

音が分からなければ、そもそも演奏できないですしね。

楽譜に書かれていることは音符だけではありませんよね。

スラーやスタッカート、強弱記号、そのほか様々な音楽記号が書かれています。

また、欄外には

  • 速度用語やメトロノーム表示
  • その曲のキー(調)
  • A、B、C・・といった区切り分け

などが書かれていたりします。

楽譜を開いたときに、一番上に大きく書かれているのは・・

そう!その曲の題名です。

そもそも題名だって楽譜の一部なんですよね。

つまり「読譜」とは、

楽譜に書かれている様々な曲に関する情報を、同時に読んでいく

ということです。

そうすることで、全く聞いたことのない曲を初めて弾く段階から、「こんな感じの曲かな・・」とある程度イメージを持って弾いていくことができます。

また、聴いたことのある曲を弾く場合でも、初めから表現を深めていく弾き方を追求していくことができます。

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「読譜」ってどうやるの?

じゃあ「読譜」ってどうやればいいのか。そのポイントをまとめていこうと思います。

曲を初めて弾く段階で

まずは、新しく弾くことになった曲を初めて弾いてみよう、という段階の場合です。

まず大事なのは、「いきなり弾き始めないこと」です。

弾く前に、楽譜全部を見回して、最低限チェックしておかなくてはいけないことがあります。

それは次の3つです。

  • 題名、速度用語、調
  • 構成
  • 全体的なイメージ

ひとつずつまとめていきます。

題名、速度用語、調

題名、速度用語、調は、楽譜の最初に書かれているものですね。

何が書かれているのか意識して見ておく必要があります。

題名は、すでに分かっている場合も多いかと思いますが、曲のイメージにつながることなので改めてきちんと読むといいのではないかと思います。

案外、省略して覚えていたり、「もしかしてこんな深い意味が含まれているかも・・」と気づくこともあるかもしれません。

速度用語は、この曲の速さですね。

楽譜の一番最初の部分のすぐ上に「Allegro(速く)」とか、「Moderato(中くらいの速さで)」などと書かれているものです。

速い曲なのか、それともゆったりとした曲なのか。

ここを見ることで、この曲の雰囲気がある程度つかめます。

メトロノーム表示が書かれている場合もあります。

その速さで弾けるのか、ということは置いておいて、一度表示通りに鳴らしてみるとよいと思います。

調は、この曲は何長調なのか、何短調なのかを知っておくということです。

ここでも、この曲の雰囲気をつかむことができますね。

また、調はこの曲に使われている音を示したものなので、調を事前に知っておくことは、実際に弾く段階で大きく役立ちます。

構成

曲の構成を知っておくことも、曲を弾いていくうえでとても重要です。

構成は、この曲の”つくり”のことですね。

ここからここまでは一区切りで、ここから新しいメロディーが始まっていて・・

といったことを知っておくということです。

A、B、C・・といった具合にあらかじめ書かれている場合もあります。

まず、それが書かれているかどうかを探してみるといいですね。

書かれていない場合は、自分で目星をつけておく必要があります。

関連記事曲の構成については、こちらの記事にまとめています。

また、曲の流れ、弾く順番もきちんと確認しておかなければいけないですね。

ここにリピート記号があるから、ここまで来たらまたここへ戻るんだな・・といったことですね。

全体的なイメージ

曲全体のイメージも、事前に知っておくとよいですね。

これは、上にあげた「題名、速度用語、調」でもわかることですが、楽譜全体を眺めたうえでの印象もとても重要です。

16分音符がいっぱい!という印象なら、「速い曲かな・・」。

音が少なめで長いスラーが書かれいるところが多いなら、「ゆったりと流れるような感じかな・・」。

こんな印象でいいです。

弾き始める前にこれを知っておくだけで、弾くときの心構えが違ってきますね。

おのずと、曲の表現を考えて弾くことに結び付き、注意しなければいけないことに気が付きやすくなります。

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実際に弾いていく段階で

上に書いたことをやっていって、実際に弾いて練習していくことになるわけですが、その際の「読譜」はどうしていけばいいのか。

そのことについてまとめます。

その時のポイントはただ1つ

  • 音符だけにとらわれない

ということです。

楽譜に書かれているあらゆることに、同時に意識を向けながら、弾いていくということです。

楽譜に書かれているあらゆること、というのは、スラーやスタッカートや強弱記号や・・といった音楽記号のことですね。

音を読むことと同時にそうしたものも把握し、初めて音にしていくときから、そのように弾いていきます。

そして、できるだけ両手で。

ピアノ曲は、一般的に、右手で弾く部分、左手で弾く部分の2段の楽譜が一つになった「大譜表」で書かれます。

初めからその2段を同時に読んでいくということですね。

できるできないは関係ありません。

止まり止まりでいいので、初めから、楽譜に書かれていることすべてを音にしていくようにします。

関連記事初めから両手で弾くことについて、こちらの記事にまとめています。

楽譜は、この曲のすべてが書かれているものです。

なので、できるだけ広い視野で見ることが大切です。

それが、「読譜」ということです。

でも、これって、はっきり言って大変です!そこで・・

区切りごとに弾く

1曲をはじめから最後まで、上の書いたように読譜をしながら弾いていく、というのは、かなり大変なことです。

練習が進んで、曲が分かってきてスムーズに弾いていけるようになっていればいいですが。

まだ練習を始めたばかりの時は、区切りごとに弾いていくようにします。

区切りというのは、曲の構成を把握するために確認した、曲の中の大きなまとまりのことですね。

楽譜によってはA、B、C・・といった具合にあらかじめ分けられています。

まずは、「A」だけを読譜しながら弾く、という形です。

これなら少し大変さが減って、集中してできるのではないでしょうか。

「A」が長ければ、さらに分けます。

ここでスラーが切れているのでここまでにしよう、とか、4小節ずつやろう、とか。

そういう形で始めていくとよいと思います。

音楽記号に印をつけておく

読譜をするときに見落としやすいのが、音楽記号です。

特に、2段になっている楽譜の真ん中の部分に書かれているものですね。

例えば、cresc.(クレッシェンド)dim.(ディミヌエンド)やrit.(リタルダンド)、など。

そして、案外忘れがちなのが強弱記号です。f、p、mf、mpなどですね。

そうしたものは、あらかじめ〇を付けておくなどして、目につきやすくしておくといいですね。

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「読譜」をきちんとして初めから「音楽」を

楽譜は、その曲の音符が書かれているものではありません。

その曲のすべてが書かれているものです。

音符だけではなく、楽譜に書かれている様々なことを同時に音にしていくということは、初めから音楽を演奏する、ということになります。

ピアノを弾こうとするとき、ただ音をなぞりたいのではなく、音楽を演奏したいんですよね。

だとしたら、初めから音楽を演奏することを目指しましょう!

簡単なことではありません。

なかなか大変ではありますが、音符だけに行きがちな視線を楽譜全体に広げ、広い視野で楽譜を読んでいく癖をつけていくことが大切です。

これは、楽譜の先読みをすることにもつながり、初見演奏をする力にもなっていきます。

関連記事楽譜の先読みと初見演奏については、こちらの記事にまとめています。

そして、初めから音楽を演奏しようとして弾いていくことは、結果的に効率よく練習を進めていくことになります。

右手だけ→左手だけ→両手→音楽記号に注目・・・

ではなく、これらをいっぺんにやっていくことになるので。

ぜひ身につけていただくことをお勧めします。

(公開日:2020年12月8日 最終更新日:2024年6月13日)

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