ブランクの長いピアノ経験者へおすすめ楽譜『おとなのためのピアノ教本』

ピアノ導入教材

今回は、『おとなのためのピアノ教本』を紹介します。

こちらは、ピアノ初心者用の教本ではありますが、「少し経験がある」とか「弾いていなかった時期が長くある」といった方向けかなと思います。

ピアノ、ましてや楽器は全く初めてという”超初心者”には、少し難しいかもしれません。

1巻~5巻までありますが、今回は1巻についてまとめてみます。

どのくらいのレベルから始まって、どのくらいまで進むのか、を確かめて、教本選びの参考にしていただければと思います。

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『おとなのためのピアノ教本』とは

まずは、『おとなのためのピアノ教本』はどんなものなのかをまとめます。

初版は1992年。ドレミ楽譜出版社から販売されています。今年2020年から数えて28年前になりますね。

1992年といえば、”大人のピアノ”がブームになったころでしょうか。大人初心者向け教本の先駆けといえますね。

著者は橋本晃一さん

著者は橋本晃一さん。子ども向け導入教材『ピアノひけるよ!』シリーズや、そのほか多くの教本や曲集を手掛けている方です。

こちら⇓で経歴やお人柄が分かります。

参考PTNA「ホームページ 「さどはら知子のわくわくポピュラーガイド」橋本晃一さん

全5巻の難易度は?

『おとなのためのピアノ教本』は全5巻から成っています。

難易度は以下の通り。

   グレードの比較       伴奏づけのコード

第1巻 バイエル前半程度     主要三和音

第2巻 バイエル後半程度     マイナー・コード

第3巻 ブルクミュラー程度    セブンス・コードなど

第4巻 ソナチネ・アルバム程度  ナインス・コードなど

第5巻は、第4巻までに習得した技術や知識を定着・発展させるためのレパートリー曲集にあたり、グレードはソナチネ~ソナタ・アルバム程度です。

引用:『おとなのためのピアノ教本』「本書の内容について」より

上の引用部分に「伴奏づけのコード」とありますが、この『おとなのためのピアノ教本』は、調やコードについても順次学んでいく内容になっています。

特色は?

この教本の特色として打ち出されているのは、「すぐに知っているメロディが弾ける」ということですね。

「はじめに」にも書かれていますし、教本の宣伝文にもこのように書かれています。

でも、大人向けの教本ってどれもそうですよね。よく知られている曲で練習していくというものがほとんど(というか、すべて?)。

出版当時は画期的だったのかな?

「はじめに」を引用してみます。

最初から楽しく弾ける、すぐに知っているメロディが弾ける、1曲進むごとに新しい知識と技術が身につく、クラシックが弾ける、ポピュラーも弾ける、気がついたらあこがれのショパンが弾けるようになっていた。

「そんなことができたらいいけど……」と思われる方は、この本にトライしてください。

引用:『おとなのためのピアノ教本』「はじめに」より

5冊をみっちりやればソナチネ~ソナタくらいまで進むようになっています。そのくらいまで弾くことができれば、きっとショパンも弾けますね。

また、この教本執筆のために多くの教本を参考にしたようです。

「本書の内容について」に以下のように書かれています。

本書のカリキュラムを組むにあたっては、手にはいるかぎりの資料を集め、比較研究いたしました。中でも、座右の書として特に参考にしたのは次の各教本です。

J.Bastien;The Older Beginner Piano Course(バスティン・年長者のためのピアノ入門)

F.Bryer;Vorschule in Klavierspiel(バイエル・ピアノ教則本)

J.Tompson;Adult Preparatory Piano Book(日本語版未出版)

J.Tompson;Modern Course For The Piano(トンプソン・現代ピアノ教本)

引用:『おとなのためのピアノ教本』「本書の内容について」より

様々な教本の研究を重ねた上に出来上がっているとのこと。こうしたことも特色の一つかなと思います。

 

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『おとなのためのピアノ教本1』1曲目に入るまでに

おとなのためのピアノ教本 (1)

それでは、『おとなのためのピアノ教本1』について詳しくまとめていきます。

まずは、練習の曲1曲目に入る前まで。

初心者用のテキストということで、1曲目に入るまでに基本的なことが抑えられています。

内容は次の通り。

  • ピアノの鍵盤(1ページ)
  • 楽譜の読み方(見開き2ページ)
  • 右手の練習(1ページ)
  • 左手の練習(1ページ)

詳しく見ていきます。

「ピアノの鍵盤」

まずは、ピアノの鍵盤について。

ピアノの鍵盤の写真が3枚あり、「ドレミ」と書かれたものと「ファソラシ」と書かれたものがあります。

黒鍵の並び方から音を探す、探し方の説明になっています。

「楽譜の読み方」

見開き2ページで楽譜の読み方についてまとめられています。

  • 五線
  • ト音記号とヘ音記号
  • 小節線と小節
  • 音符と休符
  • 拍子記号
  • 指番号

以上6点について書かれています。(とくに項目で分けられているわけではありません)

まずは、五線、ト音記号とヘ音記号、小節、小節線、終止線という名前について。

そのあと、4分音符、2分音符、全音符、そして、4分休符、2分休符、全休符の説明があります。

拍子記号については、2/4拍子、3/4拍子、4/4拍子の拍子の取り方の説明です。

最後に指番号。左右の手に番号が書き加えられた写真が載せられています。

「右手の練習」

ここから、実際に弾いていくことになります。まずは右手から。

始めに、弾くときの手の形の説明と、鍵盤と楽譜との対応図があり、そのあと4小節の楽譜が載っています。

使う指は指番号1,2,3、音は中央ドからドレミ。使われているのは、4分、2分、全音符。

4/4拍子で、拍を数えるための数字が書かれていて、指番号もついています。

「左手の練習」

次は左手です。

「右手の練習」と同じように、左手指番号1,2,3で4小節の楽譜を弾くようになっていますが、音はミファソです。楽譜はヘ音記号ですね。

鍵盤と楽譜の対応図には、右手ドレミの位置も書かれていますので、左手で弾く位置が分かりやすいですね。

「指番号1,2,3で、音はミファソ」ということは、動かす指は、右は1,2,3の順ですが、左は3,2,1の順になるということですね。

これって、初心者にとっては大きなことのように思います。動かす指が左右で違うということなので。

 

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『おとなのためのピアノ教本1』進み方はどうなってる?

この後1曲目に入ることになります。どんな曲でどのように進んでいくのかを見てみます。

収録曲は?

まずは、どんな曲でレッスンをするのか、掲載されている曲をまとめます。

  • 月の光に(フランス民謡)
  • 鐘が鳴る(フランス民謡)
  • ジングル・ベル(ピアポント)
  • さよなら(イギリス民謡)
  • 喜びの歌(ベートーベン)
  • かえるの合唱(ドイツ民謡)
  • 河はよんでいる(ビート)
  • 聖者の行進(アメリカ民謡)
  • 思い出(ベイリー)
  • ロンドン橋(イギリス民謡)
  • ローレライ(ジルヒャ―)
  • 漕げよマイケル(アメリカ民謡)
  • おんまはみんな(アメリカ民謡)
  • はじめてのブルース(橋本晃一)
  • きらきら星(フランス民謡)
  • ユー・アー・マイ・サンシャイン(J.デイビス&C.ミッチェル)
  • かっこう(ドイツ民謡)
  • かわいいあの子(インドネシア民謡)

少し難しくなって再登場、というものもありますが、曲としては全18曲です。

「弾く」ことに関する進み方

「弾く」ということに関する進み方は、以下のような感じですね。

  1. メロディーを片手ずつ(右⇒左)弾く
  2. メロディーを両手で弾く(両手ユニゾン)
  3. 右手メロディー左手伴奏(単音)
  4. 右手メロディー左手伴奏(3和音)
  5. 右手メロディー左手伴奏(アルペジオ)
  6. 右手メロディー左手伴奏(ズンチャッチャ系)

子どもの導入教材によくある「左右でメロディー受け渡し」という形はありません初めから左右それぞれでメロディーを弾きます。

次に両手ユニゾンがありますが、曲は「ジングル・ベル」1曲のみです。すぐに右手メロディー左手伴奏になります。

(後半にト長調とヘ長調が出てきますが、その時に両手ユニゾンで弾きます。)

伴奏部分は、単音→3和音→アルペジオ→ズンチャッチャ系(呼び名は?)といろいろ経験することになります。

この様々な伴奏形を弾く中で、コードや調を学んでいきます。

終わりの方には、ハ長調、ト長調、ヘ長調の主要三和音と属七の和音が出てきます。

音域の広がり方

音域の広がり方は、以下の通りです。

  1. 右:中央ドからドレミ 左:中央ドの1オクターブ下のドの上のミファソ
  2. 右:中央ドからドレミファソ 左:中央ドの1オクターブ下のドレミファソ
  3. ト長調、ヘ長調の始めの5音

この『おとなのためのピアノ教本』は、子どもの導入教材によくある「中央ドから上下に広がる」という音域の広がり方をしていません。

「中央ドから上下に広がる」という形では、左右で音は違いますが使う指(指番号)は同じになります。

でも『おとなのためのピアノ教本』は、1オクターブ違う場所のドレミファソを左右それぞれで弾くため、「音は同じで使う指(指番号)は違う」という形になっています。

これが、大きな特徴の一つです。

そして、すぐに5指(つまり5音)を使うことになり、「5指をそのまま移動させて調を変える」という形をとっています。

そうした方法で音域を変えることで、同時に調を学ぶわけですね。

各調の始めの5音(ハ長調ならドレミファソ)のみを使って曲を弾くことになるので、どの曲も5指固定で弾くことは可能です。

つまり、指くぐりなどは出てこないということです。

リズム、拍子について

使われている音符は、

  • 4分音符
  • 2分音符
  • 全音符
  • 付点2分音符
  • 8分音符
  • 付点4分音符

まず、4分、2分、全音符が一度に出てきて、そのあと付点2分、8分、付点4分音符が順次加わります。

休符は、

  • 4分休符
  • 2分休符
  • 全休符
  • 8分休符(特に説明なく1ヵ所のみ)

が出てきます。

付点4分音符+8分音符のタ~ンカのリズムが難しいといえるかもしれませんが、全体的にリズムは易しいですね。

拍子は、

  • 4/4拍子
  • 3/4拍子
  • 2/4拍子
  • 2/2拍子

の4つです。

2/2拍子(1曲のみ)のノリが少し難しいかもしれません。

記号について

出てくる記号は、

  • スラー
  • リピート(2種類)
  • タイ
  • 速度標語(5種類)
  • 強弱記号(4種類)
  • アクセント

です。

後ろへ進むほど記号が出てきますが、基本的なものばかりで、全体としては難しいものはありません。

 

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『おとなのためのピアノ教本1』楽譜の様子はこんな感じ

紙面の様子についてもまとめます。

五線の幅は8㎜ほど。大きすぎず小さすぎずという感じでしょうか。

余白は広くとってありますね。必要なことが簡潔に書かれている印象です。

終わりの方へ行くにしたがって曲が難しくなりますので、使われている音も多くなり、混みこみした感じになりますね。

基本的に、「説明⇒練習曲⇒楽曲」という構成になっています。

『おとなのためのピアノ教本1』まとめ ”超初心者”には難しい

この『おとなのためのピアノ教本』はピアノ初心者用の教本です。鍵盤上のドの場所の説明や弾き方から始まります。

でも、すぐに両手奏になり、コードや調を学んでいきます。

というところでは、「全くピアノに触れたことがない」「ピアノどころが楽器をやるのが初めて」という方には難しい教本だと思います。

でも、「多少楽譜が読める」「少しはピアノ経験がある」「ブランクが長い」という人にはちょうど良いのではないでしょうか。

はじめの基本的なところはすっ飛ばして、どんどん進んでいけるのでは。

しっかりやって進めていけば、ソナチネくらいまで弾けるようになる、ということなので、期待が持てますね。

ピアノは全く初めてという方には『シニア・ピアノ教本』があります。

関連記事『シニア・ピアノ教本』についてこちらで詳しく紹介しています。

『おとなのためのピアノ教本』をさらに分かりやすくしたもので、音域は中央ドから上下に広がる形で、左右でメロディー受け渡しから始まります。

コードや調についての内容は、2巻に入ってからです。

関連記事『おとなのためのピアノ教本』と『シニア・ピアノ教本』を比べた記事も書いています。

ぜひ参考にしてください。

 

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