日本の若者は、自己肯定感が低いといわれます。
でも、その自己肯定感、感じ方にお国柄があるようです。
日本の場合は、「自己有用感」との関連が強いんだとか。
自己有用感って何?それって大事⁇
やっぱり大事なのは「自己」による自己肯定感でしょ!と思った話をまとめます。
日本人は「自己肯定感」が低いらしい・・
日本人は自己肯定感が低い。
私も、そんなことをどこかで聞いた覚えがあり、「そうなんだ~」と思っていました。
それって、何から分かったことなんでしょう。
内閣府による若者の意識調査
若者に対する意識調査として、平成25年(2013年)と平成30年(2018年)に内閣府が「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」というものをしています。
その中で、「自分自身に満足している」という項目が、他の国と比べて最も低い、という結果になっています。
参考→内閣府「今を生きる若者の意識∼国際比較から見えてくるもの~」
それ以前や以降にも、民間の団体等で似たような調査がされていて、そこからも、日本人の自己肯定感の低さがうかがえるようです。
「自分自身に満足している」という感覚。
内閣府の調査では、この「自己肯定感」が何に基づいて得られているものなのか、が分析されています。
それによると、日本の若者の自己肯定感は「自己有用感」と深い関係がある、ということが分かりました。
つまり、自己有用感の高い人は自己肯定感も高い傾向にある、ということですね。
これは、他の国々には見られない、日本独特のものだということです。
日本も含め、どの国でも最も関連が大きかったのは、「長所(自分には長所がある)」でした。
けれど、日本以外の国では、日本では2番目にあがる「自己有用感」よりも、
- 「挑戦心(うまくいくかわからないことも意欲的に取り組める)」
- 「主張性(自分の考えを相手にはっきりと伝えられる)」
といった「自分が自分をどう見ているか」といった項目の方が、関連が強かったということです。
外国の若者は、「自己肯定感」を感じるのに「自己有用感」は関係ない、という結果になっているということですね。
参考→文部科学省 教育再生実行会議第十次提言「自己肯定感を高め、自らの手で未来を切り拓く子供を育む教育の実現に向けた、学校、家庭、地域の教育力の向上」資料
自己有用感って?
「自己有用感」
私はこの言葉、正直、今回初めて知りました。
自己有用感は、他人の役に立った、他人に喜んでもらえた、・・等、相手の存在なしには生まれてこない点で、「自尊感情」や「自己肯定感」等の語とは異なります。
日本の若者は、これを強く感じているほど「自己肯定感」もより強く感じられている、ということですね。
他者の評価で自己の評価を決めている
自分が他人の役に立っているかどうかで自分の価値を測る、って・・なんとも日本的だなあ、と思いました。
「人に迷惑をかけない」ということが、とても大事にされる社会ですし、こういう結果になるのも分かる気がします。
「自己有用感」そのものは、とっても大切なものですよね。
人から感謝され、必要とされる、という感覚は、生きていく力になります。周りの人のために動こう、という原動力にもなりますし。
「自己有用感」が高いに越したことはないですね。
でも結局は、他人に自分の評価をゆだねている、ということで・・。
「自分自身で自分を高く評価する」ということも、やっぱり必要では、と感じます。
「自己有用感」そのものは、諸外国と比較して低いということはないようです。
でも、相対的に見て「自己肯定感」が低い日本人。
ということは、「自己有用感」とは違う視点で自分を見る目を養う、ということもとても重要になるのではないかな。
と思いました。
参考→内閣府「平成30年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」有識者の分析
音楽は「自己肯定感」を高める
音楽をやっている身としては、やっぱりここへ行きつくんですよねえ。
音楽を自ら演奏することは、自分の内面をじっくり見つめ、納得して表現していくこと。
それは、自己による「自己肯定感」を高めることになるのではないかな。
芸術全般が、こういうものではないかと思います。
誰が何と言おうと、自分はこれがいいと思ったから、演奏した、創った、描いた・・
こうした経験を積むことは、自分自身の価値基準で、自己肯定感を高めていくことにつながるのではないか。
そんな風に思います。
今回、「自己肯定感」というものの考え方をもう少し深めたい、と思っていろいろと調べる中いきついた、内閣府の調査やその分析、そして、「自己有用感」。
”感覚”というのは、奥が深くて難しく、調査結果についても、自分の中ではうまく理解し切れていない感じもあります。
そんな状態で、感想をまとめてみました。あくまでも「感想」。
「自己有用感」も大事だけど、自己による自己肯定感も大事。
結局は、バランスかなあ。
最終的な自分の結論は、こんな感じです。
(公開日:2019年11月13日 最終更新日:2020年9月11日)

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