ピアノ教室・音楽療法「音楽室ゆう」

長野県北安曇郡池田町にある、小さな小さな街の個人音楽教室です。
ピアノのレッスンと音楽療法の2本を柱に、レッスンを受けられる方の状況にとことん沿った内容で行うことを大切にしています。
障碍や病気をお持ちの方の出張レッスンも、可能な限り対応しています。

どうぞよろしくお願いいたします。

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ピアノの発表会は強制参加?それとも自由?私が強制参加をやめた理由

発表会
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ピアノ教室で「発表会」といえば、最も大きな、最も重要な教室行事です。

ここで少々問題になってくるのが、参加は強制(ってちょっときつい言い方ですが)なのか任意なのか、ということでしょう。

発表会に出て大勢の前で演奏することは、とても良い勉強、良い経験になります。

それは確かです。

でも、ここ「音楽室ゆう」では「参加は自由」としています。強制参加をやめました。

その理由を書いてみます。

強制参加をやめるきっかけになったある出来事

「音楽室ゆう」は、2017年4月で開室8年目に入りました。まだまだ駆け出しピアノ教室です。

第1回目の発表会は2年目の冬です。

生徒数は少ないけれど発表会はとっても大事!何とかやりたい、と考えて、普段のレッスン室でこじんまりとしてでも行うことにしました。

原則全員参加、ということで。教室規約にもそのようにすでに記していました。

でも・・・

レッスンに来ている子どもたちには、当日から3か月ほど前に発表会について告知をし、曲を決めていくことになります。

そんな中、ある一人の子が、「今度発表会をしようと思うんだけど‥」ということを言ったとたんに今にも泣きだしそうな表情に。

当時その子は小学校1年生。レッスンを始めて10か月目を迎える頃でした。

「みんなの前でピアノを弾く」。もうそれだけで不安と緊張でいっぱいになってしまったんですね。

「その日は用事があると思うから、出られないと思う・・」などなど一生懸命自分で理由を考えて言います。

そばで聞いていたお母さんは、笑顔で「用事?ないない!どうもこの子、緊張しいなのよねー」といった感じ。

お母さんのこうした様子もあってか、その後不安そうな様子はちょくちょく見られつつも、発表会にはしっかり出演しました。

でも、私はこの事がきっかけで、発表会の参加の仕方について考えてしまいました。

発表会に参加する生徒の気持ちはどうあるべきか

「発表会」と聞いただけで、泣きたくなるほどのプレッシャーを感じる。

これほどの強い緊張感を与えてしまっていいのだろうか・・そんな権限が私にあるのか??

まず、この事を強く思いました。

出ることがすでに決まっている。嫌だろうが何だろうが、出なくてはいけない!

こんな苦しいことってあるだろうか。

そんな風に思いました。

もちろん、みんながみんなこの子のような状態だったわけではありません。

発表会出演を当然のように受け止めた子もいますし、みんなの前で弾くこと自体がとっても楽しみ!という子もいました。

でも、一方でそうではない子がいる。この事はきちんと受け止めなければいけない、と思いました。

「発表会は良い経験になる」その通りだけれど‥

「音楽は人に聴いてもらってこそ意味がある」と私は思っています。

発表会は、自分の演奏を人に聴いてもらう機会としてとっても重要です。

そうしたことから、「発表会はレッスンの一環と考えているので原則参加です」としていました。

でもね・・。

「発表会は大事」という考えは、私の立場からのことなんです。

子どもたちにしてみれば、「そんなこと知ったこっちゃない」なんですよね。

「いい経験になるよ」「もっと上手になるよ」「いい刺激を受けられるよ」と言われたって、「先生だからそう思うんでしょ」ということでしかありません。

そんなことより緊張するからいやだ、ということなんです。

「出たくない」という気持ちはとっても大事

上に挙げた子、「発表会」と聞いただけで泣けてきてしまうというのは、それがとっても緊張感を伴うことだということまで一瞬で想像し、嫌だ、という感情が生まれたということです。

これはまた、なかなかすごいことだと感じてしまった私です。

私の立場からいえば、発表会という人前で弾く場を、決して軽く考えてほしくはありません。

ある程度の緊張感をもって、聴いていただくという謙虚な気持ちで臨んでほしいものです。

この子は、そして「嫌だ、出たくない」という気持ちを持つすべての子は、そのことをすでに分かっている、ということでもあります。

そうしたことからも、この気持ちを大事に受け止める必要があると感じています。

その気持ちと葛藤してほしいと考えます。

積極的な気持ちで出てほしいから

「緊張する、嫌だ」という気持ちとしっかり向き合って、その上で最終的には「出る」と、自分の意思で決めてほしい。

こう思っています。

なので、「全員参加」をやめました。

出るかどうかを自分で決めてほしいのです。

初めから参加することが決まっていては、どこまで”葛藤”ができるのか・・。

緊張を克服して気持ちよく出られた、ということもあると思いますが、嫌々参加した、ということになる可能性も高くあります。

それでは、発表会をする意味はあるのか・・と思ってしまいます。

自分の気持ちと向きあった結果「出ない」という結論になっても、その子が自分で決めたことならそれだけで価値がある。

これもまた、発表会をする意味、になるのではないかなと思います。

発表会がなかったら、経験できなかったことですから。

「出てほしい」という私の気持ちはしっかり伝えます

「私は出てほしい。でも、決めるのはあなた。」

今は、こうしたスタンスで話を進めています。

上に挙げた子のようなことは、あれ以降ありません。

でも、「強制参加ではありません」ということをきちんと伝えつつ、発表会をすることの意味も要所要所で伝えるようにしています。

これまで4回発表会を行いましたが、レッスンを始めたばかり、復帰したばかりという子以外は全員参加しています(もともと少ない人数ですが)。

みんながみんな積極的な気持ちで出演しているのかどうか、本人たちに聞いてみなければわかりません。

でも、少なくとも「出なくてはいけないもの」とは思っていないのではないかな。

であれば、それでいいと思っています。

「大きなホールのいいピアノで」は無理だけれど

「音楽室ゆう」の発表会は、これまで4回行ってきたうちの3回が普段のレッスン室、1回が公共のホールの練習室を会場に行いました。

今年2017年度の5回目も、ホールの練習室で行う予定です。

レッスン室も練習室もグランドピアノです。もちろん、どちらのピアノもきちんとメンテナンスのしてあるものです。

でも、思ってしまうんですよね~。もう少しいいピアノで、そして大きなホールで弾かせてあげたいって。

それこそ、ピアノの発表会じゃなきゃなかなか経験できないことだしって。

で、思うんです。

おいおい待てよ、発表会で一番大事にしなくてはいけないことは、大きなホールで弾くこと?いいピアノで弾くこと?

人前で弾く、という経験をすること。それに向けて、考え、悩み、そして練習すること。

大事なのはこれ!

これからも忘れずに行きたいと思います。

 

任意参加、としている間は、なかなか大きなホールで行うことは難しいかもしれませんね。

というか、そもそもうちのような10人を切る生徒数の教室でホールを借りるなんて、どれだけ参加料をいただかなかなければいけなくなるのか。

そもそもムリ!

こじんまりとした場所で、こじんまりとやっていますが、それでも出演する子どもたちは、そこに向けて一生懸命練習し、緊張しながら丁寧に演奏しています。

これで十分ではないかな、と私は思っています。

ちなみに、参加料については、このような場所なので5000円を切る値段です。でも、赤字を出さずに行っています。

その辺は、きっちりさせていただいています。

 

 

 

 

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