ピアノ教室・音楽療法「音楽室ゆう」

長野県北安曇郡池田町にある、小さな小さな街の個人音楽教室です。
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【ピアノ導入教材紹介】大きな子や大人の方へ『トンプソン 現代ピアノ教本』

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『トンプソン 現代ピアノ教本』をご紹介します。

古くからある有名なテキストですが、実は、ここ「音楽室ゆう」のレッスンでは使ったことがありません。

書かれている事柄の表現の仕方や見た目から、小さな子向けではないな・・と感じているので。

でも、内容はとてもいい!しっかり着実に基礎が身についていく進め方になっています。

大人の初心者の方が独学で練習するのにも、とても良いのではないでしょうか。

①のみではありますが、中身を詳しくまとめてみます。

『トンプソン 現代ピアノ教本』とは

まずは基本情報から。

『トンプソン 現代ピアノ教本』は、ジョン・トンプソン(1889-1963)によるアメリカの教本です。

『現代ピアノ教本』としては全5巻。その前段階の『小さな手のためのピアノ教本』『はじめてのピアノ教本』があります。

 

 

初版は1972年ということなので、今年2018年から数えて実に46年前!長くなが~く使われているということですね。

日本に最初に入ってきたアメリカ発の教本、ということだそうです。

今回は1巻の内容を詳しくまとめていきます。

 

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特徴は?

このテキストの特徴は、以下の3つにまとめられると思います。

  • すべて5指固定で演奏可能
  • 初めから調を学ぶ
  • 初めから音楽記号、音楽用語を学ぶ

 

すべて5指固定で弾くことができますが、各調の5指ポジションで学んでいく形です。

その関係で初めから調について学んでいくことになります。

また、音楽記号、音楽用語がどんどん出てきます。もちろんその都度説明あり。

それだけ曲が「音楽的」だということが言えるのではないかと思います。

それぞれ詳しく書いてみます。

すべて5指固定で演奏可能

このことは前書き部分にもはっきり記されていて、著者が大切にしていることがわかります。

理由が以下のように書かれています。

指づかいのパターンを使えば移行がごく簡単であること、また生徒は、複雑な指づかいを無理に練習するより前に、まず指の実際の感覚を5本の指の位置で発達させるためのよい機会を、経験を通じて与えられるということです。

5本の指のグループは、あとになってでてくる音階やアルペジオの基礎であり、いうまでもなくすべてのピアノのテクニックの基礎でもあるのです。

引用:『トンプソン 現代ピアノ教本①』「5本の指の位置」より

すべて5指固定で弾ける、といっても、1曲目から5本の指すべてを使い、左右とも5度の音飛びがあります。

また終わりの方には、曲の途中で5指の位置が変わる曲や、クロスハンドも出てきます。

そして、1曲目から両手奏です。

このあたり、弾いていくのにちょっと気合いがいりそうです。

初めから調を学ぶ

このテキストの大きな特徴のひとつが、「初めから調を学ぶ」ということではないかと思います。

上にも少し書きましたが、音階の5指ポジションの5指固定で曲を弾いていくという形です。

まずは調号の付かないハ長調から始まるわけですが、右は中央ドからドレミファソ、左はその1オクターブ下のドレミファソの位置に手を置いて、弾いていきます。

調の進み方は、ハ長調から始まって♯♭がひとつづつ増えていきます。

ハ長調→ト長調(♯1つ)→ヘ長調(♭1つ)→ニ長調(♯2つ)→イ長調(♯3つ)→変ロ長調(♭2つ)→変ホ長調(♭3つ)→ホ長調(♯4つ)→変イ長調(♭4つ)

♯♭とも4つまでの長調のみが出てきますね。

すべて、5指の位置を確認してから弾くようになっています。

音階の説明もきちんとあります

5指固定だと、音階といってもドレミファソまでしか出てこないのか、というとそうではありません。ドレミファソラシドという8音についての説明もされています。

左ドレミファ右ソラシドという形(下降も)で音階を弾きます。そのための曲も載っています。

和音についても学びます

音階の説明のすぐ後に、和音についてのページもあります。

音程、三和音、そして、三和音の転回についても書かれています。

最後の方にカデンツという書き方はしていませんが、その入り口のような説明もあります。Ⅰ-Ⅳ-Ⅰの動きが出てきます。

初めから音楽記号、音楽用語を学ぶ

音楽記号や用語は、初めからどんどん出てきます。

1曲目からスラーが書かれていて、てフレーズを意識して弾くことの重要性が説明されています。

5曲目には、Moderato、Legato、mf、p、f、pp、mp、rit.、が出てきて、別枠で意味の説明がされています。

最終的に①の中でどれだけ出てくるのかは数えようもないですが、ごく一般的に使われるものはほぼ出てきているのではないでしょうか。

タイ、スタッカート、アクセント、テヌート、アンダンテ、アレグレット、アレグロ、クレッシェンド、デクレッシェンド、フェルマータ、オクターブ記号、各種リピート記号・・

ざっと見てこんな感じでしょうか。

さらに、ノクターンの意味についても書かれています。

これらは音楽を演奏するに欠かせないものなわけで、初めから音楽的に弾いて行くことを重視している表れだと思います。

 

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その他の特徴ー拍子やリズム、曲の長さなどについて

 

その他の特徴、技術的なことがどこまで進むのか、ということについてもまとめてみます。

拍子やリズムについて

出てくる拍子は様々です。以下の通り。

4/4(16曲)、3/4(22曲)、2/4(5曲)、6/8(7曲)拍子です(全50曲)

4/4拍子より3/4拍子の方が多いというのはめずらしいと思います。

また、6/8拍子が入っていますね。しかも7曲も。

初登場は半分を過ぎたころ(30曲目)。1項目とって説明されています。

その他、アウフタクトも使われています。

はじめて出てくるのは10曲目3/4拍子の曲ですが、6/8拍子にも3曲に出てきます。

アウフタクトについての説明は特にありません。

次にリズムについてです。

出てくる音符は16分音符まで。でも16分音符が出てくるのは最後の1曲のみで、それまでは8分音符までです。

8分音符は6/8拍子だけではなくその前から出てきます。

初登場は19曲目。1項目設けられています(「先生方へ」という枠で教え方について書かれています)。

4分音符や2分音符などについては特に説明はありません。1曲目は、右2分音符、左全音符の曲で、2曲目から4分音符が出てきます。

付点のリズムについては、3/4拍子でタ~ンカのリズム(付点4分+8分)が出てきます。初登場は27曲目で、ここで付点4分がはじめて出てきます。

その他リズムに関することでは、36曲目にシンコペーションが出てきます。1項目とって練習の仕方など詳しく書かれています。

曲の長さについて

1曲の長さは、長いものもあれば短いものもありますね。だんだん長くなるというわけでもないようです。

1曲2曲目は8小節。3,4曲目は16小節。そして、5曲目は8段32小節です。

それ以降は16小節もあれば8小節もあれば32小節もあれば・・という感じです。

最も長いのは48小節。3曲あります。「はじめての発表会用の曲」ということで18曲目に初登場です。

最も短いのは8小節ですね。

曲は1ページに1曲か長ければ見開き2ページに1曲という形。譜めくりが必要なものはありません。

”曲の捉え方”について

『トンプソン 現代ピアノ教本』は、「パターンの重要性」ということを重視しています。

前書きの部分に以下のようにあります。

パターンの重要性ということを考えて、著者はこの本で、メロディーのパターン・リズムのパターン・ハーモニーのパターン・指づかいのパターンに重点を置きました。パターンを見分けること学んだ初歩の生徒は、音符のよみとりや、記憶、解釈においてすぐれ、指のパターンの知識によって、曲を苦労して一音一音学んだ子どもよりも、はるかにすぐれたピアニストになります。

引用:『トンプソン 現代ピアノ教本①』「パターンの重要性」より

こうしたことから、テキストの中にはメロディーの音の流れや伴奏の動きのパターンを見つけることが随時書かれています。

5指を移動させて弾くのも「指のパターン」ということですね。

楽譜の見やすさについて

楽譜の状況もここで載せておきます。

今は導入教本は横長楽譜が多い中、こちらは縦型(菊倍版)ですね。

中身はこんな感じ⇩

始めの方

終わりの方

楽譜はそれほど大きくありません。一般的な感じですね。

小さな子ども向け・・・ではないよね

ざ~~っと『トンプソン 現代ピアノ教本』の①についてまとめてきました。

はじめから演奏に必要なことがキチッキチッと網羅され、積み上げられていく感じで、とてもしっかりした基礎を身につけていけそうな印象です。

進み方は早く、1冊でかなり進みますね。

説明文は小さく、先生向け(大人向け)に書かれている感じです。

イラストはないわけではないですが、すべて線画。上品な感じで私は好きです。

曲はクラシックですね。ほとんどが著者トンプソンさんのオリジナル曲のようですが、モーツァルトやブラームスなどの曲の簡単アレンジが入っています。

いろんなジャンルの今どきっぽい曲満載、という感じではありません。

ということで、小さな子向けではありません。小学校高学年くらいになっていないとなかなか理解が難しいように感じます。

はじめから5指すべてを使う形の曲になってますし、音符を読むことや楽譜と鍵盤位置、5指を動かすことなどがある程度できてから使うという感じでしょうか。

なので、『小さな手のためのピアノ教本』『はじめてのピアノ教本』がある、ということですね。

今回中身を詳しく見てみて改めてよいテキストだなと思いました。機会があれば使っていきたい。

また、初めてピアノを弾く大人の方の最初のテキストとしても使えるのではないかと思いますし、独学で練習される方にもいいのではないかと思います。

 

トンプソン 現代ピアノ教本(1)
ジョン トンプソン
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出版元全音楽譜出版社もどうぞ。

 

 

参考記事『トンプソンはじめてのピアノ教本』の紹介記事はこちらです。

 

あわせてチェックピアノ導入教材を紹介した記事の一覧です。

 

 

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