ピアノ教室・音楽療法「音楽室ゆう」

長野県北安曇郡池田町にある、小さな小さな街の個人音楽教室です。
ピアノのレッスンと音楽療法の2本を柱に、レッスンを受けられる方の状況にとことん沿った内容で行うことを大切にしています。
障碍や病気をお持ちの方の出張レッスンも、可能な限り対応しています。

どうぞよろしくお願いいたします。

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【ピアノ導入教材紹介】ブランクの長い方へ『おとなのためのピアノ教本』

おすすめ楽譜
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今回は、『おとなのためのピアノ教本』を紹介します。

こちらは、ピアノ初心者用の教本ではありますが、「ちょっとだけ経験がある」とか「弾いていなかった時期が何十年もある」といった方向けかなと思います。

ピアノ、ましてや楽器は全く初めてという”超初心者”には、少し難しいかもしれません。

1~5までありますが、今回は『1』のみ詳しくまとめて見ます。

教本選びの参考になれば・・

『おとなのためのピアノ教本』とは

まずは、『おとなのためのピアノ教本』はどんなものなのかをまとめます。

初版は1992年。今年2018年から数えて26年前になりますね。

”大人のピアノ”がブームになったころでしょうか。大人初心者向け教本の先駆けといえますね。

著者は橋本晃一さん

著者は橋本晃一さん。子ども向け導入教材『ピアノひけるよ!』シリーズや、そのほか多くの教本や曲集を手掛けている方です。

こちら↓で経歴やお人柄などがわかります。

参考PTNA「ホームページ 「さどはら知子のわくわくポピュラーガイド」橋本晃一さん

全5巻の難易度は?

『おとなのためのピアノ教本』は全5巻から成っています。

難易度は以下の通り。

   グレードの比較       伴奏づけのコード

第1巻 バイエル前半程度     主要三和音

第2巻 バイエル後半程度     マイナー・コード

第3巻 ブルクミュラー程度    セブンス・コードなど

第4巻 ソナチネ・アルバム程度  ナインス・コードなど

第5巻は、第4巻までに習得した技術や知識を定着・発展させるためのレパートリー曲集にあたり、グレードはソナチネ~ソナタ・アルバム程度です。

引用:『おとなのためのピアノ教本』「本書の内容について」より

上の引用部分に「伴奏づけのコード」とありますが、こちらの教本、調やコードについての説明も載せられています。

特色は?

この教本の特色として打ち出されているのは、「すぐに知っているメロディが弾ける」ということですね。

「はじめに」にも書かれていますし、教本の宣伝文にもこのように書かれています。

でも、大人向けの教本ってどれもそうですよね。よく知られている曲で練習していくというものがほとんど(というか、すべて?)。

出版当時は画期的だったのかな?

「はじめに」を引用してみます。

最初から楽しく弾ける、すぐに知っているメロディが弾ける、1曲進むごとに新しい知識と技術が身につく、クラシックが弾ける、ポピュラーも弾ける、気がついたらあこがれのショパンが弾けるようになっていた。

「そんなことができたらいいけど……」と思われる方は、この本にトライしてください。

引用:『おとなのためのピアノ教本』「はじめに」より

5冊をみっちりやればソナチネ~ソナタくらいまで進むようになっています。そのくらいまで弾くことができれば、きっとショパンも弾けますね。

また、この教本執筆のために多くの教本を参考にしたようです。

「本書の内容について」に以下のように書かれています。

本書のカリキュラムを組むにあたっては、手にはいるかぎりの資料を集め、比較研究いたしました。中でも、座右の書として特に参考にしたのは次の各教本です。

J.Bastien;The Older Beginner Piano Course(バスティン・年長者のためのピアノ入門)

F.Bryer;Vorschule in Klavierspiel(バイエル・ピアノ教則本)

J.Tompson;Adult Preparatory Piano Book(日本語版未出版)

J.Tompson;Modern Course For The Piano(トンプソン・現代ピアノ教本)

引用:『おとなのためのピアノ教本』「本書の内容について」より

様々な教本の研究を重ねた上に出来上がっているとのこと。こうしたことも特色の一つかなと思います。

 

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1曲目に入るまでに

初心者用のテキストということで、1曲目に入るまでに基本的なことが抑えられています。

内容は次の通り。

  • ピアノの鍵盤(1ページ)
  • 楽譜の読み方(見開き2ページ)
  • 右手の練習(1ページ)
  • 左手の練習(1ページ)

詳しく見ていきます。

「ピアノの鍵盤」

まずは、ピアノの鍵盤について。

1番上部に鍵盤の写真が載せられています。

その下に、黒鍵と白鍵についての説明があります。

2つの黒鍵部分から「ドレミ」を探すよう説明されていて、「ドレミ」が書かれた鍵盤の写真が載っています。

そして、3つの黒鍵部分から「ファソラシ」を探すようになっていて、同じく「ファソラシ」が書かれた鍵盤の写真があります。

「実際に弾いてみましょう」といった一言もありますね。

「楽譜の読み方」

見開き2ページで楽譜の読み方についてまとめられています。

  • 五線
  • ト音記号とヘ音記号
  • 小節線と小節
  • 音符と休符
  • 拍子記号
  • 指番号

 

以上6点について書かれています。(とくに項目で分けられているわけではありません)

五線は、音符等の書かれていない5本線のみ。その下にト音記号とヘ音記号の書かれた五線があります。

ト音記号は右手で弾く高い音、ヘ音記号は左手で弾く低い音、といった程度の簡単な説明です。

小節線と小節は、ト音記号の書かれた3小節の五線に、「小節」「小節線」「終止線」が矢印で示されています。

音符と休符は、4分音符、2分音符、全音符と4分休符、2分休符、全休符の説明です。

拍子記号は、2/4拍子、3/4拍子、4/4拍子の2~3小節の楽譜があり、それぞれ、1,2,3・・といった具合に拍子のかぞえ方が示されています。

指番号は、左右の手に番号が書き加えられた写真が載せられています。

「右手の練習」

ここから実際に弾くことになります。

まず、右手を鍵盤の上に乗せた写真があります。中央ドに親指(1の指)を置いてドレミのところです。1,2,3と指番号が振られています。

鍵盤に手をのせた親指側から撮られた写真も載っています。「指は曲げすぎず、のばしすぎず‥‥」と説明があり、良い手の形が示されています。

次に、鍵盤の写真と実際の中央ドからドレミの示された楽譜があり、鍵盤と楽譜との関係がわかるようになっています。

最後に、4小節の楽譜があり、ドレミのみで弾くようになっています。

使われているのは、4分、2分、全音符。

4/4拍子で、拍を数えるための数字が書かれています。また、指番号もついています。

「左手の練習」

次は左手です。

「右手の練習」と同じように、左手を鍵盤の上に乗せた写真があります。

場所は、中央ドから4度下の「ソファミ」です。ソが親指(1の指)になりますね。写真に指番号も付いています。

次に鍵盤の写真とヘ音記号の楽譜があり、鍵盤と楽譜とをむすびつけられるようになっています。

鍵盤の写真には、「右手の練習」で弾いた場所に音名(ドレミ)が書かれています。

そして最後にヘ音記号4小節の楽譜があり、左手1,2,3の指でソファミの音を弾くようになっています。

「右手の練習」同様、使われている音符は4分、2分、全音符。4/4拍子で、拍が数字で示されています。また、指番号もついています。

ここまで「ソファミ」と書いてきましたが、実際は「ミファソ」の順で説明されています。楽譜も「ミファソ」から始まります。

つまり動かすゆびは、右は1,2,3の順ですが、左は3,2,1の順になるということですね。

音の流れは、どちらも下から上へということになりますが。

これって、初心者にとっては大きなことのように思います。動かすゆびが左右で違うということなので。

 

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進み方

この後1曲目に入ることになります。どんな曲でどのように進んでいくのかを見てみます。

収録曲は?

まずは、どんな曲でレッスンをするのか、収録されている曲をまとめます。

  • 月の光に(フランス民謡)
  • 鐘が鳴る(フランス民謡)
  • ジングル・ベル(ピアポント)
  • さよなら(イギリス民謡)
  • 喜びの歌(ベートーベン)
  • かえるの合唱(ドイツ民謡)
  • 河はよんでいる(ビート)
  • 聖者の行進(アメリカ民謡)
  • 思い出(ベイリー)
  • ロンドン橋(イギリス民謡)
  • ローレライ(ジルヒャ―)
  • 漕げよマイケル(アメリカ民謡)
  • おんまはみんな(アメリカ民謡)
  • はじめてのブルース(橋本晃一)
  • きらきら星(フランス民謡)
  • ユー・アー・マイ・サンシャイン(J.デイビス&C.ミッチェル)
  • かっこう(ドイツ民謡)
  • かわいいあの子(インドネシア民謡)

 

少し難しくなって再登場、というものもありますが、曲としては全18曲です。

レッスンの進み方

どの曲でどんな内容になっているのか、表にまとめます。

曲名 テーマ 内容
1 月の光に

(4/4、2段8小節)

両手の練習(1) 大譜表

片手ずつ(右⇒左)

1オクターブ

2 鐘が鳴る

(4/4、2段8小節)

両手の練習(2) 右ドレミファソ、左ソファミレド

片手ずつ(右⇒左)

3 ジングル・ベル

(4/4、3段16小節)

両手の練習(3) 両手ユニゾン

右⇒左⇒ユニゾン

4 さよなら

(3/4、3段12小節)

両手の練習(4) 付点2分音符

右メロディー左伴奏

5 喜びの歌

(4/4、4段16小節)

両手の練習(5) スラー
6 かえるの合唱

(4/4、2段8小節)

Cのコード 伊、英、日の音名

Cのコード

はじめに戻るリピート

7a 河はよんでいるⅠ

(3/4、2段16小節リピート含)

Gのコード Gのコード

コードの基本形、転回形

1カッコ2カッコのリピート

タイ

7b 河はよんでいるⅡ

(3/4、2段16小節リピート含)

アルペジオ(1) Cのコードのアルペジオ
8 聖者の行進

(4/4、4段16小節、アウフタクト)

Fのコード Fのコード

コードの第1転回形、第2転回形

9a 思い出Ⅰ

(4/4、2段8小節)

8分音符 8分音符

  • アンダンテ
  • アンダンティーノ
  • モデラート
  • アレグレット
  • アレグロ
9b 思い出Ⅱ

(4/4、2段8小節)

アルペジオ(2) アルベルティ・バス

p,mp,mf,f

10 ロンドン橋

(4/4、2段8小節)

付点4分音符 付点4分音符
11 ローレライⅠ

(3/4、3段16小節、アウフタクト)

伴奏づけ(1) コードネームのみで伴奏を弾く
12 漕げよマイケルⅠ

(4/4、4段16小節、アウフタクト)

伴奏づけ(2) 同上
13、14 ローレライⅡ

(3/4、4段16小節、アウフタクト)

漕げよマイケルⅡ

(4/4、4段16小節、アウフタクト)

G7のコード G7のコード(シファソ)

4/4=C

全音と半音 全音と半音(鍵盤の写真で説明)
15、16 おんまはみんな

(4/4、2段8小節)

はじめてのブルース

(4/4、2段8小節)

臨時記号 ♯♭♮
17 きらきら星

4/4拍子、2段12小節リピート含)

ト長調の練習 ハ長調、ト長調の音階

調号

リピート間の繰り返し

18a ユー・アー・マイ・サンシャインⅠ

(2/2、4段16小節、アウフタクト)

ト長調のコード ト長調の主要三和音

2/2拍子

18b ユー・アー・マイ・サンシャインⅡ

(2/2、4段16小節、アウフタクト)

伴奏づけ(3) ト長調の主要三和音をコードネームのみで弾く

2/2=¢

19 かっこう

(3/4、3段12小節)

ヘ長調の練習 ヘ長調
20a かわいいあの子Ⅰ

(2/4、4段16小節)

ヘ長調のコード ヘ長調の主要三和音

アクセント

  • クレッシェンド
  • デクレッシェンド
20b かわいいあの子Ⅱ

(2/4、4段16小節)

伴奏づけ(4) ヘ長調の主要三和音をコードネームのみで弾く

「弾く」ことに関する進み方

「弾く」ということに関する進み方は、以下のような感じですね。

  1. メロディーを片手ずつ(右⇒左)弾く
  2. メロディーを両手で弾く(両手ユニゾン)
  3. 右手メロディー左手伴奏(単音)
  4. 右手メロディー左手伴奏(3和音)
  5. 右手メロディー左手伴奏(アルペジオ)
  6. 右手メロディー左手伴奏(ズンチャッチャ系)

 

子どもの導入教材によくある「左右でメロディー受け渡し」という形はありません初めから左右それぞれでメロディーを弾きます。

次に両手ユニゾンがありますが、曲は「ジングル・ベル」1曲のみです。すぐに右手メロディー左手伴奏になります。

(後半にト長調とヘ長調が出てきますが、その時に両手ユニゾンで弾きます。ト長調「きらきら星」、ヘ長調「かっこう」です。)

伴奏部分は、単音→3和音→アルペジオ→ズンチャッチャ系(呼び名は?)といろいろ経験することになります。

この様々な伴奏形を弾く中で、コードや調を学んでいきます。

終わりの方には、ハ長調、ト長調、ヘ長調の主要三和音と属七の和音が出てきます。

音域の広がり方

音域の広がり方は、以下の通りです。

  1. 右:中央ドからドレミ 左:中央ドの1オクターブ下のドの上のミファソ
  2. 右:中央ドからドレミファソ 左:中央ドの1オクターブ下のドレミファソ
  3. ト長調、ヘ長調の始めの5音

 

この『おとなのためのピアノ教本』は、子どもの導入教材によくある「中央ドから上下に広がる」という音域の広がり方をしていません。

「中央ドから上下に広がる」という形では、左右で音は違いますが使う指(指番号)は同じになります。

でも『おとなのためのピアノ教本』は、1オクターブ違う場所のドレミファソを左右それぞれで弾くため、「音は同じで使う指(指番号)は違う」という形になっています。

これが、大きな特徴の一つです。

そして、すぐに5指(つまり5音)を使うことになり、「5指をそのまま移動させて調を変える」という形をとっています。

そうした方法で音域を変えることで、同時に調を学ぶわけですね。

各調の始めの5音(ハ長調ならドレミファソ)のみを使って曲を弾くことになるので、どの曲も5指固定で弾くことは可能です。

リズム、拍子について

使われている音符は、

  • 4分音符
  • 2分音符
  • 全音符
  • 付点2分音符
  • 8分音符
  • 付点4分音符

 

まず、4分、2分、全音符が一度に出てきて、そのあと付点2分、8分、付点4分音符が順次加わります。

休符は、

  • 4分休符
  • 2分休符
  • 全休符
  • 8分休符(特に説明なく1ヵ所のみ)

 

が出てきます。

付点4分音符+8分音符のタ~ンカのリズムが難しいといえるかもしれませんが、全体的にリズムは易しいですね。

拍子は、

  • 4/4拍子
  • 3/4拍子
  • 2/4拍子
  • 2/2拍子

 

の4つです。

2/2拍子(1曲のみ)のノリが少し難しいかもしれません。

記号について

出てくる記号は、

  • スラー
  • リピート(2種類)
  • タイ
  • 速度標語(5種類)
  • 強弱記号(4種類)
  • アクセント

 

です。

後ろへ進むほど記号が出てきますが、基本的なものばかりで、全体としては複雑で難しいものはありません。

 

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見やすさはこんな感じ

紙面の様子についても載せてみます。

まずは、始めの方の説明部分。

余白は広くとってありますね。必要なことが簡潔に書かれている印象です。

始めの方の曲。

真ん中のころの様子⇩

終わりの方の様子です⇩

終わりの方へ行くにしたがって曲が難しくなりますので、使われている音も多くなり、混みこみした感じになりますね。

基本的に、「説明⇒練習曲⇒楽曲」という構成になっています。

でも、説明がそれほど多く必要なかったり、楽曲が長かったり、ということもあるので、1ページ内にどこまで書かれているかはいろいろです。

1ページに説明のみ、という場合もありますし、楽曲まですべて、という場合もあります。

”超初心者”には難しい

この『おとなのためのピアノ教本』はピアノ初心者用の教本です。鍵盤上のドの場所の説明や弾き方から始まります。

でも、すぐに両手奏になり、コードや調を学んでいきます。

というところでは、「全くピアノに触れたことがない」「ピアノどころが楽器をやるのが初めて」という方には難しい教本だと思います。

でも、「他の楽器の経験がある」「ちょっとだけピアノ経験がある」「ブランクが長い」という人にはちょうど良いのではないでしょうか。

はじめの基本的なところはすっ飛ばして、どんどん進んでいけるのでは。

しっかりやって進めていけば、ソナチネくらいまで弾けるようになる、ということなので、期待が持てますね。

ピアノは全く初めてという方には『シニア・ピアノ教本』があります。

関連記事「【ピアノ導入教材紹介】大人の超初心者におすすめ『シニア・ピアノ教本』」

『おとなのためのピアノ教本』をさらに分かりやすくしたもので、音域は中央ドから上下に広がる形で、左右でメロディー受け渡しから始まります。

コードや調についての内容は、2巻に入ってからです。

ぜひ参考にしてください。

 

出版元であるドレミ楽譜出版社もどうぞ。

 

 

 

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